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異世界転生達の相談室  作者: 磨雄斗
8/33

5,和服美人の相談室(後編1)

────かちゃん


ヒロさんから貰ったアイスコーヒーを飲み終え、三島さんは、ふぅっと息をついた。


「………あの、ひとついいでしょうか?」

「え!?あ、もちろんですじゃ。」

何、今の「え!?」って。

まぁ、今は置いとこう。


それより。


「………先ほど、三島さんが机を叩いたのは、真花が『キモい』と言ったからですか?」

「え、うそぉ!?ご、ごめんなさい!!!」

すごい勢いで体をペコッと折った真花。

ちょっと吹き出しそうになってしまった。


「だ、大丈夫ですじゃ!気にしなくて全然いいのですじゃ……………それより、わらわに勇気を与える方法を教えてほしいのじゃ。絶対に、逃げない勇気をもてる方法を。」

一旦言葉を切った。


「………もう、逃げたくないのですじゃ。わらわは、わざわざ見沢さんをいじめるために居残りするお嬢様達を、見沢さんを助けにも行かず何度も見ていたのですじゃ。もう、嫌なのじゃ!こんな自分にケリをつけたいのじゃ!!」


お願いなのじゃ!と言いたげな、つぶらだがまっすぐ俺を見つめる黒い瞳が、一瞬光った気がした。


………うーん。

にしても、勇気を出す方法かぁ………………あるか?

ガンバレー、って応援するだけでもダメだと思うし、熱血キャラじゃないし、魔法使いじゃないし…………


あ。


「ニャーちゃんがいなくても自分で勇気を出せると思うよ〜」

「ひ、ヒロさん、俺の心の声が聞こえたんですか?」

「え〜?」

「あ、いえ。」

今回は心の声は漏れてなかったか。ちょっと安心。


「僕はね〜、″アイスルアノヒト″のことを考えれば、逃げずに済むんじゃないかと思うよ〜。だって〜、いじめられている子を助けない方が、嫌われると思うよ〜。お母様とお父様も、そっちの方が喜ぶと思う」

と言ったヒロさん。


「……でも、アイスルアノヒトは、私が勇気を出したことを、嬉しく思ってくれるかのぅ……」

「大丈夫だよ!スーパーヒーローと脇役なら、スーパーヒーローの方がカッコイイじゃん!」

「そ、その意味はわからぬが……………よき、か?」


────最後に、俺を見た。

うん。俺も賛成。でも、補足がある。



「もちろん、俺も、同意です。あと、俺達相談員全員が、よろしければ學校へついて行きま」

「まっ、誠かあああ!?」

まだ言い終えてないんですけど。

「おー٩(●˙▿˙●)۶…⋆ฺ

ミヤリオくんナイスアイデア〜」

「下宮くんにしては冴えてるじゃん!………でもさ、手続きとかはどうするの?そういえば、共学かも分からないし。」

「もちろん、共学ですじゃ!それに、手続きに関しては、わらわの執事に任せるのですじゃ───柴崎!」

あ、ついて行っていいんだ。あ、柴崎さんって………


ガチャっ

「お呼びでございますか、お嬢様。」

と、ベージュのドアを開け、入ってきた『執事』。


長めのこげ茶色の髪と似たような色の目。

美白の肌に、ピシッとキマったスーツ姿。

言われなければアイドルと間違えそうなくらいのイケメン男性だ。

「わほぉ……」

真花の感嘆の声。女子ってイケメン好きだよな。


「話は聞いておったであろう。交渉の()()()()()()()であるお前への命令だ。しっかりやるのじゃぞ!」

「はい、お嬢様。

───皆様方、お嬢様をよろしくお願いいたします。この醜い執事のお願いを、どうかお聞きください。」

「あ、はいっ!こ、こちらこそ、三島様に勇気をお与えするように全力を尽くします!」

俺は椅子を倒しかけながら、柴崎さんにお辞儀をした。柴崎さんは、浅くも深くもない丁寧なお辞儀で返してくれた。


「決戦は、明日で良いですじゃ?」

「あ、はい。もちろんです。」

「明日、頑張りましょうね!私たち、すぐ側で勇気を与えておりますから!」

「み〜んなで、見沢さんを助けましょ〜」

「はい、ですじゃ!!」

元気いっぱいに頷く三島さん。


───────決戦は、明日だ。


─────────☆☆☆☆☆☆☆────────



続く

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