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Dear

作者: 白華

誰かがこの手紙を読んでるってことは、私はもうそこにはいないんだよね。

この手紙は、馬鹿な私の、恥の多い人生のざんげってやつです。笑

いきなりですが、今、これを書いてる時点で、私はもう何回か自殺というものを試みてしまいました。

初恋のあの子にも、私のことを最後まで友達だって言ってくれたあの子にも、やめろって言われたけどさ。そんな簡単に止められることじゃないんだよね。リスカは、私に対する戒め? みたいなもの。身の程知らずな行動の代償ってやつ。いわゆる躾かな?

だいたい、あの子に告白なんてさ、身の程知らずにも程がある…ってなんか、程って感じばっか使ってる気がする。

てか、命をかけてでも殺したいぐらい嫌いな人がいたとして、その人を傷付けたいと思っちゃうのは自然なことじゃないのかな。

私の場合、その相手が自分であっただけ。

だってさ、自分の好きなところなんか探しても見つからないよ。見つかるわけないよ。だって良いところなんかないもん。皆、みんな私のこと嫌ってるようにしか思えない。実際そうでしょう? 友達だって言ってくれたあの子だって、ただの同情かなんかでしょ。わかってるよ。

さて、私は死のうと思っているのですが、どんな死に方がいちばん迷惑をかけずにすむでしょうか。

リスカとかだったら血が飛ぶし、首吊ったらさ、排泄物が垂れ流しで汚いんだよね? どうしよ。といろいろ考えた結果、ある遠いところに自殺名所の樹海があるそうです。そこだったら排泄物も肥料になっていいかもね。笑

死ぬ前に電車に乗って、美しい自然を車窓から眺めながら、また手紙を書くかもね。きっとそのときには、命の終末を悟ってる。それは夢のように素敵なことだと思うんだ。

なんかもう、言いたいことがわかんなくなってきた。笑

とりあえず、死を目前にした私は、今まででいちばん綺麗だと思います。人間なんてそんなものでしょう?

全てを知った人が美しいのは、知識というものが至高の美しさを持っているからです。と、私は悟ったようなことを言ってみる。笑

そろそろ手が疲れてきたから、短いながら、ここで終わらせていただきます。

最後に一言。


大好きだったよ、

幸せになってね。


あ、これじゃ一言じゃないや。笑

最期まで馬鹿だなぁ、私。


死は終わりじゃない。人生ゲームで言えば一旦止まる、かな?

私は、一旦止まって、そのままゲームオーバー、リセット。

ただ、それだけ。


じゃあね。またいつか、あなたがリセットしたときに会いましょう。


さよなら。


Dear.初恋のあなた

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自殺志願者特有の遠近が極端な破滅型の思考がよく表現されていると思います。この感情は自分の頭の中でぐるぐる回ってるだけで他者には全く見えないし自分に直接的な害を加えるわけでもない。なのに抗い…
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