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キリングアート  作者: カルラ
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第一話 殺戮と作曲のある日常風景 その2

事務所に辿り着くと時間は待ち合わせ時間の五分前。


「ギリギリか。危なかった」

 赤咲は事務所に辿り着くと、一度深呼吸をして呼吸を整える。

そして呼吸が落ち着くと、赤咲は会議室へと入る。

中では既に他の会議の相手は全員が集まっていた。


「おはようございます。遅れましたか」

「おはよう。全然大丈夫だよ。じゃあ会議を始めようか」

「はい」


会議が始まった。

既に作曲は出来ているので、それを聞いた後に今後の具体的なことを話し始める。

作詞の発注とアレンジの方針。

そのほかに宣伝やメディア展開、タイアップについても話し合いが行われる。


「ドラマの主題歌に使う予定だったけど、これならイメージにも合いそうだね」

「カップリングの曲もいいからこっちはCMソングに持っていくのもいいんじゃないか」

「CMソングに起用するなら、出演もマリア5が良いんじゃないか」


と、色々な意見が飛び交う。


「プロモーションビデオですが……今回の曲は明るい夏のイメージですので、自分としてはイタリアのエーゲ海沿いのビーチで撮影したいんですがスケジュールとかはどうですか」


赤咲も意見を出す。口調も当然、仕事用に切り替わる。

だが


「赤咲先生。イタリアは無理ですよ。予算とスケジュールはまだ何とかなりますが、現地に融通が利くスタッフが用意出来ません。ビーチならハワイのワイキキビーチでもいいでしょう」


と、あっさり却下されてしまう。


「そうですか。……ではハワイでも構いません」


だが、この程度の事は日常茶飯事なので、特に気にはしない。

酷い時は、合成映像でバックに海の画像を入れるだけで済ますこともあるので、むしろ海外ロケ自体は出来そうな分、まだマシな方だ。


その後も様々な議論が飛び交い、時間を忘れて繰り広げられた会議は五時間を越えたものとなった。

すっかり日も暮れ、周囲も暗くなったあたりでようやく会議は終焉を迎えたのだった。

その帰り道、赤咲は一人で街を歩く。

長い会議に少し疲れたようでもある。


「本当に長かったな。得るものもあったが、流石に疲れた」


天才プロデューサーであっても、上の人間との付き合いは必須である。

そのために、どうしてもフラストレーションはたまってしまう。

でもこれは赤咲にとっては些細な事でもある。

本質的なサウンドの方面に関しては他の人間はノータッチなので、そこは全面的に赤咲に自由度の高い活動が許されている。

それ以外のいわゆる裏方のマネージメントに関しては、赤咲は疎い部分も多いのでフォローしてくれる分には感謝している部分の方が多いぐらいだ。


「今日はどうするかな。帰ってもいいけど……でも昨日も凄く調子よく作れたから、今日も勢いのあるうちに新しい物も作りたい気がするな」


赤咲はある程度人通りの多い駅前へと向かう。

オブジェを作るに当たっての、材料となる人間を探す為に。


今回は会議のお話でした。

次回はちょっと怖いエピソードを予定しています

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