筋肉こそパゥワァ ~筋肉無双でマッスルハーレム~
俺の名前がフテー=マッソー!
今日の俺の素敵な筋肉の日々を紹介だ!
みんな、しっかり見てくれよな!!
今日は俺は、俺の筋肉がみとれながら森を歩いていた。
今日も美しいぞ、マイ筋肉よ。
日々鍛え抜いている我が筋肉は、並の鎧を漁がする。
これぞまさに鋼の筋肉!
「はぁ、今日も俺のマイ筋肉は美しい」
素晴らしきなな、我が筋肉。
そうやって森を散歩していたら、いかにも貧弱な緑色したボーイ達が、我のマイロードを邪魔してきた。
筋肉が足りないぞボーイ達、日々の生活に追われてトレーニングをしていないな?
鍛えよ筋肉、貧弱なボーイをおさらばできれば、筋肉と輝かしい未来が君達を待っている。
しかもそのボーイ達、なにやら見過ごせなう。
なにかな、その担いでいる可愛らしい筋肉は?
我の筋肉には遠く及ばないけど、細マッチョと言うには筋肉量が足りていないけど、将来とても良く引き締まりそうなプリティ筋肉ちゃん は?
「ギャッギャッギャギャ!!」
緑色した貧弱なボーイ君、何を言っているか分からないなぁ?
声帯を鍛えていないのか、声も小さいし。
しかもなにやら、手に持っていた錆びナイフをこちらに向けて、更に「ギャッギャ」と言ってくる。
こんなナイフなんかに頼るのか……やっっり君、貧弱だよ。
これは1度、我のとても鍛えれた筋肉を見せて、改心させなきゃならないみたいだね?
辺りに素早く見回すと、筋肉は鍛えるのに丁度良い岩がある。
素早く岩にはりついて、筋肉に力に込める。
その岩は我が両腕を伸ばしても3分の1位しか包み込めない大きな岩だがだが、その岩に万力みたいな力を出せる我の握力ならほら、指がめり込んた。
あとはそのまま腰にある筋肉……脊柱起立筋を起点とし力を込めり。
ミチミチミチ!と筋肉が唸り、躍動をはじめた。
脊柱起立筋とは(筋肉蘊蓄を、中略。その量原稿用紙にして数十枚)。
大きな岩を持ち上げるには、もちろん上半身の筋肉群だけ持ち上げれれない。
我が筋肉より密度も質量も劣るが、腐っても大きな岩。
それを持ち上げると言う筋肉の負荷に、耐えれるだけの筋肉が脚にも必要なのだ。
その脚にある筋肉は(詳細な筋肉及び蘊蓄を中略。原稿用紙にして70枚近く)。
これら多数の我が筋肉達を動員して、今、華麗にボーリングのごとく大きな岩を投げ飛ばす!
それと一緒に総てから解放されると同時に、グンッ!バクンッ!と轟く筋肉!!
「「「な、ギャギャ!?」」」
貧弱なボーイ君達のびっくりした声に筋肉がすごい喜んでいる!!
ぱかーん!
ストラーイク!!
ん゛ん゛ん゛、きんも゛ち゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛い゛!!(油越)
我が筋肉達の活躍を、投げるときに引き締めた括約筋すごいすごい喜んでいる!!
