最終話
「コレット、もう一回言ってください」
「え……?」
「愛してるって言って欲しいんです」
「わたくしはヴァンのことが大好きよ。あなたを愛してる」
「~~~ッ!」
ヴァンがコレットを抱きしめる力が強くなる。
余程コレットに愛情を伝えられる言葉を言われることが嬉しいらしい。
メイメイとウロは安心したのかホッと息を吐き出している。
コレットは自分の言葉がヴァンにここまで影響を与えることに改めて驚きを感じていた。
ヴァンはどん底から後ろ盾を得てこうして皇帝に信頼される存在へと上っていったすごい人だ。
(きっとすごい努力をしたんでしょうね)
ゴツゴツとした手のひらに服の隙間から見える傷が、彼の波乱の人生を物語っているような気がした。
忙しそうにしていたり護衛が手厚い理由も、すべてコレットを守ろうとしているのだと今ならばわかる。
しかしヴァンにいくら「大丈夫」だと言わても、ただ彼に守られているだけなんて嫌だ。
「まだわたくしに話していないことはたくさんあるのかしら?」
「それは……」
ヴァンが口篭る中、コレットは大きく息を吸った。
「わたくしもヴァンのために強くなりたいわ!どんなことがあっても、あなたと一緒にいるとわたくしが決めたんだから」
ヴァンは驚き目を丸くした後にコレットに「ありがとう」と言った。
そしてコレットももっとヴァンのために頑張らないとと改めて決意する。
「今からメイメイに色々と教えてもらうわ!」
「コレットがですか!?」
「えぇ、せめて自分の身を自分で守れるくらい強くなりたいもの」
コレットがそう言うと、ヴァンはワナワナと震えながら縋るようにこちらを見ている。
コレットがどうしたのか問いかけると……。
「コレットがもし怪我をしたら僕は、僕は……っ!」
「大袈裟よ!怪我くらいで」
「コレットには傷一つつけさせません。僕がコレットを守りますからっ!」
「それだけじゃ嫌なのよ」
「コレットは自分をもっと大切にしてください!」
「それはヴァンの方でしょう?わたくしだってヴァンが傷ついたり怪我をしたら悲しいもの」
「……っ、コレットが悲しむのは嫌です」
「わたくしも同じ気持ちだって、わかってくれた?」
「はい……わかりました」
コレットの言葉にヴァンはたじたじである。
「ヴァン様にここまで言えるのはコレット様だけだな」
ウロの言葉にメイメイが何度も何度も頷いている。
コレットは王座から会場を見回しながらヴァンに問いかけた。
「エヴァリルート王国は今日からどうなってしまうの?」
「僕が統治していくつもりです。上層部は入れ替えて反抗分子は潰していくつもりですが、急なことで結託もできないでしょうし、反抗する手立てはないですから。少々強引ではありますがうまくまとまるでしょう」
「つまりヴァンが国王になるということ?」
「えぇ、皇帝陛下もこの国が手に入れば好きにしていいと言っていたので、このまま統治していこうと思います」
ヴァンは統治者となり、この国のトップになるのだろう。
「まぁ、今までのご褒美みたいなものですよ。それにコレットがこの国が必要そうでしたので」
「……!」
「コレット、嬉しいですか?」
コレットのヴァンにエヴァリルート王国のことを問われた際のことを思い出していた。
コレットの返事次第でこの国がどうにかなっていたかと思うと恐ろしい。
ヴァンは頷くコレットの髪を優しく撫でる。
「あの場所で僕たちが出会えたのは奇跡ですね」
コレットが絶望に打ちひしがれていると必ず助けてくれるヴァンに感謝していた。
「ありがとう、ヴァン」
「コレット、僕が一生をかけて君を守るから」
「わたくしもヴァンを守るわ。今度こそ、あなたと一緒に……」
ヴァンの深すぎる愛情に感謝しつつもコレットはヴァンに寄り添うように抱きしめたのだった。
HAPPY END ☆
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