突然の暗雲
涼矢と別れ、教室に行く。
教室はいつも通り騒がしい。だが、今日はやたら集団がで話す人たちが多い。おそらく何か楽しいことがあったのだろう。
「なんの話ししてんの?」特に挨拶を交わすこともなく、話に混ざった。
「お、真也か。なんかさ、斎藤と国見とヤったのを動画に撮ってたらしいんだよ。」
「は?」意味がわからなかった。斎藤と国見は付き合ってないはずだからだ。それに加え、性行為の動画を撮ったとゆうのだからなおさらわからない。
「どうゆうことだよ。」
「さあな、でも斎藤のことだ。しかも、最近仲いいらしいしな。まあ、金づるか、よくてセフレってとこだろうな。
しかもその動画、金払ったら送ってくれるらしいぜ。頼もうかな。」冗談なのか本心なのか、笑いを誘うような話し方で、俺にそう言う。
俺に話した多田は小学生の時から同じで、ずっと仲がいい。親友のようなものだ。
「まてよ…それじゃあ、辻野があまりに可哀想じゃないか。」俺は口に出さずにはいれなかった。
辻野の純粋な恋心からを知っているから、斎藤の愛のかけらもないその行為に、燃え狂うような嫌悪を感じた。
過去にも、斎藤は似たようなことをしている。半年前だ、当時付き合っていた女と、斎藤の仲間4人でおこなったらしい。彼女同意だったとはいえ、聞いていて、心地のいいものではなかった。
愛している女の扱い方では無いのは、口に出さずともわかる。
「辻野?誰だ、それ。」
「国見のことが好きだったやつだ。」俺は、消沈しながら言った。
「へぇー、そりゃ国見可愛いもんな。そりゃあれに恋焦がれる人ぐらいいるわな。」おどけたように言った。
「なんで、こうなるんだろうな。」
そう言って、俺は自分と辻野の境遇を重ね合わせた。