目覚め
「ん………」
柔らかなベッドの上で、僕は覚醒する。
まぶたを開き体を起こすが、照明がやけに眩しく感じて、僕は白い手袋をした手で明かりを遮る。
徐々に光に慣れ周りを見てみると、目の前に広がっていたのは僕の見知らぬ、優雅な部屋。
そして見知らぬ3人の女性が、僕を囲むように佇んでいた。
「おはようございます、調子はいかがですか……ご主人様」
1人は黒髪を後頭部にまとめている、背が高くて恐らく年上の女性。
優しげな表情で、じっと僕を見つめている。
「今まで、ずっと眠ってたのよ?……ま、無事そうだし良かったわ」
もう1人は、長い金髪を頭の左右に結んだまだ若い女の子。
強気な口調だが、僕を心配してくれていたのか安堵した表情をしている。
「良かったぁ……ご主人様が覚醒めてくれて、ミレイヌはほんとーに嬉しいですっ……!」
「わっ」
「あっ……!ご、ごめんなさいっ!」
そして肩ぐらいまで伸ばした栗色の髪の女の子は、僕に抱きつくように飛び込んできたかと思うと、
ぱっと離れて顔を赤らめた。
この3人には共通する点がある。
フリルのついたカチューシャを頭につけエプロンドレス身に着けている彼女たちは……メイドの格好をしていた。
「あの……聞きたい事があるんですけど、いいですか?」
「はい、何ですか旦那様?」
「僕は……誰ですか?」
「……っ!」
金髪のメイドの女の子が、僕から視線を逸らした。
さっき抱きついてきた女の子も、どこか困ったような表情をしたまま何も喋ろうとしない。
ただ1人、長身のメイドさんは落ち着いて口を動かした。
「旦那様は、私達のご主人様でございます」
ご主人様?
何の話だ?
「……じゃあ、ここはどこです?それに、貴女達は一体誰なんですか?」
「ここは旦那様の屋敷……そしてこの島にあるモノは、全て貴方様のモノです」
「僕、の?」
自分で聞いておいて難だけど、何を言っているんだろう、この人は。
「私達の話は後にしましょう……。私は先に降りて、お茶の用意をして参ります。アリティア、ミレイヌ、旦那様をリビングへお願いします」
「わかったわ、ソフィーナさん」
長身のメイドさんが、先に部屋を出る。
僕はどこか夢うつつな気分のまま、扉が閉まるのを見ていた。
「……1人で立ち上がれるかしら?手、貸す?」
「あ、うん……1人で大丈夫だよ」
僕はベッドから起きると、軽く屈伸する。
不思議と、体は軽い。
「私達が案内するので、ついてきてくださいね、ご主人様」
「うん……わかったよ」
僕は2人のメイドの女の子に連れられて、リビングへと向かった。
僕が起きた部屋も、長い廊下も、階段も、リビングも、僕の記憶にある場所は何一つ無かった。
でもなんでだろう。
なんでこの人達は、僕が記憶が無い事を前から知っていたように振る舞うのだろう。
初投稿です。今年の一月に書いた連載小説です。
メイドさんといちゃいちゃする話を書こうとしてたら何故かこうなりました。




