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勉強とご褒美の話

本文最終行の内容を一部変更しました。 ※12/7 16:32 追記

 六月の半ばから真白と話したり、遊んだりするようになっていたせいで、彼は自分が学生であることを忘れていた。


 いや、学生生活は十二分に謳歌しているのだが、早い話テストなるものを忘れようとしていただけである。


 そして彼の成績は微妙で、平均に乗るかどうか。

 最悪赤点を取る教科もあるかもしれない程度だ。 


 その話を真白にしたら、夏休みに遊べなくなるかもしれないから、ちゃんとやれと言われてしまった。

 総司は放課後渋々、二週間後の期末テストと期末テスト前の小テストの勉強を二人ですることになっていた。


「なんだよ、作者の気持ちって。そんなこと誰が知りたいんだ」

「出題者」

「これは数学の話だけど、点Pとかもわからん。そもそもなんなんだあれ」

「某VTuberの〇首の名称」

「それは違うだろ!」


 ぶつくさと文句を言いながら、彼は国語の問題文を解いていく。

 真白は淡々と彼と同じ国語の勉強をしており、ペンを動かしながら彼の文句にも同じように淡々と答える。


 二つの事を同時に出来るとは、流石は学年三位様だなと思ったりして、彼は勉強に身が入っていなかった。


「あー。七月に入ったし、心機一転、模様替えでもしよっかなぁ」

「ダメ」


 総司がやる気を無くして冗談ぽくそんなことを言ったのだが、彼女は彼の肩に手を置き、某エ〇ヤばりに「その先は地獄だぞ」と呟く。


 確かに、模様替えでもした日にはもう勉強には戻ってこれないだろう。

 おそらく、ここで勉強をやめてしまえば総司の学力は確実に下がる。夏休みが補習まみれになるのは地獄そのものだ。


 とは言っても、勉強に身が入らないものは入らない。

 是非とも勉強が出来る彼女に、秘訣を訊いてみたいものだ。 


         # # #


「そんなにやる気が出ないなら、ご褒美を用意してみる?」

「ほう。それが、お前が勉強できる秘訣か?」


 集中力が切れて、しんどくなった総司のペンは動きが止まっていた。

 勉強を苦痛に感じている彼を見かねたのか、真白は手を止めて人差し指し指を立てながら言った。


「ううん。私はある程度勉強したら結果が出るタイプだから」

「天才め……」


 努力はしているのだろうが、そう答えられる真白がとても羨ましい。

 ただ、頑張った後に何か良いことが待っていると思えば、頑張れるかもしれないとも思った。


「それでどうするの?」

「ま、褒美を用意してみるのも悪くはないな」

「じゃ、その路線で行こう。ご褒美は何にする?」

「………うん。まったく思いつかん」


 しばし、考え込んだ総司だったが特にこれといったものが浮かばない。

 自分は意外にも無欲な人間なのかもしれないと思ったくらいだった。


「なら、私から何か出来ることはない?」

「お前にして欲しいこと?」

「うん」

「そうは言っても、普段から色んな事やって貰ってるしな」

 

 自分で用意できないのならば、真白が用意すると提案してくるが、総司の言う通り彼女には大変世話になっている。


 これ以上、真白に何かを求めてもいいのだろうか?

 彼はさらに悩むことになった。


「遠慮しなくても良い。過激えろいことじゃなければ大体はなんでも」

「そんな事をお前に要求するわけないだろ」

「しないの?」

「したら俺の人生が終わるわ」

「つまり、人生が終わらない保証があれば、するつもりはあるの?」

「……ノーコメントだ」


 際どい質問に総司はたじろぐ。

 最近、真白はこういうおふざけだったり、からかって来たりするようになり、茶目っ気のある少女だと判明した。

 

 それだけ、友達として仲良くなってきた証拠なのだろうが、二人は思春期の男女だ。

 ちょくちょく無防備な姿も見せるので、それはやめて貰いたかった。 

 恋愛と性欲は別である。


 ただ、総司の理性そのものは頑強なので、早々に崩壊することもないだろうが、彼女の振る舞いによっては揺らぎかけるかもしれないと思えば心臓に悪すぎた。

  

「司さんにも、そう言う欲求はあるということでおっけー?」

「おっけー? じゃねぇよ! とりあえずその話はやめろ」


 これ以上は、センシティブである。

 何より同級生に、それもクラスメイトにそんな話をされるのは恥ずかしい。

 総司は会話をぶった切った。


「わかった。で、何か思い浮かんだ?」

「駄目だ。全くこれっぽちも」

「しょうがない。私が一肌脱ごう」


 真白はそんな宣言をしつつ徐に立ち上がる。


 そして、袖を捲る様な仕草(夏服のため出来ない)をして拳を握りながら腕を立たと思えば、キッチンの方へ行ってしまった。


「もうちょっと頑張るか」


 彼女がご褒美を作ってくれるっぽいので、総司は一応宿題だけは頑張ることにした。

学校の授業って、将来に必要なさそうなもの多いですよね?

作者の気持ちとか分かるわけねーだろ、ボケ! とか思っていたのが私です。

私は基本的にPV伸びないかなぁとか、楽しんで読んでもらえるかなぁとか思って書いております。


世の中の物書きの皆さんは原稿料いくらだろう? とか、印税とか締め切りがーとか思って書いているのでは? と考えました。

と言うわけで、この手の問題で、困った時は「作者はそれほど大したことは考えてない」と書いてもいいかもしれませんね。


とまぁ、本作品を面白い、続きを読みたいと思って頂けたら、ブックマーク、☆☆☆☆☆に色を塗って評価などをして頂ければ、大変嬉しく思うと同時に励みになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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