力の使い道と七英雄
「ゼェ…ハァ…ゼェ…ハァ…なん…とか、逃げ切ったのか?」
「ハァ…ハァ…ええ、生命の森から出たわ、これ以上魔物は追ってこないわ。」
ーーー前回、突然現れ、レミルスを殺そうとしたピエロを潰した結果、最後に爆発させてしまい、その音でバケモノを引き寄せることになってしまった蒼真達。
何度か捕まりそうになりながらも応戦して(主にレミルスが)逃げ切る事が出来たのである。
「でもすげぇ追ってきてたぞ?その…生命の森…?から出ても襲ってくるんじゃぁねぇのか?」
明らかに俺たちを襲ってきたバケモノはまるで絶対殺すマンとまで化していたんじゃないかと思うぐらいとんでもなく追いかけてきた。
なのでまだ追いかけてくるんじゃないかと思ったのだ。
だが…
「はぁ?何言ってんの?生命の森付近には聖騎士団が張った結界があって、中には誰でも入れても、外へは魔物だけは簡単には出ることが出来な『ちょっと待て!魔物だと?』…何よ。」
魔物とは…そんなものが現実にいる訳が無い、だが、よく読んでる異世界ものの小説でよく出てくるぞ…
「つまりコレは…………異世界転生!!!」
「うるさい。」
おっと、バッチリ声に、てか大声で出してしまったようだ。
だが、コレは興奮せずにはいられまい。
自分が死んでどうなるんだろうと思いきや、まさかの異世界に来てしまったのである、叫ばない方がおかしいのだ!!
「ねぇ、ひとついいかしら?」
「ん?何だ?」
俺がにこにこ満面の笑みで振り向くと彼女はそれを見て軽く引いていた。そんなに引かなくてもいいじゃないか…
だが、次の彼女の一言で俺は凍りつくことになる。
「貴方、さっき自分で言っていたけど………
転生者なのかしら?」
「………。」
俺は固まった、それからどのくらいたったのだろうか?実際は時間など全くかかってなかったのかもしれない。
そして俺はやっと口を開いた。
「転生者って…
あんたは転生者ってのを知ってるのか…?」
流石にこれは驚いた…普通こういうのは俺だけ転生するものじゃぁないのか?
「知ってるも何も、私の知り合いに転生者がいたから。逆にそれ以外は知らないわよ…
てそんなことはどうでもいいのよ!」
「いや良くねぇだ『貴方あの時どうやってアイツを倒したのよ!!!』…聞かねぇ…」
だが確かにあの時のあのピエロ(?)野郎を潰した俺の力は自分でもよく分からない。
「えー、あーうーん?いや、全然わかんねぇ、あんな力俺は知らないぞ?」
「そんな訳無いじゃない!!それじゃぁ何であの人が倒せなかったアイツを倒せたのよ!」
いや、そもそもあの人って誰だよ!と思ったが、答えてはくれないだろう。
「いや、本当に知らないんだって、ただ、爆ぜろって言ったら何か本当にそうなって…」
「言っただけで…?でもそんな訳…」
おっと、彼女は思考モードに入ってしまったようだ。仕方ないのでさっきは大変であまり見れなかった周りを再確認してみよう。
まず目に入ったのがどこまでも続く草原。
今の建物や工場だらけの日本には絶対にありえない光景だ。
そして次は商人の乗っている馬車だ。
まず馬車という時点で今の日本にはありえないし、更にその馬車を引いている生き物だ。
明らかに地球上に存在する生き物ではない。…自分で言ってなんだが、馬車じゃねぇじゃねぇかよ!!!
そして極めつけはその奥にいる人たちだ。
その人たちはまるで化学ってなんですかと言わんばかりの(実際にそうなのだろう)何も無い空間から火を出したり水を出したり…流石ファンタジーだな!
…俺も使えんのかな?あったら料理とか便利そう…
へ?もっと他のことに使わないのかって?
俺は一人暮らしだったんだよ!
