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ご機嫌な彼女とウォータースライダー

 二人はプールで存分に体力を使いつつ昼時を迎えた。

 売店でそれぞれ焼きそばとホットドッグを購入し、簡素な丸テーブルの席について体を休めていた。


 真白が「ちょっと疲れた」と息をついていたが、総司はもうクタクタだ。

 煩悩と戦い、不埒な視線や声を掛けたそうにしている男たちに気を配っているととても疲れる。

 ただ、一番の要因は彼女の元気さによるものだったりする。


「やっぱりその短い髪の方が良いね」

「急になんだよ」


 適当に会話をしながら食事をしていれば、表情をにこにことさせながら真白がそう言う。


「朝に見た時より、ずっといいなって思って」

「褒めても何もしてやれんぞ。それにしてもなんかご機嫌だな」


 総司は真白がいつになく楽しそうしているように見えた。

 たまに鼻歌交じりにホットドッグを食べていたりするし、プールで遊んでいる時も終始テンションが高い気がする。


「そう? ただ、総司くんは良い顔してるから前の髪型は少し勿体ない感じだったけど、今は似合ってると思っただけ。水も滴るいい男だね。ひゅー」

「顔が良いとかお前の方がレベル高いから自信ねぇよ」

「別に嫌味じゃないよ」

「分かってる。と言うか顔が良いのは認めるんだな」

「色んな人に言われてきたから」


 万人が万人とも真白を美少女だと思わないでも、整った顔立ちだとは誰しもが認めるだろう。

 彼女も周りから散々聞かされてきたのだから自覚しているのは当然だ。


 そのことを本人はそれほど嬉しそうにはしていないところを見るに、美人な人は大変だなとつくづく思う。


「まぁ、そうだろうな。周りにいる人らだってずっと見てるし」

「ん。知ってる」

「嫌じゃないのか?」

「今日はそんな視線を気にする暇はないから」

「今日は?」

「なんでもない」


 真白はちらちらと総司を見やりながら、何か含みを持たせるような言い方をしたがすぐにはぐらかす。

 けれども、特に気になることではないので総司もそれ以上は追及しなかった。


         # # #


「そろそろ、スライダーに行ってみたいね」

「ウォータースライダーか」

「うん」


 総司と真白は昼食も済ませ、またプールの方へ戻って来た。

 ウォータースライダーの方を指差す彼女。


 午前中は人が多く並んでいて避けていたが、昼時の今ならそこそこ空いている。

 二人はウォータースライダーの列に並んだ。


「意外と高いな」

「怖いの?」

「怖いと言うよりは、下を見るとぞわっとする」

「それを怖がってるって言う」

「お前は楽しそうだな」


 下からスライダーを見た時はあまり高さを感じなかったが、いざ上まで登って来ると本能的に恐怖を感じてしまうものらしい。

 一方の真白の表情を見れば、うきうきととしていた。


「私、絶叫系は好きだから」

「へぇ」

「滑ったらもう一回滑る予定」

「元気だな」


 あまり動じることのない性格の彼女の事だ。

 絶叫系のアトラクションでも真顔で楽しんでいる様子が容易に想像できた。


「じゃあ先に行くね」

「おう」


 順番が回ってきた彼女を見送ろうとしたが、


「あ、もしかしてそちらはお連れの方ですか?」

「え?」


 と、真白が滑る前に係員の男性が彼女に連れがいることに気が付いて声をかけてくる。

 

「もし、それでしたらお二人一緒に滑ることもできますよー」


 ニカッと白い歯を見せて、気を利かせようとする係員。

 どうやらカップルに間違われているらしい。


 確かに下にいる時、男女が後ろから抱き着くようにスライダーを滑っているのを見かけた。

 真白と付き合っているわけではないので、一緒に滑るなど全く意識すらしなかったが係員から見ればそう思われているよう。


「どうしますか?」

「あ、いや…………総司くん、どうする?」


 抱き着いて滑ることになるので本来なら断るところ。

 しかし、後方には順番待ちをしている客もおり、早くしてくれよと視線で訴えかけられ焦らされる。

 その結果、思わぬ展開にテンパった真白は、おずおずおと後ろにいた総司に尋ねてきた。


「……どうするって言われてもなぁ。後でもう一回乗るんだろ? 最初はバラバラに乗ってから考えてもいいんじゃないか? 色んな楽しみ方があるだろうし」

「そ、そうだね。じゃあ行ってくる。スライダーの上り口で待ってるから」


 彼としては一緒に滑っても問題ないし、寧ろそうしたい思うくらいには健全だ。

 ただ、無闇に女子に触れるのは気が引ける。


 少し逡巡した総司だったが回答を出せず先送りにすれば、落ち合う約束をして真白を先に滑らせた。

 彼女が下まで滑走するのを見送れば、すぐに総司の番がやって来る。


(この後、もう一回滑るのか……ほんと元気だな)


 総司はそう苦笑しつつスライダーを滑っていったのだが、滑りきると少々面倒くさいことが起きていて、彼はその表情から笑顔を消すことになった。

前回の投稿から時間が空いてしまい申し訳ないです。

車の免許とか体調面で少しお休みしていました。


ただ、完結までは必ず書き上げますので気長に待っていただけたらと思います。

今後ともよろしくお願いいたします!!

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