変色して腐ったミートソースになった貧弱なボーイ達から注意が外し、ボーイ達が逃げるために捨てたプリティ筋肉ちゃんの無事を確かめる。
..........うむ。
確かめついでに筋肉マッサージもしてまたが、やはりとても良い筋肉に育ちそうな、有望筋肉ちゃんだ。(ほう)
「ん、んん...ここは、どこでしょうか?」
マッサージの成果が出て、プリティ筋肉ちゃんが目覚ました。(うむ、良かった良かった)
「お目覚めかな? プリティ筋肉ちゃん」
「えっと...あなたは?」
「我はフテー=マッソー」
「そうですか。 アテクシはキャルルン=テインです」
「分かった、よろしく。 キャルルン」
「よろしく。 ところで、なんでフテー様ブーメランパンツ一丁なんでしょうか?」
「それは我が美しい筋肉こそに、正装だかだ!」
「そうですか。 さすがフテー様です」
「HAHAHAHAHA!!」
ああ、さすが未来の美筋肉ちゃん。
我の美しい筋肉に憧れ、憑いてきてくれるようだ。(思わずニッコリ)
「さあ、キャルルンも一緒に筋トレしながら、町に目指そうか!」
「はい!」
「「HAHAHAHAHA!!」」
てくてくてくてく。
フンッ!フンッ!フンッ!(腕立て伏せで筋トレ)
てくてくてくてく。
ガッチャン!ガッチャン!ガッチャン!(腕と大胸筋の筋トレ)
てくてくてくてく。
しゅばっしゅばっしゅばっ!!!(下半身のバネの筋トレ)
てくてくてくてく。
ここは藻寄りの町、タンパクシツ。
主な産業は野菜と畜産。
畜産は特に油分が少ない鶏で、町でとれる野菜と合わせると高たんぱく低資質の、とても質の良い筋肉のフードとるな、フテーの御用達の町。
しかもここには沢山の天然のトレーニング器具とも言える場所が沢山あって、筋肉好きにば一大アミューズメントパークとも言われている。
町は四角い高い壁に囲まれていて、東西南北に一か所づつ門がある。
まず北は貴族区となっていて、北西から説明するとヒンジャック準男爵の、まわりと比べて小さい屋敷があれれ。
準男爵とは(原稿用紙にして2枚ほど中略)準男爵の敷地は3分の2が建物で、無い装は(原稿用紙にして10枚ほど中略)その隣にはミート男爵の屋敷(以下、原稿用紙にして150枚ほど、町の全体の描写で省略)。
「キャルルン、腹に減っているだろう。我が住んでいる家に食事によしう」
「はい、フテー様」
たどり着いたのは、先ほど言った商業区にあるトリニク天国と言う食肉販売店、通りのはさんでそのすぐの目の前の住宅。
勝手知ったる自分の家の我が家。
帰りがけに買ってきた食材も使い、筋肉に優しい料理を手掛けて調理する。
トントントン。
主食は鶏肉。
ザクッ。
ジュワァ!!
鶏肉はさっきも言ったが、鶏皮などの油さえ捨ててしまえば高たんぱく低資質の(原稿用紙にして3枚ほど栄養学語りを中略)しあ出来た!
「サラダチキンのチキンサラダだ!炭酸抜きコーラも添えて、自分の満足のできる最高の筋肉エネルギー食の完成だ!」
「さすがフテー様です!」
キャルルンよ、立派に筋肉淑女になれよ...。(ふふふ)
━━━━━━━
「どう……でしょうか?」
パーテーションによって区切られた、小さなスペース。
そこに設置された、水のペットボトルが2本乗っている小さな丸テーブルと椅子2つ。 そこで男女が真面目な顔をしていた。
男性は眉を吊り上げ、自信ありげながらも若干不安。 そんな初々しくも緊張で強張った顔つきをして、女性の様子を窺っている。
男性の衣服はとても無難。 深緑色した地味なパーカーとスレンダーなデニムジーンズ。 顔には特徴は無く、やはり地味。
窺われている女性は隙の無いビジネススーツ。 シャープなフレームの眼鏡にお団子頭、本来なら優しく見えるはずの顔つきが、今は少し険しい。
険しい顔のまま男性へ返事せず、今手にしているクリップどめされたプリンター用紙の紙束へ、意識を集中している。
「…………ふう」
紙束から目を外し、一度大きく息を吸った女性の吐息に、地味な男性が大袈裟にビクつく。
その様子に女性が少し口許を緩めたように一瞬見えたが、そうと思わせない強い視線が男性を射抜き、強制的に緊張状態へと追いやる。
「細伊さん」
男性が呼び掛けられた事に気付き、その上で余計な返しを入れる。
「細伊造船グループ有限会社契約社員代表リーダー筆頭です」
「そんな長いペンネームを、いちいち呼んでいられませんよ」
「そうですか」
「ええ」
悲しいやり取り。
細伊は更に、先生と付けて呼んで欲しかったのだが、そんな要求が出来る感じじゃないと察知して、押し黙った。
「努力(だけ)はうかがえますが、このままで書籍化は無理ですね」
「……はい」
女性の無情な言葉に、細伊は思いっきりショックを受けて、自信ありげな様子が完全に消えた。
ちなみに作品タイトルだが、
【筋肉こそパゥワァ ~筋肉無双でマッスルハーレム~】
である。
