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二十四話 ひきづり村と怪異ではないもの




「つまり、何だ、テメェらじゃあどうにもできねぇって事か」

 加山さんが低く唸る。

 やはりそういう姿すら、熊の威嚇みたいだとぼんやりと思った。



「畑外。霊魂課に依頼してもらうのが、一番確実です。そもそも、霊能力者の分野じゃあないんですよ、これ。まぁ、何か【別のモノ】になろうとはしています。そして、その完成形は【怪異】に近いのかもしれない。ですけど、今は確かに【霊魂】の集合体だし、完成形になったとして、やっぱり【霊魂】の集合体なんですよ、結局は」

「・・・・・・【怪異】になっても、ですか」

 高倉さんが神妙な顔をして此方を見る。

「それがもう【怪異】になりかけていても、やはり霊媒師、ですか?」

「えぇ、蜜柑をいくら集めて絞っても、林檎ジュースにはならないんですから当然です」

「あぁ、そういうこと・・・・・・」

 あぎとくんは納得したように何度も頷いた。

 だが、高倉さんと加山さんは、どこか納得できないという顔をしている。

 まぁ、一般人に取ってみれば怪異と霊魂の違いなど些末で、どちらも「自分たち以外の誰かが討伐するべき化け物」でしかないのだろう。

 だが、相手取る立場にしてみれば、怪異と霊魂の違いは大きすぎる。

 寿司職人とパティシエくらい違うし、教師と塾講師くらい違う。

 そして、その違いはそのまま文字通りの命取りにつながるものだ。

 怪異や霊魂を相手にする人間は慣れないことをすれば死ぬ。

 そして、それで終わりだ。

 救いも続編もない。





「・・・・・・ちなみに、もうご存じかとは思うのですが、解決しないと彼の命が危ないんですが・・・・・・」

 高倉さんが小さく呟く。

 ぼそりとした聞こえても聞こえなくてもいいという様な声量だった。




「ふあく!!!!!」

「おい、急にデケェ声だすな。うるせぇぞ」

「あ? 何がウルセェだ、テメェ。わをんちゃんの元気な声が聞けたこととわをんちゃんの無病息災を祝ってお百度参りに行け。そしてもう二度と帰ってくるな散れ」

「コイツ、本当に気持ち悪いな」




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