第五十七章 〜 ソーハムとの再会 〜
真っ白な世界・・。
雄紀は、再び狭間の世界に居た。
「雄紀・・。 」
何処からか微かに聞こえて来た。
ソーハムの声だ。
雄紀は、ソーハムの姿を探した。
「雄紀・・。 もっと下だよ。 」
「え? 」
雄紀は、目線を下げて見まわした。
「!??? 」
ソーハムは、雄紀の胸の高さ位の大きさになっていた。
「どうしたんですか!? もしかして、マーラの呪いがここまで・・・・。 」
ソーハムは噴出して大笑いした。
「違うよ。 私が小さくなったのは、それだけ君に吸収されたからだよ。 」
まるで、前に会った時と入れ替わったようだ。
・・・・以前よりも・・・。
「そうだよ。 君の心が、大人になって来た分、私がキラキラした子供になったんだ。 」
「以前、会った時、僕は子供に見えていたんですか? 」
「そうだよ。 」
「・・・・。 」
「でも、君はだんだん大人になって来た。 “大人になって来た”と、言うよりも、目覚めて来たんだ、本来の自分自身に。 」
「そうなんですか?・・。 」
「あまり、自覚は無いのかも知れないけど、確かに君は頼もしくなって来たよ。 それは、君が自分自身で色んなことを乗り越えて来て、自分自身に目覚めて来たからなんだ。 」
「また会えて嬉しいです。 聞きたいことが一杯あったし・・。 」
「例えば? 」
「・・・・何だったかな・・? 」
「思い出せないってことは、もう心のどこかで答えが見つかっているんだと思うよ。 」
「そう言うものなんですか? 」
「そう言うものなんですよ。」
「君は、幸せだと感じているでしょ? 」
「・・・・そうですね。 今は、多分、僕の人生の中で一番幸せだと感じています。 ヴィッディーとサティアが居なくなって、寂しくなりましたが。 」
「人生とは、そう言うものさ。 変化が無ければ、飽きてしまう。 」
「でも、一緒に居た方が楽しいです。 」
「そうだね。 でも、しばらく会えないでいると、会えた時の感激が大きくなる。 ず~っと、一緒に居ると、飽きちゃうよ。 それに、一緒に居られることが、当たり前になったら、感謝できなくなっちゃう。 」
「そうですね・・。 」
「私は、今そのことをつくづく思うよ。 」
「これからは、こうやって会えますね。 また、サティアのラグを借りて瞑想します。 」
「そうだね。 瞑想が上手く行ったらね。 気持ちを持って行けないと、ここへは来れない。 」
「そう言えば、僕は、いつまであなたに会えるんですか? 」
「僕が、君と一体になるまで。 」
「あなたと私が一体になったら、どういう風に分かるんですか? 」




