1/39
プロローグ
11/4差し込みました。
人々は異能・異形・異端を嫌悪し、忌諱し、忌避し、侮蔑する。
異能の者に魔道士、呪術師、予見者、そして魔女が居る。
魔道士は王宮が召抱え、呪術師は貴族の御用達、予見者は祈りの塔に庇護されている。
どれにも属さない魔女はひっそりと森に棲み、誰にもたらされたわけでもない知識で以って薬を作る。民衆は魔女のもたらす恩恵に与りながら、魔女を蔑視する。大罪を犯した咎人のごとく。
曰く、魔女は秘薬で何百年も生きる。いや、幼児をさらい生き血を啜り生き永らえる。いやいや、実は死人で呪いで仮初の生を得ているので死ぬ事は無い。
曰く、魔女の秘薬に赤子や躯を使う。
曰く、悪魔と契約している。
曰く……
とある地方を治める領主の城郭街の隣には、寄り添うように円い森がある。なだらかな丘陵地帯に似つかわしくない手付かずのその森に、一人の魔女が住んでいた。
人々の侵入を拒む森の入口には魔女とを繋ぐ箱が一つ、呼び出しベルが一つ。箱は薬の受渡の為に、ベルは急を要する事態の為に設けられている。故に、魔女の姿を見た者は少ない。噂では黒いフードを目深に被った白髪の老婆だという。そして、この街が出来る前からその風貌は変わっていない、らしい。
誤字・脱字・意味の読み取りずらい表現など、ございましたらお知らせいただけると助かります。




