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個性色トリドリ!?

拙い表現力ですが、完結できるよう頑張ります!


誤字脱字・表現ミス等ございましたら、お気軽にご連絡ください。

 パレット社へ向かう日の朝。

リュックサックと手さげ鞄を持ち、玄関に立って母を見上げる。


「忘れ物ない?」

「大丈夫だよ。お母さん」


 少し不安だが、今度は逃げない。

真っすぐ母を見ると、流の気持ちが母にも伝わっているようだ。


「なら、いってらっしゃい!」

「行ってきます!」


 玄関の扉を開ける。


眩しい。

新たな門出を祝うかのように、太陽が輝いている。


集合場所のパレット社本社ビルまで自宅からそう遠くはない。

流は徒歩で集合場所まで向かう。

数日分の着替えや日用品を鞄に詰めているので荷物は重く感じるはずなのに、不思議と荷物が軽く感じた。


自宅から平らな道を真っすぐ歩き続け、パレット社の本社ビルの目の前までやってきた。


「ここがパレット社の本社かぁ……近くで初めて見た……」


 自宅の二階の窓からパレット社の本社ビルは見えるが、目の前まで来るのは初めてだ。


「あ……あの!」


 ビルの入口付近で建物を見上げていると、か細い声が聞こえた。

薄い桜色のサラサラな髪、夜桜を思わせる瞳のはかなげな少女が手を震わせながら声をかけてきた。

流は気づいた。


「もしかして、「我色」の参加者ですか……?」

「わぁ! 良かった! ずっと一人で心細かったんです……!」


 少女の不安そうな瞳が大きく開く。


「私もです……! あ、私、白雲流(しらぐもながれ)と言います。あなたは?」

大桜華(おおざくらはな)と申します……!」


 大桜は丁寧に頭を下げる。


「じゃあ、華ちゃんって呼んでもいい?」


 流は大桜に問うと、始めはびっくりした様子だったが、小さく何度も首を縦に振り、気恥ずかしそうに頬を赤らめている。


「私も「流さん」て呼んでも……あ、でも、嫌だった拒否してもらってもーー」

「全然嫌じゃないよ。よろしくね華ちゃん」


 大桜の手を取り距離を詰めると、彼女は口がパクパクと動くだけで言葉が出てこない。


面白い子だなと流は思った。


「よ、よろしくお願いします……!」


 二人は横並びで、ビルの中へ入る。


中は普通のオフィスビルで、入ってすぐの所に受付カウンターがある。

流たちはカウンターに立っている一人の女性に声をかける。


「ようこそ。パレット社へ。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」


 カウンターに立っている女性の声が想像しているものと違う。

……機械音だ!


この女性は人ではない。人に寄せたアンドロイドだと二人は気づく。

二人は驚きながらも、女性アンドロイドに名前を伝える。


「白雲流です」

「大桜華です……!」


 名前を言い終えると、女性アンドロイドの動きがピタリと止まる。

二人の肩が上がる。


「データ解析中。一致しました。どうぞ、奥へお進みください」


 女性アンドロイドは二人に免許書のような顔写真付きの個人情報が乗ったカードを渡し、奥の大きな扉がある部屋の方へ案内する。


いつの間に、顔写真を入手したのだろう。不思議がりながらも案内通りに二人は進む。

案内された部屋に入ると椅子が用意されていたので、人気の少ない場所に座った。


「凄いねここ。さっきの人、人じゃなくてロボットだったね」

「私がいた村はロボットなんて無かったので、社会とのジェネレーションギャップを感じます……」


 大桜は頭を抱え、ブツブツと悲しそうに話す。


空気が重い。

流は話題を変えようと、独り言をつぶやいている大桜に質問をする。


「そういえば、華ちゃんはどこから来たの?」

「長野県の小さな村から来ました。流さんはどちらから……?」

「私はここ、虹色町(にじいろちょう)が地元なんだ」

「つまり、流さんはシティーガールなんですね……私のような田舎者とは大違いですね……」


 余計に暗くさせてしまった。

少々扱いにくい子だなと思いながらも、流はツッコミを静かに入れる。


「華ちゃんシティーガールの使い方間違えてるよ。ここはパレット社の工場と本社があるだけで何もない町ーー」


 ガシャン。

誰かが椅子を蹴ったらしい。

揃えられていた椅子の列が乱れ、椅子が一つ仲間外れになって倒れている。


流たちは大きな物音がする方へ目をやる。

黒髪の少女が、涙目になっている緑色の髪の少女を睨み、睨まれている少女は紫髪の少女を盾にして隠れていた。


「さっきからジロジロ何なんだよ、お前」


 黒髪の少女が鋭く睨む。


「こ、こわいニィ……!」

「だから言ったのに。全く、貴方という人は」


 盾にされている少女は、後ろで脅えている少女にため息をつく。


「だって(まる)! この子耳にピアスいっぱいあいてるニィ! つい気になって……」

「あ? ピアス何個もあいてたら何か文句でもあんの?」


 緑髪の少女は猫のように丸くなり、「丸」と呼んだ紫髪の少女の腕を強く掴む。

紫髪の少女は黒髪の少女に臆することなく堂々と向き合い口を開く。


「すみません。うちの(みどり)が失礼しました。どうかここは穏便に」

「……ッチ……」


 紫髪の少女が頭を下げると、舌打ちをして黒髪の少女はその場を去っていった。


「荒れてるね……」


 遠くから三人の様子を眺めていた流は、心を落ち着かせようと隣に座る大桜へ言葉をかける。


「そうですね……ああいった方とはお近づきにならない方がよさそうですね」


 か弱そうに見えた大桜だったが、流よりも落ち着いたようすできっぱりと答えた。

見た目に寄らず大桜は肝が据わっているなと流れは驚く。


「そうだね……」


 大桜の態度に流は裏切られたような心地になるが、大桜が少しだけ頼もしく見えた。


この部屋に集まる人たちと同じ屋根の下で平和に過ごすことは難しそうだ。


あの凶暴な子と関わり合いになりませんように。

流は心の中で神に祈るのだった。

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