第七十七章 〜 ヴィッディーの生家 〜
ヴィシュヌが最初に駐車して、車から降りてきた。
おじさんも、ヴィシュヌの車から少し離れたところに、ヴィシュヌの車に平行に駐車した。
かなりの広さだ。
多分、後、普通の乗用車であれば、10台位は、入りそうな広さであった。
ヴィシュヌが車から降りて来た。
おじさんが車を停めるまで、少し離れた所で待っていた。
車から降りると、ヴィシュヌが傍に来た。
「私が、時々、家の手入れをしているので、家の鍵が、どこにあるかは分かっています。 上がって待っていましょうか? 」
ヴィシュヌが、おじさんと皆に言った。
「そうですね。 ありがとうございます。 」
「ヴィッディー、驚くでしょうね。 」
ラディカは、すっかり元気になったようだ。
皆は、ヴィッディーの家に上がった。
「お茶、入れましょうか。 僕ものどが渇きました。 」
ヴィシュヌは、玄関からまっすぐ続く廊下を歩いて億で曲がった。
ヴィッディーの家は、玄関から奥まで、土間で続いていて、吹き抜けになっていた。
そして、その吹き抜けのスペースで、二階の廊下から、玄関を見下ろせるようになっていた。
階段までのスペースには、10人位は座れそうなソファや、テーブルが置いてある。
玄関の入り口からまっすぐ続く廊下、そして左側の奥に階段があり、二階へ続いていた。
そして、階段の手前に、左の方へ続く廊下があった。
奥行きは、かなりありそうである。
そして、その廊下の先は右に曲がっていた。
雄紀は、その奥に何があるのか知りたくてしょうがなかった。
しばらくすると、ヴィシュヌが、大きな、しかし高台のくびれの細いティーポットに紅茶を作って持って来た。
「ヴィシュヌさん! あの奥に行きたいのですが・・。 」
雄紀は、ヴィシュヌに話しかけた。
「あぁ、さっき言ってた・・。 実は、あの先に何があるか、僕も知らないんだよ。 行ってみようか・・。 」
「はい。 ありがとうございます。 」
皆は、ヴィシュヌと雄紀の後に続いた。
その廊下の左側は、窓。
そして、右側は壁になっていた。
廊下の突き当りにたどり着いて、右に曲がった。
その辺から、周りが薄暗くなり始めた。
再び、右に曲がる突き当りにたどり着いた。
そこには、戸があった。
ヴィシュヌが、取っ手を回した。
回らない・・。
「鍵がかかってる・・。 」
「反対側には入り口はないんですか? 」
「・・どうだったかなぁ・・。 」
皆は、反対側へ回ったが、入り口の様なものはない。
玄関からまっすぐ伸びる廊下の左側は窓の無い壁になっていた。
しかし、壁の奥には、確かに部屋の様なスペースを感じられる。
かさかさ・・・・カチャッ!
壁の奥から音がした。
雄紀は、鍵のかかっていた、ドアに向かって走り出した。
皆も後に続いた。




