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the 1st trick

翌日、とりあえず生徒会室に行ってみることにした。

コン、コン。

ドアをノックしこの間のようにドアが外れないようにゆっくりとあけると…

「遅い」

………人が来るなり遅いとはなんだ!

「私は授業が終わってから、まっすぐにどこにも寄らずに誰とも話さずにここに来たのに遅いはないでしょ!!!」

「そんなことはどうでもいいから本題に入ろうか」

なんなんだ! こいつは。 まったく話がかみ合わない。

「だから前にも言ったけど女の子は笑っていなくちゃ駄目だよ?これだから最近の若い子はー」

「私と会長は同い年だ!!!」

なんだか、この男と会話をしているとストレスがたまるな…。

昨日のシリアスな感じはどこへ行った!!!


「じゃあ本題に入るよー。えーと、まずは図書室で昨日の続きをやろう。過去にも同じようなことがないか確認した方が良さそうだからね」

ごもっともで。


かくして私たちは図書室で新聞部の部誌の確認を始めた。

開始から早1時間。

手がかり無し。

流石にそろそろ、目が疲れてきた。

「ちょっと休憩にしない?」

そう、横でファイルに目を通している会長に言った。

「休みたいなら休んでくれ。僕はこんな事件、さっさと解決したいんだ。」

なんで全ての言葉に刺があるんだ。そんなに私が嫌いなのだろうか?

言い出しっぺの私が休むわけにもいかず、しかたなく作業に戻ると……

「あった!!!あったよ!」

「うるさい。すぐ横に居るんだからそんなにでかい声を出さなくても聞こえるよ」

そこにはこう書かれていた。


明和学園、七不思議誕生!?

ついに明和学園に七不思議が現れた。

夏休みに肝試しをした、複数の生徒が幽霊を見たと証言した。

そして彼らは全員が同じことを証言したそうだ。

「悪魔に出会った」


「あ、悪魔?」

驚きから間の抜けた声を出してしまった。

「そうか、悪魔か……」

「なに、一人で納得してるのよ。なにかわかったなら教えてよ」

「君はまだ、知らなくて良いよ」

彼はそう言い放った。

私はついにキレた。

「ふざけないで!確かに問題を持ち込んだのは私だし、迷惑だったかもしれないけど、それでも手伝ってくれるって言ったんだからなにかわかったんだったら教えてくれたって良いじゃない!!!」

会長は驚いたように ポカン と口を開けている。

そして急に笑い始めた。

「は、ははは いや、ごめんごめん。まさかそんなに怒るとはね」

なにがおかしい。

「いや、ただ君の怒った顔が見たかっただけなんだ」

………なんて悪趣味な!


「それで、なにがわかったの?」

「実は、もう七不思議がなんなのかは大体検討はついているんだ。問題なのは手法と犯人」

「ちょ、ちょっと待ってよ。だからなんで、会長は七不思議を知っているの?それに犯人って、誰かがやっていることなの?」

私はたたみかけるように質問をあびせた。

「質問は一つずつにしてくれ。君は発情期の犬かい?」

………だめだ。怒ったら教えてくれないかもしれないし、きっとまたなにか言うに決まってる。

「少しは学習したみたいだね。お父さんは感激だよ」

黙れ!!!

「まず、なんで僕が七不思議を知っているかだけど、それは事前に調べていたからだよ。自分が生徒会長をしている学校でなにか問題が起きたら、とりあえず調べるのが筋だろう?」

つい先日、私の頼みを断ったのはどこの誰だ。

「それできっとなにかあると思って、調べた。ちなみにここにあるファイルはもう全て調べてある」

呆れて怒る気にもなれない。つまり、昨日と今日の苦労は無駄?

「それで、七不思議はどんなものだったの?」


「前回の七不思議は4年前に起こったそうだ。今回と同じように夏休みに肝試しをしようとして、なにかにあった。そしてその後、学校では七不思議のような怪事件が連続して起きたそうだ。最初は、人魂。2つ目が十三段目の階段、3つ目は図書室の怪、4つ目が鳴らない鐘、5つ目は首つり教室、6つ目は独りでに鳴るピアノ、7つ目が………」


なんで、言わないの?

「7つ目はなに?」

「無いんだ」

え?

「どこにも資料はない。つまり7番目の不思議は存在しない、もしくは語られていない」

それってなにかおかしい…。6番目までちゃんと報告があるのに7番目だけないなんて……

名前だけでもテキトーになにか残したほうが格好がつくのに……。

「まぁ今日はここまでだ。明日は当時のことを知っていそうな教師に話を聞こう」


なんだが、なにかを隠している気がする。

でもそれがなぜだかはわからない。

彼は謎が多い。

しかし、今は彼に従うしかないだろう。

なんだかんだで、彼は私が調べてもわからなさそうなことを知っていた。

信用はしても良いだろう。


とりあえず、帰る身支度をながら、何気なく外を眺めると、もう真っ暗になっていた。

そして、私はふと、向かいの建物に奇妙なものを見つけた……。

青っぽい色のなにかが揺れている、


それは……… まさか人魂!!??

「ちょっと!あそこを見て!」

まだ、ファイルを読んでいる会長に叫ぶ。

彼は身を乗り出しそれを確認すると、

「始まったか……」

そう呟いた。

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