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人が死んだら、どこにいくか
今僕がいるのは、真っ暗な空間……。
右を見ても、左を見ても、前を見ても、後ろを見ても、どこにも光が見えない。
ここは……一体どこだろう?
『もう、ほんと何やってんだか……海に行くなんて』
頭に直接、誰かが話しかけてきた。
この女の子の声は……前にも聞いたこの声は、誰の声だっけ?
『だめだよー名無し君。海は綺麗だけど、それと同じ位危ないところなんだよ』
この声は、そうだ……。
「……エル?」
『こんにちは、名無し君』
僕が名前を呼ぶと、暗闇の中に一つの光が見えた。
そして、その光は次々と集まり、次第にエルの姿へ変化した。
『名無し君、何度も言うけど海はとっても怖い場所なんだよ』
「なんでだい?」
『人が死んだら、どこにいくか知ってる?』
「えっと……天国かな?」
『ぶー、ハズレ。ちなみに、地獄でも無いよ』
違った……そして、次に言おうと思った答えも言われてしまった。
『正解はね……海だよ』
「海?」
『うん、海。そして海という生命の墓場に葬られた生命の為に、陸には沢山お花が咲くの』
「エル……一体、君は……」
『じゃあ、わたしはもういくね……』
エルをかたどっていた光はキラキラと消えていく。
「待って、まだ話が……!」
「ばいばい、名無し君……」
そしてエルの声が消えたと同時に。
僕の世界に、ぱぁっと明かりが灯った。




