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ルーマナ  作者: 黒キ万華鏡
第13話
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心の中

●メイプル・ルーチェ・スリジエ(目線)


メイプル「此処、は、何処?」


1面黒色、手や足が見える事から黒い空間に居るんだと思う

何でこんな所に?

確かアラン君と話して、ガルドさんと出掛けて、それで、それで


メイプル「邪神の使いを見かけた?」


そう。邪神の使いを見た。入ってきた邪神の使いの魔力に当てられて呪いが強くなって呪いに耐える為に倒れた、のかな?

それとも耐える為に倒れて呪いに呑まれたか


メイプル「前者なら待ってるだけでいいんだけど、後者なら私がどうにかならないとどうにもならないんだろうなぁ~」


手足を動かしてみる問題なく動く

声が出るのは既に喋れてるから大丈夫

魔法、は使えない。と言うか魔力を放出出来ない


メイプル「冷た!水、にしてはドロドロしてる。黒いスライム、かな?」


嫌悪感で背筋がゾクゾクする

多分あのスライムは呪い、呪いの効果か呪い本体

そしてアレが呪いだとするのなら恐らくこの黒い空間は私の心の中


「流石だよ。正解を引き当てるなんて」


メイプル「また(・・)会ったわね」


「〈クスクス〉やっぱり分かるんだ」


メイプル「えぇ私の中だもの、正体は未だに分からないけど会ったことがあるのは分かるわ」


「ねぇ私はこの空間から出たいと思う?」


メイプル「勿論出たいわよ」


「僕は出たくない、だって野蛮な生物が溢れてる場所に望んで戻りたいとは思えない」


メイプル「確かに野蛮な人も多い、でもそうじゃない人もいる」


「ルード・ストリームみたいな?」


メイプル「え、まあ、そうね。それにお父様やお母様、お兄様もそうよ、私が知り合いの中にも野蛮な人はいるけど、決して暴力的では無いわ」


「だろうね~私には優しいだろうよ」


メイプル「ぶなっ!危ないじゃない!」


いきなり殴り掛かって来るとか危ないなぁ

また拳で語り合うの?


メイプル「この間のこと私覚えてなさいよって言ったの忘れてたわ。1発くらいなさっい!」


「私の拳は痛そうだから遠慮しとくよ~」


メイプル「そっちからやってきときながらよく言うわよ。出してくれるつもりは無いの?」


「暫くは此処に居てもらうことになるかな~僕は外の様子を見れるからどう動いているか分かるし、今内側から出るのは身体的に宜しくないからね~私は知りたいんだろうけど教えないよ?だって僕は外の野蛮な生物達は嫌いだからね」


僕はどうして私が嫌がる事を言うんだろ?

あぁそっか。私が壊れて欲しく無いからだわ

私は弱い、強さや力じゃなくて心が、精神的に弱いから

だから嫌われる事だと分かっていながら傷付ける言葉を引き止める言葉を言うんだ


メイプル「私は外の事を知りたいとは思うけど外の事が分からなくても1つだけ見なくても分かることがあるから無理に見ようとは思わないわ」


「想像以上に強いよ、僕として生きていないからそう言えるんだろう。今世は規模が違い過ぎる、傷付いて壊れるくらいなら此処にいない?」


メイプル「今世ってね、父さんと母さん、それにクロード兄がいるだよ。それにシードさんやアナさん、沢山の人達がいるの。私は私として今世を生きて行きたい。どれだけ苦しくて挫折してしまっても私の大切な人達がいる限りは生きていたいのよ。想像を絶するだろう事は分かってる、それでも私は何も見ないで、何もしないで閉じこもりたくない!前を向くのが難しい時も、後ろに後退したい時もこの中に居たら出来ないでしょ?」


「うん、私もそうだろうね。分かってる、記憶が無くても結局同じ道を選ぶことくらい。それでも言いたかったんだよ逃げ場があるって、此処に逃げ込んで来てもいいんだってさ」


メイプル「アルセがいるから大丈夫だよ。家は無理でもギルドがあるもん」


「僕だから言えるけど余りアルセに気を許さない方がいい。アルセはメイプルじゃない、アチェロはメイプルと近いがアルセは数割別物だ」


メイプル「アルセが?」


「出ちゃえば忘れてしまうけど心に刻んでいて欲しい、気を許さないで。頼りにするのは良いけどね♪」


メイプル「アルセやアチェロ、ルードさんにも気を許してないよ。私は常に気を許してないんだから」


「普段は、ね。夢現で覚えていない時に気を許して甘えていたよ、まあ何もされてないから安心していい」


メイプル「それはそれで嫌なんだけど、甘えてた?頼りにするのと変わらないでしょ?気を許していまいと甘えはするわ。器用に分けることは私には出来ないけど」


甘えが弱さだと思ってない、甘えは強さに繋がる。堕落にも繋がるけどね~

大切なのは自分の心構えと線引き

力が欲しいと思うのと強くなりたいと思うのとでは全然違う。力が欲しいのは他者から力を与えてもらいたいと言う事、強くなりたいと思っているのならある程度ならどうとでも出来る。身体を扱けば強くなれる

努力しないで与えられるよりも元々持っていたものを鍛える方が強くなれると私は考えている。与えられた力を制御するのは当たり前としてそれ以上の力を付けようと努力しないでしょ?


「そろそろ心の中に侵食してくると思うけど、呑まれないでね?」


メイプル「え?」


ピキビキ

ビキビキ


何かやばそうなんですが!?

ちょ!割れるって!


パリーン


メイプル「うっわぁ〜気持ち悪!あんなのをどう防げと?」


「私はメイプルじゃないもう1人の自分と、神を思い出し思い浮かべ唱えればいい。まあ呑まれたら私の嫌いな他人任せで待つしかなくなるけどね〜」


メイプル「冗談じゃない!」


思い出すって言われても、覚えていないんだけど・・・今までの事を思い出して・・・も何も分からない

もう1人の自分って目の前の僕?神、とは関係無い。1部って事?

今までの記憶を全部思い出して、行動、言葉、表情

父さん母さん、クロード兄、そして私から生まれたアルセ、アチェロ

アルセと一緒にギルドを作ってギルド1位なった

初めてのメイプルとしての友達が出来た

違う、こんな事を思い出してる場合じゃない



「ニクイ、憎イ、奪わセナい」


「はいはい外野は黙っててよ。ほらさっさと思い出さなきゃ呑まれるよ?」


メイプル「どちらも黙ってて!」


もっともっと深い所を思い出さなきゃいけないのに腰元まで来てる、速く、速く

落ち着かなきゃ駄目だ


「落ち着きたいのに感触があって落ち着けないのなら1つ考えてみなよ。今やるべき私の役目は何だ」


1つ?役目?役目・・・

私には役目があった。どんな役目だった?役目、何か、そう、大切なバランスを崩してはいけない、数が増え過ぎたり減り過ぎたりしてはいけない。調えないといけなかった、筈


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