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ソーハム  作者: Dariahrose
光る細胞(研究施設)
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第二十五章 〜 二度目の襲撃 〜

もし、ヘスーサンの人々の体内のジアノバクテリアを除去する方法をみつければ、ほとんど人の目では区別が出来ない程の、弱い発光になるかも知れない。


雄紀の世界では、もともと、イカや一部のバクテリア等が発光するのは、体内に入って来る有害な酸素を除去する為に発光するのだと考えられている。

人体だって、いくら人体には酸素を処理する機能を持っているとは言え、処理できない分は、活性酸素となり、人体を傷つける。


と、言うことは、もしかしたら、体内に余剰の酸素が無くなれば、ルミフェリンやルミフェラーゼが人体に必要なくなる。

そうなれば、もしかしたらルミフェリンやルミフェラーゼを体外に排出することが出来るかも知れない・・・。


その時だった。

ヴィッディーは、少し離れたところにいたせいで気が付かなかった。


雄紀の後ろの少し離れたところに黒い影の様なものが現れた。

それは、少しずつモヤモヤと形を変えながら、雄紀に近付いて来た。

最初は、サッカーボールほどの大きさだったが、少しずつ大きくなって、人の様な形になった。

しかし、その手には、五本の指の形は無く、ナイフの様に鋭利な形になった。

その黒いモヤモヤの人型の、ナイフのような手の部分だけが形がはっきりとして来た。

それは、雄紀のすぐ後ろ立った。

その、ナイフの様な形は、一瞬にして光り輝く金属になり、雄紀の右後ろから脇腹に刺し込まれた。


雄紀は、あまりに集中していて、何が起きたのか分からなかった。

訳も分からず、足がもつれた。


「うっ! 」


突然の、脇腹の熱に、雄紀は悶絶した。


雄紀の声に、ヴィッディーが振り返った。

雄紀は、その場に倒れ込んだ。

ヴィッディーが駆け寄って来るのが見える。

雄紀には、訳が分からない。

脇腹が熱い。

体が震える。

意識が遠退いていく。

ヴィッディーが、何か叫んでいる。


「どうしたんだろう・・・。 」


雄紀の意識は、そこで途切れた・・・。


ヴィッディーは、雄紀の声に振り返った時、一瞬だけ雄紀の後ろの黒い影を見た。

雄紀のわき腹から、血が滲み始めた。

流れる川の様に湧き出ている。

大量な出血だ。

ヴィッディーは大声を上げた。

雄紀の名前を呼んだ。

雄紀は、微笑むだけで反応が無い。


ヴィッディーは、緊急ボタンを押した。

おじさんが、直ぐにやって来た。

雄紀の、大量な出血を見て、医療チームだけではなく、どこかに電話をし始めた。


雄紀は、反応しない。

CPRを始める。

心肺停止確認。

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