二十一話 ひきづり村と早贄
*軽くグロめの死体描写あり*
「そして、【俺】が殺されちゃったみたいなんすよ!!」
頭上には新田さんの死体。
そして、横には叫ぶ新田さん。
頭がおかしくなりそうな状況である。
「・・・・・・一体」
誰に殺されたんですか、そう聞こうとしたが、言葉にすることはできなかった。
新田さんが目の前で崩れていったからだ。
新田さんの左足が消え、右足が消え、左腕が消え、右腕が消える。
そして、消えた箇所に何かが縫いつけられていく。
左足だ。
消えた箇所に左足が縫いつけられている。
新田さんの下腹部が膨らむ。
違う、膨らんでいるのではなく、彼の身体に何かが侵入してきたのだ。
新田さんがどうなったか。
どうやって、死んでいったのか──それをまざまざと私に見せつけているかのようだ。
何もできないうちに、新田さんの身体が変貌していく。
そして、最後に新田さんの身体に侵入した何か──いや、電柱が新田さんの顔面を貫いた。
水風船が割れた──そんな音が辺りに響く。
その瞬間、私の横に立っていたはずの新田さんは、跡形もなく消えていった。
まるで、最初からそこには何も存在しなかったかのように。
耳が痛む程の静寂。
それを終わらせたのは水音だった。
視線をそちらに向ける。
電柱に刺さった新田さんから滴り落ちた液体の音だ。
そういえば、上着も羽織らずに来てしまった。
冬の深夜で、身体は冷えている。
それなのに、嫌な汗が背中を伝っていった。
凍えそうなのに、胸が焼ける様に痛む。
遙か遠くで烏が激しく鳴いていた。
未だ日の出までの時間は遠い。




