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和解
「へえ、その天使はどんな特徴だった? 互いに信用できない状態だからな。認識をすり合わせていこう」
平静を保って、どこ吹く風で話を進めていくが、背中は汗でぐっしょりと濡れている。あっちは武器を持っていて、こっちは武器をもっていない。
しかも、あっちが本当に転生者ならここの物理法則等を全く知らない俺はさらに不利になる。つまり、生殺与奪の権利を握られているということだ。というか、会えるんなら今すぐ出てきて仲裁してくれないかなあ。
「そうだな、あいつの特徴は――」
彼女は口を開く。それでも俺を見つめる目は動かさず、構えた槍の矛先は空の光を受けて光っていた。
何回か言葉をやり取りした後、お互いに確信した。
「一緒だな」
「ええ、家に入れてあげるわ」
少女は槍を地面に降ろし、翻って小屋へ歩いていく。
彼女のツインテールが赤く、横に流線上にたなびいた。