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【コミカライズ】病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない【受賞作品】  作者: やきいもほくほく
一章

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コレットは資料をめくり、仕事ばかりして悴んだ指を擦った。


馬車の中でディオンの隣に当然のように座っているリリアーヌははしゃぎっぱなしだった。

彼と仲睦まじい様子とコレットよりも数倍は煌びやかなドレスを見せつけて満足そうだ。


会場に着くとディオンは「ミリアクト伯爵に頼まれているから」と言ってリリアーヌを当然のようにエスコートして馬車から降りた。


御者のさっさと降りろと言わんばかりのため息が聞こえて、コレットは重たい足を動かして前に進んでいく。

しかしコレットが婚約者を取られたという噂が流れ、リリアーヌの美貌が注目をあつめるかと思いきや、コレットが考えていたよりもずっと最悪なことが起こる。


リリアーヌは貴族の令息、令嬢たちが集まるパーティーで大失態を犯した。


挨拶の列や話に割り込み、格上の令嬢や令息の名前を聞いたかと思いきや友人のように親しげに話しはじめた。

コレットが止めても気が大きくなったリリアーヌの暴走は続き、拙いマナーで周囲を愕然とさせた。


ディオンはすぐにリリアーヌから離れるとコレットの元に戻ってくる。

その表情は引き攣っていた。

あまりにも身勝手な振る舞いをしているリリアーヌと一緒にいたくなかったのだろう。

「あとは任せた」、そう言ってどこかに消えてしまった。


コレットは人混みを掻き分けながら、会場を好き勝手に見て周り、はしゃいでいるリリアーヌを引き止めながら、謝罪やフォローをして奔走することとなる。

本人はパーティーを楽しんでいるつもりだったのだろうが、リリアーヌの行為はミリアクト伯爵家の家名に泥を塗る行為だ。

とても褒められたものではない。


コレットはリリアーヌの腕を引いて、なんとか城の外へ。

彼女を叱りつけたとしてもリリアーヌは誰も味方がいない状況だからか「なんなのよ!」「邪魔をしないで」と言って、なにが悪いかさえわからない様子だった。


そのままディオンに馬車を借りてミリアクト伯爵家に帰ったコレットの判断は間違えていなかったと思う。

馬車の中で暴言を吐き散らすリリアーヌを無視していた。

ミリアクト伯爵邸に着くと、リリアーヌは驚く両親に泣きついた。


リリアーヌの話しか聞かず、コレットの話に耳を傾けない両親はコレットが一方的に悪いと思ったのだろう。

それからリリアーヌを放っておけないからと大切なパーティーに欠席した両親を見てコレットは驚愕した。


(お父様とお母様は一体、何を考えているの……!)


そしてコレットはリリアーヌに嫌がらせをした挙句、腕を引いただけで暴力を振るったとして、両親から容赦ない折檻を受けることになる。


食事も水分も満足に与えられることなく、物置小屋に閉じ込められていた。

震えるほどに寒く暗い部屋の中でコレットは絶望していた。

どうして伯爵家のために動いた自分がこんな目に遭わなくてはならないのか。

腹立たしくて頭がおかしくなりそうだった。


事情を知るディオンの話を聞けば考え直すかと思いきや、彼は面倒に巻き込まれたくなかったのか二日に一度は来ていたミリアクト伯爵邸を訪れることはなかった。


両親にリリアーヌの失態が伝わったのはパーティーから一週間ほど経ってからだ。

コレットは父や母に殴られてボコボコになった頬の腫れが引き始めた時だった。


リリアーヌの大失態を知ってたとしても、コレットの対応が賞賛されても両親はコレットに謝ることはなかった。


「も、もっとお前が早く対応していたらこんなことにはならなかった!」

「リリアーヌをしっかり見ててちょうだいと言ったでしょう!?」


さすがの侍女もリリアーヌの恥ずかしすぎる失態を知ってコレットに同情の視線を送る。

暗い物置部屋から出されて、体を綺麗にして温かい食事が出されたがコレットは怒りから口をつける気にもなれなかった。


リリアーヌは自分の失態が両親にバレた日から「具合が悪い」「食欲がない」と言って部屋に篭っているらしい。


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