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リスタート
俺はもしかしたら転生して早々もう一度死ぬかも知れなかった危機を知ってしまった。
~エルフと出会う俺の物語。空から落ちて終了~
そんなのは嫌だ!
「あなたは遥か空の彼方から落ちてきたんですよ」
エルフは心配そうに見つめてくれていた。ありがとう。
俺の膝から力が抜け、膝をつく。
「あはははは」
乾いた笑いが自然と出てきた。
ああ、神よ。
ああ、無常。
大きく息を吸い込んで一息。
「この神の馬鹿野郎―」
空に向かって思いっきり叫んだ。
「どうしたんですか? 何があったのか知りませんが、神様のこと悪く言ったらいけませんよ」
おでこを人差し指で小突かれた。
怒られたのになんだか変な気分になる。
「あ、俺のこと空から落としたの、神なんですよ」
「え、それはそれは」
信じられないという顔でこちらを見つめる。
俺だって信じたくないよ。
「はあー」
ため息が出た。
手を後ろに回して頭を抱える。
後からわかったことだが、これがいけなかった。
そして、悲劇が起こる。