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第五話 魔法を鍛える・初

 とりあえず判明したことを話そう。


 俺はあれから500回ほど同じ日を繰り返した。


 無魔法のレベルも64にまで上昇した。


 スキルレベルは持ち越されるようだ。


 しかし、無魔法一つでは山賊3人を殺すのが限度だった。


 一体殺すのにも何発か必要で、魔力が持たなかったし、クールタイムのせいで撃ったあとは何もできずに殺された。


 他の魔法は使う気も起きなかった。


 最初に試してみたが、どうにも無魔法が一番威力が高いようなのだ。


 だが、よく考えてみると他の魔法のスキルレベルが上がれば魔力量も上がるし、威力も上がるはずだ。


 詠唱時間の短縮も図れるし、消費する魔力も軽減されるだろう。


 魔力量以外の要素については、無魔法に関しては上昇する幅は少ないだろうが、それでもないよりは断然マシだ。


 スキルレベルは上がれば上がるほどに上がりづらくなっていくので、かなり有用だろう。


 これは試してみないと駄目だな。


 こんな簡単なことに気づかないとは……ヤキが回ったかな?


 そうして、スキル上げを試してまた死んだ。


 ––アリア、死亡524回目。山賊を三体倒したところで、取り囲まれて死亡。



 今回は7人倒せた。


 おそらく、その気になればヒットアンドアウェイで18人は殺せた。


 他のスキルも軒並み42まで上げたので、相当威力は上がっただろう。


 だが、それでも18人が限界だ。


 魔力はダダあまりになっている。それでも倒せなかったのは、山賊の棟梁の鎧が魔法を弾きやがるからだ。


 どうにも魔法が効きづらいと思ったよ。


 ––あいつら、魔力を防ぐ首飾りをつけていた。


 棟梁の鎧と同じような材質なので、間違いないと思う。


 正直、棟梁を殺すには今の魔法では威力が足りない。


 魔法には種類があって、俺が覚えているのは全部入門魔法だ。


 威力は相当低い。


 多分、中級魔法一つで棟梁を殺せるのだが、残念ながらそれが載っている魔法書はない。


 まっとうな師匠から教わらないとだめだ。


 そして、落ち延びて習って、また周回を再開しようにも伝手がない。


 20回くらい試してみたが、どれも失敗に終わった。


 浮浪児が教えてもらえるわけがない。


 別の解決策が必要ということだ。


 鬼を斬るなら鬼になる、毒に対しては毒持ってくる。


 ここはやつらの得意分野、近接戦を習わないとならないだろう。




「ん?剣術を教えてほしいって?あー、他ならぬアリアちゃんの頼みだから聞いてやりたいんだがな。あんまり暇がなくてなぁ」


 ベイガルさんの家に行き、弟子入りを頼んだが断られた。


「そ、そこをなんとか!」


「ははは、もうちょっと上手くなったら教え甲斐もあるんだろうがな。今のアリアちゃんは教えるには足りねぇかな」


 ズーンと沈んでしまった。


 どうすればいいんだよ。ここにきて頓挫か?


 魔法のスキルレベルをすべて99にして倒すという脳筋な方法を取らなきゃならんのか?


 年に換算して30年は掛かるだろう。


 そこまではやってられない。


「ただ、バーズなら教えてくれると思うぜ。あいつは暇してるし、アリアちゃんの頼み事なら聞いてくれるだろうさ」


 そ、そうだ!バーズもかなり剣を扱える!


 そのバーズに何百回か習って、その後に鍛え上げた剣技を見せてベイガルさんに認めさせるという方法も取れそうだ!


「ありがとうございます!」


 そうして、裏庭のほうに走っていった。


「久しぶりだな、バーズ」


「けっ、何しに来やがったよ男女」


 一見不仲そうに見えるかもしれないが、俺とバーズはそれなりに仲が良い。


 特に、エフが絡まないところでは。


 バーズは俺を恋敵だと思っており、ことあるごとに目の敵にしてくるが、エフはかなりバーズに好意を持っているため、親友たる俺への嫌がらせをやめたらころっと好きになると思う。


 というか多分すでに恋心を抱いているはずだ。


 それがやめられないからバーズなんだが……まあ良い。


 俺は必殺奥義・土下座をかまして懇願する。


「自分に剣を教えてくれ!」


「は、はぁ!?あの見るからにインドア派なお前が、剣!?」


 仰天しているが、ここは畳み掛ける。


「そうです、自分も剣の道を志したくなりました!どうか、この通り!」


「いつにも増して変な口調だが……まあいいぜ。そうか、お前も剣の良さに気づいたか」


 そうして、バーズに剣を教えてもらうことになった。

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