休日は転移・転生なしで異世界に行けます。
久々の休日だった。
俺は午前中、子供たちと外出し、昼食後は昼寝を始めた子供たちの横で妻をもふった。
パパ業も一段落の、静かな午後だ。子供と妻の横で、俺も少しばかり休憩する。
人と暮らすというのは、それなりに疲れるものなのだ。
(たまにはのんびり1日中ゲームとかしたいな)
ふと思った。しかし、今の生活は充実感がある。
それで満足すべきなのだろう……そう思いながら、俺はウトウトと眠りに落ちた。
目が醒めてみると、そこには姫がいた。
(なんだこれは?)
ロリだが巨乳はついていない、紛う方なきロリ姫は潤んだ瞳でささやいてきた。
「私をしっかり捕まえていて」
なんだというのだろうか。
とりあえずガッチリとホールドしてやると、ロリ姫は叫び出した。
「きゃあっ勇者様助けてぇ!魔王に掴まった!」
……ヤバめなエロゲーの魔王にでも、転生してしまったのだろうか?
「姫っ!今お助けしますっ!」
現れたのは童顔の勇者。
「ええいやっつけてやる!」
勇者と姫は、2人揃って俺に遅いかかってきた!
これは応戦せねばなるまい。
俺はエロゲーを意識して瞬時に台詞を練る。
「お前らのケツをもふもふしてやろうっ!」
「きゃぁっ!」「いやぁっ!」
口々に悲鳴を上げつつ、2人は俺の上にしっかりとまたがり、腰を激しく振り始めた。
「「ああぁぁぁぁぁぁっ!カラダが勝手にっ!」」
「がっははは!みよ、思い知ったか魔王の力を!」
「「ああぁぁぁぁぁぁっ!と、止まらないぃぃぃっ!」」
やっと俺の上から逃れた2人は、ハァハァと荒い息遣いで身悶えしている!
「「魔王めっ!やっつけてやるぅぅぅ!」」
勇者と姫、諦めない2人は俺に魔法攻撃を仕掛けてきた!
「ファィアーストーム!」「ブリザードローック!」
火に氷の魔法のような名称にも関わらず、天から降ってくるのは大量のもふもふたちだ!
「がぁぁぁぁぁぁぁっ!」
俺はもふもふたちに固められて身動きができなくなり、ついに息絶えてしまったのだった……!
「やった!魔王を倒したぞ!」
「国の平和は守られた!」
2人は手を取り合って喜んだかと思うと、次の瞬間、猛烈な勢いで俺に飛び付いてきた!
「抱っこ!もっとしっかり抱いて!」
「ボクも!いっぱい抱いてー!」
……このエロゲー、ジャンルはロリショタ&SMってことでいいんだろうか。
迷っているとキッチンから、妻の笑みを含んだ声。
「ほらみんな。オヤツ……お父さん、それ以上は腰がもたないから♡」
妻が女神様に見えた。
なぜ教えてもいないのに、子供たちの言動はエロゲーチックなのでしょうか。