第11話 ブラック・パレード
俺って生まれ落ちて以来のイケメンだったからさ、正直けっこうチヤホヤされたり甘やかされたりしてきたわけよ。
「ね、暗真。イナゴってどんな生き物か知ってる?」と幼い頃の幼馴染みが言った。――ん? 幼い頃からの顔なじみだから幼馴染みなわけで幼い頃の幼馴染みってなんか変か? まあ細かいことは気にするな。幼稚園だか通っていた頃ってことだ。――俺は特に考えず、「バッタみたいなもんだろ」と答えた。
「へえ、じゃあバッタって食べられるのか?」
「え、いや、それはちょっと」
「でもすっごくバタバタ動いてるしちょっと色もブロッコリーみたいで美味しくなさそうだし。誰か毒味とかしてくれないかな」
バタバタ動くからバッタ? という世紀の発見をしながらも俺は嫌な予感がしていた。
「ねえ暗真、ちょっと目を閉じて!」
「いやだっ! 絶対にいやだ! 何をする気だっ!」
「うるさいっ! とにかく目を閉じろっ!」
ふぎゃっ、なんてアホな声を出して目をつぶされかける俺。
不覚にも視覚を失った俺の口に何かうごめくものが――。
そして口の中に広がる苦み――苦み? 味はない。というか唇に何か当たった程度で、口の中までは何も入ってこなかった。
「彩……お前……」
「いなごみたいな味した」
「し、しねえよっ!」
と早々にファーストキッスを済ませるほどで。
「あら暗真ちゃんったら大きくなったわね。すっかり男前になってあれねえ、なんだかっていうアイドルみたいだねえ」
とのように情報量はゼロだが、近所のおばちゃんたちからはまるでアイドル扱い。「今度家に遊びに来てよ。美味しいお菓子があるからねえ。良かったらじいさんのいないときにでも」との好待遇。
最後の言葉がちょっとひっかかったので実際には行かなかったけど。
八百屋のおばちゃんにも「お兄ちゃんかっこいいからサービスしてあげるね!」とか言ってリンゴとかモモとかよくオマケしてもらっていた。
「暗真君ももう中学生かあ。年が経つのも早いな、わたしももうおばちゃんかな」はは、と笑うのは隣の家のお姉さん。
俺は顔を赤くしながら「そんな、おばちゃんなんて全然そんなことないよ」なんてバカ正直に答えていた。中学生の俺にはもっと気の利いたことは言えなかった。
「暗真君はかっこいいからもう彼女とかできた?」
「か、彼女なんてそんな……!」
「ふぅん、いないんだぁ。じゃあまだまだ暗真君も子供かな」
「それは違うって! もう色々と大人だから!」
具体的な回答はさけるが、もうね小学校卒業する頃には大人なんですよ。毛? いや、そっちはまだっただけど。うるせえなあ、俺は体毛薄いんだよ。
「お、お姉さんは? お姉さんは彼氏とか……」
「ん? なあに、暗真君?」
「べ、別に! 何でもないよ」
何でも、ともごもご言ってごまかしてしまったけれど、もしあの時の俺にもうちょっと勇気があれば、未来は変わっていたのかも知れない。
お姉さんは俺の初恋――と言っていいのかはわからないが、小学校の頃好きだった三十二人の女性の一人だった。まあほぼ同時に好きになってたし初恋みたいなもんだろうね。同着同位(※1)なんだから仕方ないね。
とまあ、こんな風にチヤホヤと甘酸っぱい青春を送れるぐらいには女神から愛されていた俺なわけで、人生イージーモード? あるいは人生ファーストクラス(※2)だったのだ。
しかし、はっきりと断言しよう。
美少女である今、俺はこの世界の真理にたどり着いた。
イケメンよりも美少女の方が世間から、老若男女から優しくされ、愛され、まさに人生思うがまま――この世をばわが世とぞ思ううんぬんかんぬんなん。短歌は忘れたけど、とにかくフルムーンでウルトラムーンな人生だ。
◆
保健室お着替えイベントを終えた俺は、ちょっとだけ大人になった気がした。もうずいぶん大人になっていたと思っていたけれど、まだまだ子供だったのかも知れない。
だが、ガキに保健室のお姉さんをモノに出来るだけの力があるだろうか。
