prologue
その学園にはある噂が存在する。
それを聞いた者の多くはどこにでもあるただの噂だと言う。
しかし、その噂の真偽を確かめようとした者は皆、口をそろえて同じことを言う。
「悪魔に会った」
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昼の暑さが嘘のように冷え切った夏の夜だった。
真夜中に近かったが、月明かりがあるためかなり明るい
今日は満月だ
真希、和馬、祐介の3人は明和学園に続く坂道を上っていた。
それというのも、真希が、「夏休みの思い出に学園に伝わる七不思議を見つけよう」
と言い出したからだ。
実際、夜の学校に忍び込むのは面白そうだったので和馬と祐介も真希の意見に同意した。
3人は裏門から侵入し、昼間にあけておいた窓から校内に入り込んだ。
明和学園は中高一貫校のため、校舎がなんとも広い。
真希は早くも後悔していた。
夜の学校とはそれだけで十分、畏怖の対象になることを悟った。
和馬と祐介はどんどん先へ進んでいく。
言い出した自分が帰りたいなんて言うわけにはいかない。
覚悟を決め、2人に続いた。
とりあえず、七不思議に関係しそうな場所を一通り回ることにした。
保健室や美術室、音楽室、他にも数カ所回ったが七不思議の片鱗すら見つけ出すことはできなかった。
「もう、帰ろうぜ」
和馬が言い出した。
祐介も飽きてきた様子だ。
「じゃあ、帰ろっか」と、真希が言ったとき・・・
突然、ピアノの音が鳴り始めた。
これは・・・・・・悲愴?
最近、音楽のの鑑賞で聴いた気がする・・・。
いや、今はそんなことどうでも良い。
3人は駆けだした。音楽室は本棟から離れた、特別教室の集まっている、特別棟の最上階だ。
階段を一段飛ばして、駆け上がる。
息を殺し、曲に聴き入る。
すると、急に曲が止まった。
あれ?変だ・・・。まだ途中なのに・・・。
そう考えていると、前に居る和馬の体が震えている。
ふと、和馬が見ている方向へ目をやると・・・・・・
音楽室の少しだけ開いているドアから、真っ黒な腕が伸びている。
祐介も それ に気づき、目を見開いている。
次の瞬間、手がなくなったと思ったとき、真希の肩を誰かが掴んだ。
和馬は前、祐介は真横。
それなら今、自分の肩を掴んでいるのは何!?
「お願い・・・、 もっと・・・」耳元で声がする。
思い切って振り返ってみると、そこには・・・。