第七十九章 〜 ヴィッディー救助計画 〜
雄紀は、玄関へ急いだ。
ヴィッディーは、『中に入った』と、言っていた。
「家の中だよね・・。 」
ふと、雄紀の心に不安が浮かびあがった。
「ヴィシュヌさん、ヴィッディーの家には、“中に入る”ことが出来るものが、この玄関の他にありますか? 地下室とか、裏口とか・・。 」
「あぁ、裏口ならあるよ、って言うかキッチンの所勝手口から出入りできるよ。 そう言えば、裏に物置小屋がある。 」
「ヴィッディーが、それに近付く前に、ヴィッディーに合わなければならないんです。 ヴィッディーが車を停める場所は、僕たちが車を停めた場所だけですか? 」
「そうだよ。 もしかしたら、玄関に車を付けるかもしれないけど。 でも、僕らの車を見たら、そこに停めるんじゃないかな? 」
「それなら、みんなで駐車場に行きましょう。 そこで、ヴィッディーを待ちましょう。 」
「あ! でも、もしかしたら、買い物をして来るのであれば、道を反対方向から来るから、駐車場は通らないよ。 玄関の前に車を付けて、荷物を降ろしてから駐車場に向かうと思う。 」
おじさんが、ヴィシュヌに答えて言った。
「でしたら、玄関の前で待つグループと、駐車場で待つグループに分かれまよう。 」
「私、玄関で待ってます。 ここに来る可能性が高いですよね。 」
ラディカが、言った。
それに対して、ヴィシュヌが答えた。
「そうだね。 でも、小屋に直接行くとすれば、駐車場からだよ。 玄関前は通らない。 」
「私と、雄紀も玄関で待つので、ヴィシュヌさんと、スーリャは駐車場を見張っていて頂けますか? 」
おじさんが、言った。
「分かりました。 でも、ヴィッディーが到着したら、すぐに連絡を下さい。 」
「僕らにもお願いします。 」
ヴィシュヌが答えた。
皆、それぞれの持ち場に着いた。
ラディカの携帯電話が鳴った。
「スーリャです。 」
ラディカは、おじさんに言った。
「! 」
雄紀は、突然、トランス状態になった。
すると、光が見えた。
その光は、だんだん近づいて来る。
だんだん、光が大きくなって来た。
『あれ? 何かが見える・・。 ヴィッディー? 』
ヴィッディーが運転をしているのが見えた。
海岸線の道を走っている。
さっき、雄紀達やヴィシュヌが通って来た道だ。
『と、言うことは、駐車場の方から来るのかな? 』
ヴィッディーの車からの景色から、ヴィッディーが、もう傍まで来ていることが分かった。
「ヴィッディーは、僕たちが通った道を、もう直ぐそこまで来ています。 後、多分10分くらいで到着すると思います。 」
雄紀は、皆に伝えた。
その時だった!