――俺にはある。
異世界帰りはモノが違うのだと、俺の心の中の益荒男が叫んでいる。
目に見えず、手で触れることの出来ない槍がある。
他の男子高校生とは違うのだと、精神的なナイスミドルである俺が今ここにいるのだ。
「今日は無理しないで、保健室でしばらく休んだら家に帰っても大丈夫よ。親御さんにも連絡しとく?」
なすがままにと言ってしまうと情けないが、つまるところ俺の魅力が自然と戸倉先生を引きつけた結果として、膝枕で頭をなでられている。
こことは別ではあるとは言え、世界を救ってきた男なのだ。そりゃ顔を合わせた女が片っ端から抱いてくれと懇願してきたって何もおかしくないくらいなのだ。知らぬ間に膝枕くらい至って普通だということにしておこう。
「大丈夫です。もうちょっとしたら授業出ます」
そうね、あと三十分はこの太ももを堪能したいかな。ふふふ、とこぼれる笑み。頬擦りして、手でそっと太ももをなでてしまう。
なんて素敵な時間だ。
一生このままでもいいくらいじゃないか。
とまあ、いつの時代も幸せってのは長くは続かないものらしい。
しかしそれは凡俗な人生の話で、俺ともなるとちょっと違うわけで。
「戸倉先生、ちょっとした提案なんですけどこのタイツを脱いで素肌で、いえ、タイツも私は好きなんですけどあの――」
きのこだのたけのこだのはとんと興味もないし、男でそんなもんどっちが良いかなんてのにムキになっているとしたら飛んだ変態じゃねえかとしか言えない俺だけれども。タイツ素足戦争には常に第一線で争っている俺だ。
ちなみに中心線の間を反復横跳びしているだけで、どちらに属することもできない半端物ではあるが、俺の心は女性の脚を愛しているというその一点に関してのみ、紛れもなく純真極まりない愛の形であることは女神に誓える。
巨乳が好きだ。だかと言って脚が嫌いなはずはないのだ。
欲深き俺の願いは、不相応に乱暴に開けられたドアの音で遮られた。何だよ高校の保健室だってのに急患か?
「赤須ーっ! 大丈夫かあ!」
野太い声で、クラスの男子生徒数名が保健室へ入ってきた。えっと誰だっけ?
「間数からお前が倒れて保健室送りになったって聞いてよ! 赤須のことが心配でいてもたってもいられなくってさ」
やたら短くて太い眉毛の男が言う。
「いや倒れてねえけど……ちょっと伝言ゲーム雑過ぎないか?」
心底嫌だったが、膝枕されたままってわけにもいかず俺はのっそりと起き上がって、名前も覚えていないクラスメイトたちを軽くにらみつける。
「本当か? でもよ、なんか目つき悪くないか? 先生、赤須の具合はどうなんですか?」
「もしかして貧血ですか!? だったらオレの血を使ってください! 大丈夫です、オレ純潔ですから!」
いや知らねえよ、別に俺は吸血鬼(※3)じゃねえし。つうかいらねえよ男の血とか。
「大丈夫よ。ちょっと寝不足で横になっていただけだから。それよりここは保健室なんだから騒がしくしないでね。お友達のことが心配なのはわかるけどね」
「す、すみません……」
ちょっと頬の赤い男子生徒はすごすごと肯く。
「それで赤須、どうなんだ? 一時間目の授業は出られそうか? それとも家帰るのか? だったらオレが送ってくぞ」
「おいおい、オレも送ってくぜ!」
「待て待てお前ら貧弱な連中に赤須を任せられるか。ここは伝統ある将棋部で二年生にして部長の座についたこのオレが――」
「ああ、うん。大丈夫、授業出るから。うん、自分の脚で歩けるから。触らないで、本当」
楽園を糸も容易く蹂躙され倒れ俺は、世界に絶望し神を呪うかのように、腰掛けたままだったベッドからも立ち上がる。
ベッドのぬくもり、そして何よりも戸倉先生の温かさからは、何とも離れ難かったけれど、このままゆっくりできるような状況でもないのは確かだ。
しかしな、間数はともかくこんなろくに話した覚えのない連中がどうして俺のことをこうも大挙して見舞いに来るんだよ。
