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おばあちゃん

 外は木製の柱と屋根でできており、横では水車が回っている。


 中へ入ると調度品は基本木で作られていて、木製の椅子、机があった。

 そして、部屋の中ではさっきのエルフとは違ったエルフが机の上にスプーンを並べていた。


「おばあちゃん、アジスの様子は?」

 彼女がおばあちゃんと呼ぶように、そのエルフは見るからに高齢で、顔はところどころ皺だらけだった。


「ああ、大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけさ」

 先ほど倒れたエルフはアジスと言うらしい。おばあちゃんと呼ばれたエルフはしわがれた籠った咳払いを一つすると、こちらへ目を向けた。


 品定めするように全身を鋭い目線に晒される。


 こちらは蛇に睨まれた蛙のように動くことができない。


 きっとこの時代を生き抜いて来たであろう闘志が俺の体を貫く。


 せめてもの抵抗として見つめ返すのが精一杯だった。

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