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食事
見開いた目が瞼の皺に隠れる。
すると、俺の体は金縛りから解けたようになる。
「ああ、この子があんたの言ってた新しい転生者かい」
「ええ、そうよ」
「そうかい。わたしは『おばあちゃん』と気軽に読んでくれ」
目が離される。内心ほっとしていると、おばあちゃんは台所と思しきところまで歩き、寸胴鍋のような鍋の蓋を開く。そこからは牛の乳を煮たであろう甘い香りが立ち込める。おばあちゃんがおたまであろう道具で何かをすくう。
「とりあえずこれでも食べな」
さらさらと木の器に注がれたのはシチューだった。