一人暮らしの不便さ舐めんな!
てかそう言えば、彼女の名前を聞いてなかったな…命の恩人なんだ、名前ぐらいは知っておきたい。
「なぁ、考えてるとこ悪いけど、あんたの名前は何だ?自己紹介くらいはしておかないとだろ?」
「貴方も考えなさいよ…たく、でも確かに自己紹介してなかったわね。
私の名前はレミルス、さっきは剣を使っていたけど、得意なのは弓矢と魔法の二つよ。」
「よし!次は俺だな!俺の名前は久遠蒼真!!絶賛放浪中の転生者だぜ!(`・ω・´)」
「何でそんなことで威張ってんのよ…はぁ…取り敢えず自己紹介も済んだことだし、さっきの力が何なのか、考えなさいよ。」
「リョーカイだ!!」
なんてやり取りを行い、その後暫く考えてるうちに彼女は何かが思い浮かんだのか足元にある石を俺に渡してきた。
「ちょっとこの石に向かってアイツにやったことと同じことをして貰えないかしら?」
「あぁ、確かに、同じことをすればどれが有効か分かるもんな。
取り敢えず……これでいいのか?”爆ぜろ”」
……………ピシッ
手に持っていた石に少しだけヒビが入った。
おお!………………
「「これだけか(なの)?」」
いや正直、人を爆発させるほどの威力を持っていたんだ、(そんな当たり前のように言っていいのかはしらんけど)もっとこう…バカーン!!てなんのかと思ってたけど…
「なんて言うか…しょぼいわね…もしかして、何か他に条件があるんじゃないの?もっと思い出してみなさいよ。」
いや、そんな事を言われてもあの時はピエロ野郎をどう潰すか考えるのでいっぱいだったし…てあ!
「そうか!もしかしたら…よし、この石でいいか…
”爆ぜろ!!」
( `・ω・´)つ⊂⊃
↓
( ·Д·)つ⊂.·`.ベキン =⊃
何かすげぇ勢いでわれたぞ!?飛んでった破片が森に突っ込んで…ておい!破片がぶつかった木が倒れ始めたぞ!?どんな威力だよ!
「うへぇ…なんだよこれ、とんでもねぇな…」
とりあえず今ので何とか分かった事がある。
それはただ言うだけでなく、何かを行わせたい物体に向かって、何をさせるかのイメージ、もしくは物体への想いの強さ、はたまたその両方があるとより威力が上がるのである。
……俺強くね?
とか思っていたらレミルスさんが言ってきた。
「……これは緊急時以外あまり人前で使わない方がいいわね。」
「何でだ?これが物を壊す以外にもできるなら色々と便利じゃないか。」
主に生活面で。一人暮らしは(ry
と思っていたが、その後レミルスさんはまたもや俺の背筋を凍らせる発言をしてきた。
「そんな力、もし広まったら能力研究者達に捕まるわよ?そして絶対に人体実験の対象にされるわ。」
…………………えっ?
「だってそうじゃない、使われれば危険で、使えれば便利なその力、魔法の研究に狂ったように取り組んでいる奴らに実験台にされるのは目に見えているじゃない。」
「おい待て!魔法研究ってのは何となくわかる!
だが、何でそれに人体実験が出てくるんだ!」
「何言ってんのよ、魔法だって万能じゃないのよ?
それなのにぶっつけ本番で使って効果がイマイチでしたじゃ相手に殺されるかもしれないのよ?
そんな魔法、使えるわけないじゃない。」
「いや!だからって何も人間でやる必要ないだろ!
どこかで魔物でも捕まえてそいつを実験台にすればいいじゃないか!!」
「それこそ無理な話じゃない、魔物がいつ脱走するか分からない、奴隷の首輪だって魔物に対するものはまだ完全には完成してない。
それこそいつ襲われるかわからない恐怖で研究してる場合じゃあないわよ。」
「だったら土属性の魔法使いなどにゴーレム等を作って貰ってそれを実験台にすればいいだろうが!!!」
「……………………。」手をポン!
