第二話 異世界来れました。GG
異世界に飛ばされた物語の人物ってさ、だいたい
「何じゃここは!?」
って感じになるよな。でも俺は違う。
「異世界きちゃぁぁぁぁああああ!!!!」
この反応になるのも無理はないだろ。だって異世界だぞ?ハンターギルドや商人、モンスター討伐に美少女ヒロインの登場!これらが俺を待ち受けてるんだぞ!!
気分はかなりいい、この内容だけでラノベかけるくらいだな。そう頭で考えていたがどうしてもさっきの女の子の言葉が気になる。
「伝説の...か」
異世界に来れてワクワクが止まらないのはそうだが、やっぱり不安もある。あの女の子は“こっちの世界”に干渉してまで「助けてください」と言いに来たのだ。
多分この世界でなにかマズイことが起きてるって考えた方がいいな...。
とりあえずここがどこか把握しなきゃな。
俺が目覚めたところは多分どっかの森の中だ。異世界の森ってことは何かしらモンスターがいてもおかしくないな。、、、ん?俺まずくね?
俺は異世界に来て数分の人間だ。そんな奴が武器やらアイテムやら持ってるはずもなく、モンスターに見つかれば一環の終わりだろう。でも物語ってこうゆうフラグ立てたらだいたい...
木の枝が「パキッ」って音を立てた。振り返ってみると、わぁお。おっきいくまちゃん。
鋭く伸びた頑丈そうな爪に堅固な体躯、オマケになんか背中から棘みたいなの生えてるし、、、おっかねぇ
さすがに死んだ。水谷の異世界旅ここまでです。GG
そんな事を考えて反射で言葉が出た。
「───オォン。」
次の瞬間、くまちゃんの動きが止まった。なんだ?なんでこいつ止まってんだ?しかもこいつ、息してない気がする...どうしたんだ??
そう考えて間もなく、くまちゃんはその場に倒れた。
「は?倒れた??老衰??」
老衰寸前の瀕死くまちゃんだったのかもな...すると俺の目の前に異世界によくあるステータスウィンドウ的なのが現れた。
───レベルアップしました。
はえ〜こんなシステムっぽいのもあるのか...お、種族とかも書いてある、どれどれ〜?人族か、まぁそりゃそうか。他にはなんか...ん?称号?んなもんもあるのか?
「伝説の...○△□」ってなんだこれ、
よくある文字化けだな、これって後々自分が何者か判明する重要な要素だろ。まぁ後々分かればいいし今はいいか、ほかは適当にスキルとかステータス値が見れるんだな。
なんかゲームっぽくて分かりやすいな、レベルアップごとに好きなステータスにポイントが振れるのか...(A○Kみてぇ)
さっき倒したくまちゃんからかなり経験値貰えたから、レベルは...80レベ上がったのか、、、多いな。
まぁいいや、この世界の平均とか相場も知らないし、このレベルが案外低いってことも有り得る。あわよくば高いと助かるけど...
体力・スタミナ・ウェイト・パワー・器用さ・頭脳・スピード・魔力の8つのステータスとかあるのか、そうだな、、、まず頭脳をあげよう。頭いいムーブかまして頭いい人って思われたい。よしこれだ。あとはスピードかな?今は武器持ってないしさっきみたいにたまたま倒れてくれることなんてもうないだろうから、今は逃げれるくらいのスピードを付けとこう。
まぁこんなもんだろう。そしたら次こそここがどこか調べなきゃな。人里とかがあればいいんだけど...
そんなことを考えながら獣道を進んでいると、
「そこの者!止まれ!」
「ふぁ!?」
急に話しかけられてびっくりしたわ。いつから居たんだよ。
後ろを振り向くとそこに居たのは金髪ショートでなかなか重そうな鎧を着た女性と2人の屈強な男がいた。
「えぇと、なんですか??」
「貴様先程、ブルータルベアーを討伐したな?」
金髪の女騎士が聞いてきた。
そんな名前だったのか、、、青くなかったけど?
「ここらでブルータルベアーの目撃情報があり、調査していた途中だった。先程、貴様が奴と対峙していたのを見かけた。」
さっきのを見ていたのか...
いや見かけたんなら助けろや。こちとら死にかけたんぞ。
「貴様、あれをどうやって討伐した?あれはSランクの魔獣だ。人1人でどうにかなる相手では無い。」
「いやぁ~俺もよくわかんなくて、勝手に死んだんすよ。多分老衰じゃないっすかね?」
実際嘘はついてない...と思う。だって俺ほんとになんもしてないんだもん。
「シラを切る気か。」
「あ?」
「貴様の言い分は騎士団本部で聴衆する。連れてけ!」
強面のおっさん二人にとっ掴まれて俺は馬の上に乗せられた。乗馬初めてで普通に興奮する。
んな事言ってる場合じゃないだろうな...。
そんなことを考えながら、俺は馬に揺られながら森を抜けた。森をぬけた先にはかなりデカイ都市が見えてきた。
「あぁ...異世界来て最初の仕事が誤解解くことて...クソだらぁ」
第三話出たらいいね