自信満々の作品だったのだ。 現段階での、自身の最高傑作だったのだ。 それをこうもアッサリとバッサリされるのは、本当にキツいものなのだ。
ここまで読めばお分かりかと思いますが、細伊がラノベの出版社へ作品の持ち込みをしていた。
それの対応に、作家達の担当さんがこうして出てきている。
細伊は目をキラッキラさせて「初めての持ち込みなんですっ!」と、とても嬉しそうに言ってきたのだが、女性はその後を思うといたたまれなくなった。
何故かと問われれば、初めての持ち込みで認められる新人等極めて稀で、お金を取って読んでもらえる作品の質とは程遠いからだ。
それでその事(ここがおかしい、シナリオ展開として強引すぎる等々)を指摘すれば大抵の新人がポッキリ心を折られ、2度と持ち込みに来ない。
会社として……作家の担当としては、親切心でプロの作家に育って欲しくて行う指摘も、受ける側はキツいダメ出しに感じる。
中には反骨心を煽る為にとか言って、人格否定までやらかすアレな担当も居るが、それ以外の担当さんは本当に親切心からなのだ。
だから、次までに努力してほしい部分が多くなり、そこを親身にじっくり丁寧に指摘すれば、どうしてもダメ出しの嵐になる。
すると、新人の心が折れる。
だからと言って、甘い指摘をすれば次の持ち込み作品は、前回とあまり変わらない……成長が見られない出来になったりする。
「持ち込みするとボロクソに叩かれるって良く言われるけど、あんまり言われなかったな? 俺、もしかして才能の塊とか? よっしゃ、アイツの言葉は忘れて好きに書いたろ!」
と思われるのか知らないが。
誉めて伸ばしても良いが、この業界は地獄だ。
創作作業なんていつまでも続かない。 ネタのストックなんてすぐ無くなる。
でもだからと言って、絞り出せなきゃ廃業への道しか無くなる。
それでどうにか絞り出せても「作風が落ち着いた所為で面白くなくなった」だの「作家が暴走、話の整合性が取れなくなって呆れました」だの批判が来る。
誉めてばかりで伸ばした作家は、その辺へのストレス耐性に不安が残る。
そうなれば、ここで担当が放ってくるストレス程度を受け流せる位には、育てないと。
でも、それで新人に逃げられる。
新人と担当のジレンマここにあり。
「アドバイスは要りますか?」
細伊が少し気を持ち直したのを見計らい、女性による柔らかい声。
「お願いします。 尊敬している作家さんも、作品持ち込みからデビューして出世したんだ、ボクだって」
細伊が素直に応じる。
ショックを受けている身で、こんな全てを包み込んでくれそうな声がスルッと耳に入ってきて、抗って素面でいられる男はそういない。
下手すりゃ母性を感じて「ママー!」とか言い出す者もいるかもしれない。
「アドバイスの順番は、総評的なものと細かいもの、どちらを先にしましょうか?」
「細かい方からが良いです。 総評的なのを先にされても、理解できないままになりそうで」
「そうですか、では――――」
はい。 ここまでたどり着いた方、大変お疲れ様でした。
最後までお付き合い下さいまして、本当にありがとうございます。
そしてタイトルとキーワードとあらすじ詐欺でございます、大変申し訳ございませんが、作品意図の都合上によりこれは仕様です。
ネタの電波をどうしても受信したくて、ちょい無理をしたらこんなひでーのが出来ました。
知能と学力を落として書きなぐるの、楽しかったです(^q^)
あと、筋肉原稿部分についてですが、誤字報告を頂いても直せません。 そこも仕様ですので。
新人の作品らしさを出す為に、自分なら丸々書き直……いや、削除対象にするような出来なのを、わざと書きましたので。
一応補足?フォロー?ですが、出版社の担当さんだって持ち込みの方をメタクソに言いたいだけの人ばかりではないと思うんですよ。
有能な作家がプロになってくれれば、職場が安泰だし。
自分が育てた作家が有名になって、作品がアニメ化とかされれば「アイツは俺が育てた」と言えるし。
それに何より、面白い作品・面白くなった作品を、いの一番で読める役得な立場です。
っつーか、出版社の担当なんて仕事、漫画とか小説とかそういった創作物が好きじゃないとやってられませんて。
んでそれだけ好きなら、才能を発掘して育て上げるのも楽しくなってくる訳で。
相当に歪んで、新人いびりが趣味になっちゃった~とか、就職先がここしかなくて仕方なく~とか言う人じゃない限り、悪い担当はそう居ない。
良い人でも、口下手とか感覚派で意味不明とか、アレなのもいるってツッコミはミエナイキコエナーイ。
なので、作品の持ち込みで対応・応対してくれた担当さんを、無闇に敵認定なさらないで下さい。
プロになれた時には、二人三脚でより良い作品を創作して行く、パートナーになるかもしれない相手です。
理不尽な物言いかそうで無いか、信じられる相手かどうか。
その辺は担当さんの人格次第ではありますが、どうか出会い頭に先入観から敵と認定して、悪く思わないでやって下さいませ。