ココロノカベ
作者の中でタイトル&サブタイトルは6文字しばりで考えています。
なのでカタカナになりました。
11/8文末に2行追加しました。
明け方、向かい合って眠る黒髪の少年と白髪の少女。
さながら、仲睦まじい黒猫と白猫が寄り添っているかのように。
少年の体がビクリと痙攣し、腕の中の少女をギュッと抱き込んだ。
抱きしめられた少女は少年の胸元に猫のように頬を擦りよせる。
「……バート……」
名を呼ばれ、黒い瞳がぼんやりと開く。
「?おはよう、D」
戸惑いを含んだその声にパチリと紅い眼が現われ、黒い瞳を確認し――――突き飛ばした。
黒髪がベッドの向こうに消える。
「ひどいよD。それにしてもずいぶんと良い寝覚めだね」
打った頭をさすりながら床から起き上ってきた。
「言われてみれば……良く寝たかの」
はて?と小首をかしげ、こぼれて流れる白髪。
アルバートが、パッと表情を明るくした。
「一緒に寝たから?」
「果たしてそうかな?」
片眉を上げ紅い眼を眇めてニヤリと笑う。
その顔に、くやしそうに口をとがらせながら切り返した。
「……今夜も試してみる?」
「何やら艶めいたお誘いだの。だが、断る!」
芝居めいた口調でビシリと指をさされては、肩をすくめるしかないアルバートであった。
「はいはい。朝ごはんにしましょうね」
寝室の戸に手をかけて、アルバートは違和感に気付く。
(そう言えばこの家って玄関にすら鍵が付いていないのに。昨夜の抵抗は何だったんだろう?)
「D、このドアって……」
振り返って、赤面して、勢い良く部屋から出てゆく。
「ごめん!!」
寝室に残されたのは着替え始めた少女が一人、何事も無かったかのように身づくろいをしていた。
「おかしな奴だの。数年前まで一緒に風呂に入っていたのに」
こてりと小首を傾げる仕草は、あどけない少女のものであった。
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