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第一声
「空から落ちてきましたよね。どうかしたんですか?」
目の前の少女が話しかけてくる。
俺は無言で目を逸らす。
どこから話せばいいのやら。
あと、目の前の少女が美少女過ぎて緊張していた。
彼女は真っ直ぐに綺麗なエメラルドのように光る目でこちらを見つめてきた。
視界の端で青い髪が揺れている。
ただでさえ美少女なのに、エルフの耳が揺れるのが可愛くて仕方なかった。
いや、エルフには長寿という本もあったからおばあちゃんだったりするかもしれない。けど、愛さえあれば関係ないよね。
俺が異世界で声をかける第一声に迷っていると、彼女が気になる発言をした。
「ほんと、私の重力制御魔法が無かったらどうなっていたことか」
「ん、今なんて?」
俺は血の気が一瞬にして引いた。