「いや!考えついてなかったのかよ!」
いやいやいや、魔法使いさん達よ、魔法の研究よりもまずは犠牲を減らす方向での研究を進めていこうぜ!!
「確かに、それでまだ全ての魔法の効果を試せる訳では無いけれど攻撃系魔法の威力を試すには丁度いいわね。わかったわ、いつか研究者や王族の関係者などにその方法を伝えてみるわ。」
是非そうしてください、てか今すぐ伝えに行ってくださいお願いします。
「っと、まぁ話も長くなって少しづつ日も暮れてきたし、そろそろ街に行きましょう。」
確かに、かなり話し込んでいたのだろう、少しづつ日は傾き初め、(太陽が二つあり、流石異世界だなと思いながら)カラス(に似た何かが)鳴き始めていた。
「そうだな、街に行こう…と言いたいところだけど、俺はまだこの世界の常識が分からないんだ、教えてくれないか?」
「確かにそうね、分かったわ、何が知りたい?」
という訳で俺はレミルスに色々質問してみる。
Q この世界の名前は?
A トリアント
Q 有名な町は?
A この近くにある王都、キュリアルト国
Q 魔物とは?
A 詳しくは分かっていない、ただどんなに倒しても、何故か数がへらない。
Q この世界の硬貨は?
A ベルトリン硬貨
価値の低い方から
小銅貨、日本では=1円
銅貨 ー小銅貨=10枚 (10円)
小銀貨 ー銅貨=10枚 (100円)
銀貨 ー小銀貨=10枚 (1000円)
小金貨 ー銀貨=10枚 (10000円)
金貨 ー小金貨=10枚 (10万円)
小白金貨 ー金貨=100枚!? (1000万円!?)
白金貨 ー小白金貨=1000枚!?? (100億円!??)
とんでもねぇ…
Q 有名な人物は?
A 七英雄、特徴と名前は
力の英雄 ガバライト 男
知恵の英雄 キャリーマザリオ 女
魔法の英雄 ミリア 女
魔剣の英雄 ラテナ 女
空の英雄 トプルーン 男
信神の英雄 アラメ 男
破魔の英雄 ダイト 男
の七人、全員が自分の得意分野では世界最強と言われてる。
ただ、噂では、七英雄が全員束になって本気で立ち向かっても、無傷で勝利した人物がいるらしい。
だが、有り得ないとのこと。
ちなみにその中の魔法の英雄ミリアが最近余り姿を見せないらしい。
「っとこんな感じか?」
「えぇ、上々よ。」
はぁ、なんて言うか…七英雄ってのは覚えずれぇな…
「取り敢えず地理に関することを覚えてればいいか…」
「ちなみに七英雄には一人一人熱狂的なファンがいて、少なくとも、一般的な情報が言えない、もしくは知ったかぶりをすると軽く半殺しにされるわよ?」
「シッカリキオクシマシタ∠(`・ω・)」
何だよ半殺しってファン怖すぎだろ!!
「あぁ、そう言えばかなり前にそんなファンの中に特に狂ってるやつがいて、七英雄一人一人の協会を作ろうと超多額の寄付をしようとして止められた馬鹿がいるらしいわよ?」
うわぁ…確かにそれは止められて正解だわぁ…
流石に全員分の協会作るとか頭狂ってんじゃないか?そいつ…
「あー、うんまぁ分かった。取り敢えず大丈夫だ、それじゃあ街まで案内してくれるか?」
取り敢えず俺は心の中で今教えて貰ったことを復習しながらそう言う。街にはメモ(ここでは手記帳と言うらしい)が、あるらしいし早く書き記したい。
「分かったわ、それじゃあ行きましょう、こっちよ。」
俺はレミルスの後について行く。
ついに異世界に来て初めての街へ行くこととなるのであった!!!
ああ、2時間以上かけてたのに1度全部がパァになった…これも全てあれの…
という訳でやっと終わりました、たったこれだけに4時間かかりました(笑)