第1話
初投稿です。自分の妄想を形に残そうと思ったものなので、くだらないです。ご了承ください。
何か不都合があれば削除致しますので、ご連絡ください。
「お前、またヴィ〇ン買ったのかよ」
「これ、20万くらいの安物だぜ?」
某有名大学のキャンパスを2人の学生が談笑しながら歩いている。会話の内容は学生とは思えないが。
「俺もポールス〇スでいいから欲しいわ」
「はぁ?響夜そんな安い財布買うなら俺のお古やるって!」
「いや、俺にもプライドってもんがあってだな?そもそもブランド品は自分で働いた金で買ってこそ価値があるんだよ。お前は1度バイトでもして1円の重みを知れよ」
「俺だってバイトしてもいんだけどよぉ。親がそんな『そんな低俗な事してる暇があったら勉強しろ』ってよ」
「かぁー! これだからボンボンは!苦労もした方がいいんだって!」
「俺もう親の金だけで生きていけるから苦労とかいらねえんだわ(笑)」
「死ねよこの野郎」
「まあ、この後デートあるからまたな!」
「畜生、金も地位も彼女も持ってるとかホントに死んでくれ」
「ごめんって!(笑) 今度飯奢るから!」
「お前って性格も俺と違って良いからそれもまた腹立つんだよなぁ」
「はは、褒め言葉として受け取っておくよ。じゃあな!」
「おう、じゃあな!」
そういって2人は別れたが、凡人の方の長野 響夜はため息をつく。
(はぁ。 なんで、同じ大学の学生なのにこんなにも境遇が違うかなぁ。俺もお洒落なブランド品で身を包んで、彼女作ってリア充してぇよ!ふざけるな!)
響夜は自分の凡人加減にうんざりしているが、世間から見れば響夜も十分に勝ち組なのだ。父の仕事も有名私立大学に毎年300万近く授業料を払える程稼いでおり、不自由な生活は何一つさせていない。将来は大手の企業に就職出来る可能性も高い程の偏差値の大学だ。しかし、そこに通う生徒は基本的に大企業の社長の御曹司だったり、政治家の親族が大半であるため、響夜は大学の中だと相当貧乏の括りに入るのだ。こんな贅沢な悩みを抱えている響夜はある誓いを立てていた。
(絶対に世界一の金持ちになってやる!)
こんな小学生の夢のようなくだらない夢を本気で目指しているのが、彼らしいといえよう。
(どうやって稼いでやろうか)
などと学校の帰り道に考えながら歩いていると、突如空からキラリと光るものが。
(なんだあれ?)
近くに迫ってようやく気づく。
(あれは、クロムハ〇ツじゃねえか!めっちゃ欲しい!)
と呑気な事を考えていると落ちてきたアクセサリーは思ったより大きく、響夜の脳天に突き刺さる。
(こんなくだらねぇ死に方すんのかよ…ブランド品は身につけるものであって、身に突いちゃだめだろ…)
こうして長野 響夜はこの世を去った。