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異世界転生達の相談室  作者: 磨雄斗
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8.異世界転生達の相談室

チリンチリン


「あ、ようやく来た、厨二病。」

「うるさい岩の愚民。」

すっかりお馴染みのやり取りだな。

あ、すっかりお馴染みの主人公、下宮理雄です。

今日は相談室はお休みにして、有磨さんじゃなくてガブリエル(仮)さんをコロウマ相談室に呼んだ。


──ちなみに、提案したのは、意外にも真花だった。

あと、なんで呼んだのかは俺も不明。

「ガブさ〜ん、今まで寝てたの〜?」

コップを拭きながら、カウンターでヒロさんが話しかけた。

「なわけねぇだろが。天下のガブリエル様は多忙なんだ。寝る時間もないわ。」

「天下のガブリエル様は、相変わらずお口が悪いですね。」

「うっせい、下の愚民。それより、用事はなんだ。もうハロウィンはとっくに終わったから菓子はあげねぇよ。」

「────なんで日付が分かるの?」


ピシっ、と空気が張り詰めた。


「私のスマホね、日付表示が出ないの。デジタル時計にもないし。……考えてみたら、部屋にカレンダーがないんだよね。」

じとーっ、とガブリエル(仮)さんを見つめる真花。

ギクリとするガブリエル(仮)さん。

ゴクリと唾を飲む、俺とヒロさん。


───と、真花がふっと笑った。


「なんてね。このことはもう少し先になったら聞く。今日は、他のことを聞きたいの。

....てなわけで、これより!異世界転生達の相談室 を始めまーっす☆」

きらりーいん☆と効果音。


「今日は、厨二病に聞きたいことを1つだけ聞けまーす☆」

「「お〜٩(●˙▿˙●)۶…⋆ฺ」」

「いやいやいや待て待て待て!!俺様の許可なくそんなことを」

「許可なくここに転生させたのはだれですかぁー?」

おぉ、痛いところついていくなぁ。


「あ、あれは、世界軸が、壊れて、その、えと……」

「ほぉら、戸惑ってる。じゃあ、まずは下宮くんから。」

「え、俺からでいいの?………そうだなぁ、じゃあ、ずっと気になっていた”お上様(じょうさま)”について聞きたいなぁ。」

「な、なんだ、そんなことでいいのか?」

「え?世界軸のこと聞いた方が良かったですか?」

「ふっざけんな!!……あのなぁ、お上様ってのは俺様ら天使の階級のヤツら全般を言うんだよっ!」

……えええ!?


「じ、じゃあ、ここ建てたのってガブリエル(仮)さん達だったんですか!?」

「な、なんでそれを知っているんだ!」

「えーっと、形界の相談者の執事、柴崎さん情報です。」

「……ラファエルの野郎、形界にまで広めたのか。」

「はい、じゃあどんどん質問するよぉ。」

「あ、じゃあ僕いいかな〜?」

カウンターから手を挙げたヒロさん。


「え~とね、世界軸が壊れたのと僕達が死んだのは何か関係があるのかな〜?」

「んー、世界軸が壊れた原因すら分かってないからなぁ、、、」

「そだね~。じゃ~真花ちゃんいいよ~。」

「え?他にないんですか、質問。」

「質問の数は平等にしたいから~」

うわぁ、神対応。


「あ、あざまです!!じゃあ……なんで、私たちは天界にも獄界にも行かず、あんたらが作った異世界にふっとばされたの?」

「えーと、世界軸が壊れて、うまく中界に転送されなかったからだ。」

「「「ちゅ、中界に転送???」」」

新たな異世界が現れたな。


「中界というのは、天界か獄界のどちらに行くのが最適かを判断するところだ。「界」がつくが、普通の異世界の大きさの四分の一だ。閻魔様の住居でもある。亡くなると、普通はそこに転生されるが、世界軸が壊れた影響でお前らの魂は空中に放り出されたんだ。そこからあわてて俺たちお上様は、異世界を作ったんだ。」

いったん言葉を切った。


「そして、ちょうど異世界全体で相談室を作ろうという計画があったから建てた、というわけだ。」

.....ほお。


「異世界って作れるんですね。」

「ああ。それは俺様の部署の役目だからな。」

「部署~?」

「四大天使を中心に、お上様は四つの部署に分かれているんだ。……ところで、今何時だ?」

「五時を回ったとこだよ。」

「まじか。これから会議があるんだが、その前に今回の報酬を渡したかったんだが……遅いな。」

何だろ、と思った矢先。窓の向こうが急に暗くなった。

どうやら、何かが通ったらしい。


「外に出ろ、愚民ども。今回の報酬が待ってるぞ。」

チリンチリン、とベルを鳴らしながら、ドアを開けた。

ゆっくり外に出ていくと.....


「「「.....わ~お」」」


夕焼け空に、馬車。。。。じゃない。馬にも車体にも翼がついている。

つまり、、、、ペガサス版の馬車ということになるから、ペガ車とでもいうのだろうかな。あははははは

「し、下宮くん、大丈夫?」

「え、大丈夫だよ、あはははは」

「ミヤリオくん、そうとう驚いてるね~。」

「喜んでもらえて何よりだ。明日から、この二頭のペガサスはお前らのものだ。丁重に扱うんだぞ。」

「てか、だれが運転?するの?」

「あ、ぼくたまに乗馬するからやる~。」

「すっご、てかカッコいい!!」

「ありがと~♪♪」

「んじゃ、俺様は会議があるから失礼する。今日はこの二頭は預からせてもらうからな、んじゃ。」

軽く手を振り、ペガ車に乗った。


そして、空の彼方へ消えてしまった。


「……すっげえ。」

「あ、下宮くんもどった。」

「よかった~。今日は赤飯にしよっか。あとは魚に味噌汁に漬物に~」

「そんな大げさな。」

「いいじゃん!私も手伝うよー♪さ、はやく中に入ろう!」

「うわ、押すなよ~!!」


ばたん、と扉が閉まると同時に、星が瞬き始めた。


明日は、どんな相談者が来るのかな。

「そういや、秋宮兄妹からのお礼が来ませんなあ。」

「次回あたりにくるっしょ。」

「次回もお楽しみに~」

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