まああれか、俺は魔法使いだけど魔王を倒しているわけだからな。勇者や伝説の魔法使いへの憧憬ってのは少年心にはつきものだし、そういうリスペクトの精神がわき上がっている可能性が高いか。
あるいは俺が美少女になっているからか。
して、俺が美少女であることは既にこの学校でのスタンダードとして扱われていることも気になってくる。
だがこちらに関してはもう動揺する気にもなれない。ああ、そうなの。はいはいまたね。って感じだ。
そんなやれやれおやまあな気分で保健室を出ると、ぞろぞろと入って来た男子生徒連中とは別に、二人の女子生徒立っていた。
有象無象の男共とは違い、女子とはそこにいるだけで尊いものなのだと、そんなことは語るまでもないことであろう。もちろんそれは最低限の胸と基準値的なルックスを求めるものではあるが。
「あれま、もう平気なんですか赤須君」
背の低い女子生徒があっけらかんと言った。男子とは違い名前はわかる。クラスメイトだ、名前ぐらいわかって当たり前である。
彼女は月沢美鶴(※4)と言って、俺のクラスの委員長だった。
クラス委員長と言うと、クラスメイトの誰にでも優しい聖人君子を想像しがちだがそんなことはない。朝ののっけに会った風紀委員長の梢桐先輩とは別の意味でかなり厄介な存在であり、胸もそこそこで顔は良いのに相性が悪いという希有な女子であった。
「赤須君? どうしたんです怪訝な顔して。やっぱりまだ調子悪いんじゃないですか?」
「いや、そっちは大丈夫だけど」
心配そうに、だけど柔らかさのある笑みで月沢が言うので、俺も言葉を詰まらせた。
こいつはこんな風に俺へ接してくる相手じゃなかった。
梢桐先輩があらゆるものに対して平等であることに対して、月沢は不平等の象徴のような女子だった。
クラス委員長なんてクラスの代表のくせして、私利私欲、独断偏見であらゆる裁量を行い、それは日頃の言動全てにも同様であった。
最たるものは男女不平等である。というかそれに尽きる。
昨今ジェンダーフリーがなんやかんやと叫ばれる中で、男は男、女は女という区別を確固として持つ鋼の精神が宿っていることに関しては、俺に近い立場ですらあり賛頌を送ることも辞さないのだが、さて問題なのは俺の立場は男だったと言うことだ。
男は男、女は女、という区別などとは単なるまやかしのような何か。
炊き詰めてまとめれば、女は好きだけど男は知りませんなのだ。
どこぞのフェミニスト団体よろしくの女子至上主義者、反男尊女卑主義を掲げる月沢とは、向かう方向こそ同じであれど、己の性別といった根源で全面戦争となっているわけである。
「赤須君、何度も注意していますけどね」
「何度も言っていることならもういいよ。多分今また言われても反省とか改善とかしないと思うから」
と俺は前置きを挟むのだが、月沢はこっちの言うことを聞くことはない。
「クラスの女子が迷惑しているんですよ。いい加減しつこく声をかけたり遊びに誘ったりやめて下さい」
「待てよ! しつこく誘ってなんてない! そりゃ断られることもたまぁーにはあるけど、基本的にはみんな喜んで俺の相手してくれているはずだ!」
四字熟語に例えるなら明鏡止水(※5)ってもんの俺のイケメンっぷりを嫌がる女の子なんてのは余程の特殊な好みの持ち主ぐらいだ。つまり月沢のことだけども。
「ははん、お茶が笑いますよ」
何だそれ? 茶を笑わすなよ、へそで沸かせよ。
「あなたといれば結局不幸な目に合います。だから最終的に迷惑することになるんですよ。わかりませんか」
「わかんねえよ。適当なこと言うな。てめえは占い師か、何勝手に俺を貧乏神扱いしてんだよ」
「占いなんてしなくてもわかりますよ。あなたはクズです。クズの男の中のクズです」
わざわざクズの男をかき集めてその中から厳選茶葉するぐらいクズらしい俺。何故そこまで言われなきゃならんのか。
思い当たる事なんて山のようにあるが、とどのつまり月沢は俺のことが嫌いなわけだ。男が基本的に嫌いで、その中でも俺がとりわけ嫌いということだ。
