3:喜劇の結末と、訪れた穏やかな日々
ブログに掲載していたモノを加筆修正しています。
ボーイズラブと表記がございます、苦手な方はご遠慮ください。
私が幽閉される為に連れて行かれた王様の神殿は
太陽の日差しに包まれた暖かで、穏やかな鳥籠だった。
それでも、王様の神殿の者の視線は美しい者の神殿の者たちと何も変わらなかった。顔を顰め、世界の王様の隣りにある私を見ていた。
向けられる負の感情にはなれているものの、初めての場所でもあり
緊張し終止俯き縮こまっていた。
『其方は、下ばかり見つめているのぅ』
と王様はいう
『そんなに、この世界に生まれたこと、生きる事、その醜いという自分の容姿が嫌いかぇ?』
私は頷いた。
『私は、ただ申し訳なくなるのです。私の存在はこの完璧な世界の汚点みたいなものですから』
完璧な世界のぅ、と王様は言う。
『では、もし完璧な世界ならば不完全な其方は生まれなかった。そうは思わないか?』
王様は口元に小さな笑みを浮かべた。
その笑みは、本当に小さなモノで笑顔と呼ぶには余りにも儚い表情だった。
『其方は完璧な世界に必要として生まれた。』
そう言いながら私の頬に指をそっと滑らす。
『美しい者はその存在意義から、美しいモノしか必要としない、愛さない
そう意味ではアレは真実の美しい者であるのだろう。アレが其方を愛した。必要とした。
アレは其方の中に何を見たのだろのぅ?
其方には分からなくともアレにはちゃんと分かっていた。
ただ、アレが間違えた。だから其方は消えようとした。真に美しいものというのは綺羅の様に美しく強く、儚いもの。
我は長くこの世界の王様だが、初めて知ったのじゃ』
『王様、王様にも知らない事があるのですか』
私がそう問いかけると、王様は小さく頷く。
『我はこの世界を完璧だとは思わぬし、其方が起こしたという罪も其方のモノだとは思わぬ。そして其方は知るべきだ、この世界には美しいものよりもっと多く
醜いモノが存在し、それが其方を傷つけているのだと』
この世界の王様は、私の身を自由にしないこと、二度と美しい者に近づけさせないこと、この世界の王様が死ぬまで幽閉することを全ての者に約束した。
それはつまりこの世界が滅ぶまで私が死ねないと言うことでもあった。
その罰には反発の声もあったらしいのだが、だれもこの世界の王様には逆らう事は
出来ない。そうして、私の処分についてはそれで終わりを迎えた。
それ以来、私はずっとこの世界の王様の神殿でお世話になっている。
暖かな日差しの中で、穏やかな温もりに包まれている。
王様の側近の方々は王様がこの部屋に近づく事、まして1人で訪れる事を
良しとしないが、王様は気にせず遊びに来てくれる。
この世界の王様はこの世界の事を少し教えてくれる。
今となっては遠すぎる、美しい者の事も。




