二十六話 ひきづり村と襲撃してきたもの
爆音が響いた後、部屋が大きく揺れ始める。
思わず、バランスを崩し、倒れそうになった。
とりあえず、両手を床について中腰になって構える。
こういう時はあれだ。
確か玄関にいるのが、一番いいはず。
落ちてくるものがなくていいとか聞いたことがある・・・・・・気がする。
だが、ここから玄関へ移動するには、揺れが大きすぎるし、長い。
「は!? 結構、揺れ大きくね?」
「おいおい、地震かよ。クソ、酒瓶が倒れたじゃねぇか」
「・・・・・・え、これ、震源近いですか!?」
「緊急地震速報なかったですよね?」
私は鳴らなかったスマホをポケットから取り出そうとした。
しかし、まだまだ揺れは続いている。
この揺れの中、スマホを探そうとしても、なかなかうまくいかない。
いや、それどころか、ポケット口さえ上手く見つけられそうにない。
仕方なく、スマホを諦めて頭部を守る。
大きな揺れと轟音はまだまだ続く。
いや、続いているというか、段々と──
「何か音がちかづい」
そこまで言った瞬間に玄関が削れた。
そう、玄関が削れた。
玄関が。
「はぁああああああぁあ!??」
玄関が削れた、否、目の前でその存在が消滅した。
そして、そこに真っ黒な空間が広がる。
外ではない。
穴だ。
玄関があった部分に、ブラックホールのような穴が空いている。
その穴が、真ん中から裂けるように開いていく。
否、開いたわけではない。
それは──白くて丸い。
そう、巨大な眼球が此方を舐るように見つめていた。
これは、そう、間違いなく。
「【鬼】だ!!」