俺だって女の子は好きだが、別に世界中全ての女の子が好きなわけじゃない。胸が小さい子とか、胸がだいぶ小さい子とか、胸がほとんどない子ってのは正直かなり低い評価を付けざる得ないし、こういう敵対的な相手まで好意を持てるほど人が出来ているわけじゃない。
仮に月沢の胸がラーメン丼ほどもあれば、その限りではないだろうけどね。そこはほら、大は小を兼ねるみたいな。違うか? まあ巨乳ってのは偉大だからさあ。
「赤須君のことが心配で様子を見に来たんですけどね。男子の少し考えの足りない方たちが先に押しかけていたみたいで、外で待たせてもらっていました」
と月沢は説明した。
多分、俺の怪訝な顔を見て、状況の説明が必要だと思ったのだろう。
だけど俺が知りたかったのはそっちではない。
「何で月沢が俺……私の見舞いなんか来るのさ」
「わたしはクラス委員長ですよ。クラスメイトの具合を心配して何かおかしいですか?」
「そうだな、うん」
気のない返事をするが、そういうことだ。
今の俺は美少女で、月沢にとっては嫌っていた男ではなく、好きな女子相手となったのだから態度が急変するのは当たり前のことである。
「ふふ、でも赤須君のことは特別気にかけていますからね。こうやって元気そうな顔が見られてわたしは良かったですよ」
なんて微笑まれると、俺もうむ、やはり顔も胸も悪くない以上、月沢も良いおなごよな。という気持ちになってくる。抱いてやっても良いかな、とね。
さて廊下で待っていた女子は二人と言ったが、他のもう一人はさっきからずっと月沢の後ろで黙っていた。
背の低い月沢の背に隠れられるほどの小ささ。そして、胸の揺れる微かな音(※6)。
俺は目をつぶっていても彼女が誰かわかる。
渡井頻(※7)だ。おそらくクラスの女子でも一番背が低い。月沢は多分三番目くらいかな。
しかし背などどうだって良いのだ。いやどうでも良いとまでは言わないけど、ラーメン屋に行って置いてある箸の善し悪しを気にするかという話なのだ。そりゃ粗悪な割り箸しかなければ評価は多少落ちるだろうが、大事なのはラーメンの味である。
そう、頻は巨乳だ。
巨乳だ。
背が低く、幼い顔立ちからロリ巨乳というカテゴライズになるのだろう。
ロリ巨乳ね。俺はロリという言葉に興味はないが、結局それが巨乳であれば大好きであると言わざる得ない。巨乳って付いてたらだいたい好きだからね。還暦巨乳とか? それはえっと、まあ垂れ具合とかと相談させてくれ。
「あの、暗真君。大丈夫? あ、それは美鶴ちゃんが聞いたか。えっと、もう大丈夫なんだよね。うん、良かった。良かったよぉ」
一人で会話しているが、彼女はあまり人と話すのが得意なタイプではないからな。
おっとりとしていて(※8)、性格も穏やかだ。その柔らかそうな胸にふさわしい性格の持ち主である。俺ぐらいにもなると胸の性格もわかるのだが、その話は長くなるからまた今度にしようか。
「頻も見舞いに来てくれたのか。ありがとうな。うん、元気だから一緒に教室へ行こうか」
と手を伸ばして、ふと止める。
月沢は男嫌いだが、頻は男が苦手な女子なのだ。
無論俺ほどのイケメンであれば、苦手な男の一括りの中には入りきらないのだけれども、それでも何度も何度も話しかけて、やっとしゃべれる中になったくらいだ。
ボディタッチやらなにやらは未だ不可侵で、とてもプロテスタントな関係(※9)を築いていた。だから伸ばした手を引っ込めようとしたわけだったけど。
「良かったぁ! うんうん、一緒に教室行こうね!」
と彼女の方から俺の手を取ってきた。
そのまま手をつないで教室まで行く。右には頻、左には月沢。月沢とは手はつないでないけど、もっとこう精神的な何かがつながれていた。多分。
ああ、最初に来てた男子のやつら? あいつらは月沢がにらみつけたおかげで退散していったよ。
◆
勘の良い俺はとっくに気づいていたよ。
