23/81
ヴァラヴォルフ
自分の運命は昔から何度も呪ったことがある
だが呪ったところで何かが変わるわけじゃない
恐れる奴等と崇める奴等
昔から自分の周りにはこの2通りの人間しかいなかった
一族に代々受け継がれている言葉にこんなものがある
「我ら人を支配せし者、我ら世界の頂点に立ちし者、いずれ我らは神へと帰らん」
つまり一族は元々神様だから世界を支配するためにいずれ神様になるだろうってことだ
上の人間はこれを大真面目に信じてる
ここに来る前に最後に聞いたのは「どうか一族の悲願を叶えて下さい」っていう誰かの言葉
一族の悲願なんてどうでもいい
ここで勝てば抜け出せる
あの何もない場所から
他人の人生なんて知ったことじゃない
俺はただ────




