第百章 〜 バーベキュー 〜
その日の夕食は、おばさんと、おじさんが、バービキューを用意してくれた。
おばさん特性の、フルーツの蒸し焼きが一番の人気であった。
マヤさんは、おばさんに、レシピの詳細を聞いていた。
おじさんは、雄紀と相変わらず、フルーツジュースを片手に、空を見つめながら、帰って来たことをしみじみと実感していた。
「おじさん、明日は主に講義になるんですか? 」
「そうだね。 “主に”と言うより、1日の講習の全部が、講義だね。 歴史や、理論だから、どうしてもね・・。 」
サンチェスが、やって来た。
「明日の講習の話ですか? 講義なんですか? いよいよなんですね。 楽しみです。 」
サンチェスの目が、キラキラ輝いた。
そこへ、マヤさんが加わった。
「サンチェス、 寝ないでよ! しっかり覚えてね。 」
「寝るなんて! 寝ないですよ! 当たり前です! 」
サンチェスは、笑った。
「明日の講義は、しっかり付いて来ないと、あっという間に、難しい言葉の羅列の様な響きに聞えて来るから・・そしたら、眠くなっちゃうかもね。 頑張ってね。 期待してるよ。 」
おじさんが言った。
「絶対に寝ませんよ! 」
サンチェスは、少しムッとした感じで言った。
「サンチェスは、ずっと勉強したかったんだもんね。 医学部の本番の予行練習。 今回の講義について来られたら、大学でも、きっと大丈夫ですよ。 」
「よし! 絶対に寝ない! 」
皆、大笑いした。
そこへ、おばさんがプリンを持って現れた。
「皆さん、プリンはいかが? 」
サンチェスと、マヤさんは、おばさんの後について、プリンの方へ行った。
「雄紀、たくさんの人達に、この講座を受けて貰えたらいいね。 そしたら、きっと、そのネットワークが、“媚薬”以外でも、何かの為になると思うんだ。 」
「僕には、分かりませんが、そうですね。 同じ志を持った人達のネットワークを構築する訳ですから、何か大きな役目を持つネットワークになるかも知れませんね。 」
「本当に、私は、そう期待しているんだよ・・。 」
おじさんと、雄紀は再び、椅子に座って夕日に飲み込まれる様に、裸眼でも目視が出来る程赤くなった、太陽が山の向こうに沈んで行くのを見つめていた。
向こう側で、サンチェスがおばさんから、プリンをよそってもらいながら言った。
「何なんでしょうね、あの2人。 さっきから、ずっと、ああですよ。」
「そうだね。 昔っから、2人でああなんだよ。 まぁ、昔は息子とだったけどね。 今は、雄紀が居るから・・。 」
おばさんは、嬉しそうに2人を見つめた。
そして、幸せそうな吐息をもらした。
いよいよ、明日から本番!
それそれが、それぞれの思いを心に抱きながら、トワイライトの時間は、夜へと更けるしていった。




