表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

乙女ゲームのヒロインは、転生悪役令嬢を死んでも幸せにしたくない

全部、全部あの人は、持っていた


「アデル…彼女が私をまるで親の仇のように睨んでくるのですわ」


事実お前は、親の仇だ


「なに?!平民風情が俺の婚約者になんて目を向ける」




憎い、憎い


アイツを守る奴らが


憎い、憎い、憎い


アイツをはぐくんだ環境が


憎い、憎い、憎い、憎い


アイツを守る国が


ああ壊してやりたい残らずすべて


私が何をした?


私の魔法属性が火だからって私が殿下を狙ってるだって…?


私がお前を国外追放するだって?


意味の分からない事ばかりいって


アイツのせいで私の家族は、殺された


アイツの取り巻きの男が私の家族にちょっかいをかけたから


アイツは、それを知っていたのに助けなかったから


私が気付いたときには、孤児院は、つぶれ家族は、みんな殺されていた


ああ、憎い


憎しみが心臓の奥で凝り固まって心臓が破裂しそうだ


食いしばった歯から軋んだ音が聞こえる


ギリ、ギリリ


私が何をした


だた、ごはんを三食食べたかっただけ


ただお腹いっぱい食べたかっただけ


ただ、家族と暮らしたかっただけ


ただ、兄弟に綺麗な服を着せたかっただけ


ギ、リリ…ギリリリ


ああ、憎い、憎い


すべて壊してやりたい


そう考えだしたらもう後戻りできないところまで思考が進んでいた


アイツにすべてを奪われた


居場所も幸せな生活も


家族も


なら、アイツのすべてを奪ってやる


私がゴミを漁っている時


コイツは、新しいドレスを山のように買っていた


私が血反吐を吐きながら孤児院子供たちの分の税金を稼いでる間


コイツは、私たち平民から絞り上げたく血税をくだらない紅茶にして啜っていた


私が泥水を啜っているあいだ


コイツは、国民の血税を啜り、甘いお菓子を喰らって


頭の悪い


恋の話に興じていた


平民を踏みつけながら


平民を食い物にしながら


平民を見下していた



ギ、リ、、ギリィ





ああ殺してやる



壊してやる


「ころ…ころしてやる…」


涙が溢れた


アイツのすべてを奪ってやる


死んでも幸せにしてやるものが


すべて、奪ってやる




すべて!!!!!



そう思った瞬間私の指からまるで丸太のような爪が生えてきた


孤児院の兄弟たちが工面してくれたお金で買ったドレスの背を破って


コウモリの羽に鱗を生やしたような羽が生えた


軋んでいた歯は、まるで杭のようで


「ぅ、ゥウ…」


頭皮をぶち破って生えてきた角は、まるで悪魔のようだった



「あ、アァでリィなぁ…アデェリーナ…こ、ろして、やる…ゥウウ…」



----------ーーーーーーーーーー




私は、アメリアと恋の魔法の登場人物のアデリーナ・ローズという悪役令嬢に転生した


雨恋と呼ばれていたゲームは、最初に選んだ攻略対象によって


ヒロインの魔法の属性が決まるというゲームで


どのルートでも攻略対象と同じ魔法属性を持つことになる


ヒロインが聖女として覚醒すると属性は、攻略対象の属性+光となり


ヒロインは、選んだルートの攻略対象と一緒に救国の旅にでるのだ


その中で彼女もといアデリーナは、どのルートでも死んでしまう


国外追放の後自暴自棄になって自害


嫉妬に狂って魔物になって攻略対象に殺されるorヒロインに討伐


幽閉の後発狂して塔の上からの転落死


魔王の贄


どのルートでも必ず立ちはだかって


必ず死んで撤退する


あんまりな立場である


伯爵令嬢で第一王子の婚約者でありながら


ルートしだいでは、王子以外に恋しているという


とんでも尻軽女だ


だから、どのルートでも死ぬんだ


私は、そんなことしない


私は、一途に王子を愛する


だからヒロインがアーデルハイト王子と同じ


火属性なら私だって容赦しない


あんなあんまりな死に方は、嫌だ



私は、幸せになりたい


----------


燃え盛る王都の中


少女は、泣き叫んでいた


「こんなルートなかったわ!!」


国中に火が放たれ


王城には、炎に照らされて輝く白いドラゴンが


白い鱗を真っ赤に濡らしながら


私の名を呼んでいた


「ア、アア、アデリー、ナァ」


私は、名前を呼ばれるたびに心臓が止まりそうになる


「こ、ろ、シデ、やるゥウウ…」


私が何をしたっていうのよ…


私は、ただ幸せになりたかっただけ


ヒロインの邪魔もなくアーデルハイトと幸せになりたかっただけなのに


どうして…


「ゥ、アアア、アガ…アアアーー、コロジ、デェエエゴロジデヤルぅう」


ドラゴンになった聖女は、もはやヒロインの面影はなく


美しいはずの白い鱗を攻略者たちの血で濡らして私の名前を吠えていた



「ァァアーーデリィイイナアァア」




乙女ゲームだから恋愛って入れたけど全然恋愛してませんね

愛憎劇から愛を引っこ抜いたような内容ですわ…これは

サラダうどんサラダ抜きみたいな感覚ですね(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