私の名前
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夢を見た
(マリちゃん!マリちゃん!)
誰かが私を呼んでる
顔ははっきり見えないけど、きっと小さな女の子
(マリ!何でいつも迷惑ばっかりかけるの!この親不孝もの!)
痛い。ままに殴られる夢。
(あんたなんて生まなきゃよかった!)
嫌。嫌だ、思い出したくない
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「っ、はあ、っ、、」
目を覚ませば窓の外は真っ暗でシーンと静まる病室
「夢、」
最近は見なくなっていたままの夢
そしてこの病院に来てから見るようになった幼い男の子の夢
「誰、」
あの子はいったい誰なんだろうか
マリちゃん、マリちゃん、
私の名前を呼ぶ声が頭から離れない
_____あの人の歌声のように
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気づけば夜中だというのに屋上に向かっていた
ガチャ、
「って、、、いるわけないか」
ほんの少し彼がいるかもしれないと期待していた自分がいた
時間も時間だし、今日は外の空気吸って寝ようそう思ってベンチに座って
空を見上げようとして目に映ったもの
「え、」
『やっと気づいた』
彼だった。この前と変わらない笑顔で笑う彼がいた
「何でそんなところ、」
彼がいたのはこの町を全部眺められるような屋上より少し高いところ
『ここはね、俺の秘密の場所』
「秘密?」
無性に気になってはしごを上ろうとしたとき
『君はまだこっちに来ちゃだめ』
「え、何で、」
まさかとめられるとは思ってなかった
『まだ君には大切なこと思い出してもらってないから』
「何?私には過去に大切な思い出なんかないけど」
私のすべてを知っているように言う彼に少しイラっときて
反抗するようにしゃべった
「大切な、大事にしてる物も、想い出も何もない」
『ふーん』
自分から言っといて何?
その興味なさそうな感じ
「そもそも貴方名前、」
『思い出せたなら、そのとき俺の名前がわかるよ、マリちゃん』
「何で私の名前、」
どうして名前を知っているのときこうとしたら目のまえに彼はもういなくて
ただ星だけがきらきら輝いていた
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私、自分の名前名乗ってないのにどうして彼は
私の名前を知っていたんだろう
__________”マリちゃん”
どこかで聞いたことのある声
思い出そうとすると頭が痛くなって
”あんたなんか産まなければよかった”
聞きたくない声が聞こえて
ぎゅっと強く目をつぶった
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