当選発表②
翌日の放課後。
同じクラスで友人の、田中 朝と佐藤 夜に「我色」へ応募していたこと。そして、当選したことを告白した。
「え!? 流応募してたの!?」
「しかも当選した!?」
二人は流に顔を近づけながら大きな声で叫ぶ。
想像通りの反応だ。
二人は、「我色」に対して懐疑的だった。
だから、二人にこのことを話すかどうか悩んだが、隠し事はいけないと勇気を振り絞って告白した流は、二人の顔色を窺いながら話し始めた。
「う、うん……びっくりだよね。まさか、当選するとは……」
あははと笑う。
二人は互いに顔を見合わせ、気まずそうに流を見た。
「いやー実はね、私たちもこっそり応募してたんだ」
「え!?」
田中が頭に手を置きながら言う。
佐藤はごめん! と手を合わせて謝る。
「……億万長者になれるかも! って思ったんだけど、落選」
「私もー」
秘密にしていてごめんと田中からも謝られる。
流はそんなことないと田中の頭を挙げさせる。
「そうだったんだ……」
小さな声で呟く。
少しだけ、気持ちが軽くなったような気がする。
「それで? 学校はどうするの?」
佐藤が質問する。
「それが、パレット社が学校に休学届を出すみたいで……」
パレット社が用意するのは寮だけでなく、学業も保証してくれるらしい。
当選通知の紙に、長期期間の企画になるため、衣食住そして学業の保証もすると書かれており、寮の中で簡易学校のようなものを用意してくれるんだとか。
そのため、今通っている学校は一時休学という扱いで、学校にも登校できなくなるのだった。
「そっかぁ……じゃあ、長い時間会えなくなるね」
「うん……」
流と佐藤の間でしんみりした空気を漂わせていると、佐藤が割って入って来た。
「何しんみりした顔してるの! 永遠に会えなくなるわけじゃないんだからさ、流、絶対願い叶えてきなよ!」
バン。と背中を叩かれる。
少し痛いが、田中なりの気遣いだ。
「うん! ありがとう、朝ちゃん、夜ちゃん」
二人に感謝を述べ、学校の校舎から見えるパレット社の工場を三人で見つめる。
もうすぐ私はあそこに行く。
そして、願いを叶えるんだ。
将来の夢があの場所で手に入ると信じて。
流はパレット社の工場に向けて手を伸ばし、工場を掴むつもりで手を握る。
「いいぞ! その調子!」
「頑張ってね流。私たち応援してるから」
「うん!」
期待と希望を胸いっぱいに膨らませながら、流は校舎から見えるパレット社の工場を目に焼き付けた。




