3.異世界転生達の相談会議
「───それでは!会議を始めまふ」
「えー?会議ふんのー?」
「はん……なんで〜?」
「相談室の役割を決めるんですよ………うまっ。」
「ふぇ!?ちょっ……もごもご………それ何味!?」
「え?いちご」
「いいないいな!バナナよりも美味しそー!」
「僕のブドウと交換して〜。微妙なの〜」
「絶対、あげませんからね」
「「え〜。ケチ〜。」」
と・に・か・く!
ガブリエル(仮)さんの説明を受け、一通り、家のことが分かった俺たちは、彼が帰った後、とにかく腹を満たすことにした。
カウンターの奥にある冷蔵庫には、野菜だのお肉だの魚だの、色々そろっていた。でも、あんまり腹は減っていなかったので、戸棚にあったスポンジケーキを食べることにした。
ちなみに、無くなったら、食材を始め、生活に関わるものは、全て天界で買えと言われた。
「下宮くん、独り言好きだよね。キモい( ˙-˙ )」
「ほっとけ」
「そこは、「そだね」で認めよ〜よ」
「ほっとけ」
ケーキを口にほおり投げ、今度はヒロさんのいれてくれたコーヒーを飲み干した。
───うん。こっちもうまい。
「ふぅっ………。さーて、役割決めますか。」
「んっく………ぷはっ。そもそも、役割って何の?みんな相談員でよくない?」
カフェモカを飲み干した真花が聞いた。前髪のハートのピンが、さっきと違って黄色になっていた。
「そうだけどさ、コーヒーとか、誰がいれるの?『相談員兼コーヒー係』いたほうがよくない?」
「お〜٩(●˙▿˙●)۶…⋆ฺ
ミヤリオくんにしては、効率いいね〜」
「一言余計ですよ」
「いや、合ってるわ。とにかく、私は兼記録係ね」
「き、記録係?」
なんか、記録することあるっけ?
「まだまだですな、下宮理雄くん。相談者の名前、性格、年齢、誕生石とかは大事な情報でしょ?そういうのを記録するの。文房具とかはそろっていたし」
「お〜٩(●˙▿˙●)۶…⋆ฺ
じゃあ、僕はミヤリオくんがいうコーヒー係する〜。
あ・と・は〜、ミヤリオくんだけだね〜」
「なんすか、その目は」
「え〜?元からこういう目だよ〜?」
さ、寒気がする………!
「くヒヒヒ〜。な・に・に・し・よ・う・か」
ガシャンンンンンンっ
「「「なっ!!!!!??????」」」
何かの割れた音が、2階から聞こえた。
急いで、カウンターに入ってすぐのドアを開いた。
ベージュ色の、踊り場付きの階段を駆け上がり、3つあるドアのうちの、真ん中のドア、俺の部屋のドアを開けた。
!!!!!
「ま、窓ガラスが割れ………」
ガッ
何かが足元にあたり、前につんのめりそうになった。
慌てて体勢を元に戻し、足元を見た。
「────────!!!!」
紫の、猫耳付きのとんがりボウシとふわふわコート。
月光にきらめく金色のスカート。
つま先がまるまっている、闇色のブーツ。
(───魔女がきても驚くなよ愚民共)
ガブリエル(仮)さんの言葉が、耳の奥にこだました。