何故か美少女として受け入れられている俺こと赤須暗真ですが、この好評っぷりですよ。異世界帰りの精神的ナイスミドルのおかげかと思ってはいたけれどもそんな訳ないってのはわかっていますとも。
美少女だからだ。
俺が美少女だから、男子生徒を軽くあしらっていた美女保険医にも、男嫌いのクラス委員長にも、男が苦手なロリ巨乳にも、優しく好意的に扱われているわけだ。
今までだって十分女子からは好かれていたと思うよ。けどね、今後はこれ以上ってことだよ。
今までノータッチ、あるいは攻めあぐねていた領域まで、美少女である俺は強行していけるってことなわけですよ。
美少女最高、やっぱり時代は美少女なんですよ! と声を大にして言いたかったね。
そう、俺にバッタの味見をさせるような幼馴染み(※10)と再会するまでは。
※1 同着同位
聞いた話だが、最近の小学校では運動会の徒競走ではみんなで手をつないで一緒にゴールするとか。本当かよ? にわかに信じがたいが、俺の中ではよくあることだ。女性に優劣をつけることなんて俺にはできないからね。
※2 人生ファーストクラス
ファーストクラスって実は乗ったことないんだけど、多分飛行機に乗ってキャビア食べ放題で美女のCAがどんなお願いも聞いてくれる感じなんだよな? つまり俺の人生とほぼ一緒だな。飛行機には乗ってないし、キャビアは食えないけど、可愛い女の子が俺のお願いを聞いてくれるからね。聞くだけの時もあるけど。
※3 吸血鬼
何でかは知らないが吸血鬼は純潔の相手の血を好むらしい。異世界でコウモリ族のやつと旅していた俺が言うんだから多分本当だ。しかし血は別に変わらないと思うんだけどね。もし俺が血を吸うなら煙草吸ってなくて野菜好きのやつが良いな。純潔とかいいよ、そういうの気にするのは童貞だけなんだって。ねえ。
※4 月沢美鶴
女子相手には理想的かつ模範的なクラス委員長。相談に乗り、勉強を教え、時には優しくだが注意することもある。男には注意しかしない。たまに呼吸が煩わしいからやめて下さい、とか言う。注意じゃないね。殺意だね。
※5 明鏡止水
すっげー綺麗な心って意味。え、そこら辺がどうイケメンの例えなのかって? 知らん。つうか何でもかんでも四字熟語で例えられると思うな。四字熟語ってそんな完璧なもんじゃねえだろ。
※6 胸の揺れる微かな音
実際、タプンとかプルンとかな音がするわけじゃないぞ。ありや漫画の世界だからな。でも俺ほどになると胸部から発せられる服の擦れる音、空気抵抗、存在感、あらゆる情報から巨乳を耳で感じ取れるわけだ。まあ、男ならたいていできることだし自慢にはならんな。
※7 渡井頻
好きだ。胸が大きいからね。大好きだ。ああ、えっとね、彼女はクラシックとか聞くくらい品があってね、でも下品なくらい胸が大きくてね。愛しているってことだよ。巨乳を言葉で語るなんて、俺にはまだできないな。
※8 おっとりしていて
おっとりしていたら性格も穏やかに決まっているんじゃないかって? そう思うよな。でも異世界にはおっとりしていて尖っているやつがいたんだよ。腹黒いって言えば良いのかな。だから気づいていないだけで、けっこう身近にいると思うぞ。まあ気づかない方が幸せだろうけど。
※9 プロテスタントな関係
プラトニックな関係とは違うぞ。デートで教会に行くぐらいの関係って意味だ。そりゃカラオケとか言ったらもうあれやこれでエロエロなことになりますからな。けど教会だとそういうことないだろ? だからまあ意味はほとんど同じってことになるか。
※10 幼馴染み
幼馴染みと腐れ縁の違いを教えてやろう。異性か同性かだ。以上。でも俺は人に虫を食わせようとしてくるやつは腐れ縁にカテゴライズしても良いのではないかと打診したい。まああれだよ、何にせよ昔からの付き合いってのは人生にいろいろと問題を起こすことがあるわけだ。そういった意味じゃ男だろうが女だろうが、結局は腐れ縁ってことになるのかも知れない。