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Vermilion noon ,indigo sunset  火星コロニー「リトプス1」の日常  作者: 蘭鍾馗
〈火星の日常 その4〉

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45/45

45.それは巨大な生き物のように(モニカ ルイーズの寄稿)

 モニカ ルイーズです。本施工部のインフラストラクチャー設計を担当しています。


 いきなりこんな事を言うのも何なのだけれど、これ、物凄く難しいの。何しろ、


・前例がない

・規模が大きい

・物やエネルギーの循環が閉じた自律系のシステムにしなきゃいけない


 大変なんだから。

 いやもう頭痛いのなんのって。


 ◇


 何がそんなに頭痛いのかって?

 では、具体に説明しましょう。


 勿論、基本設計は地球で出来てからここへ来てるんだけど、現場合わせでやらなきゃいけないことが当初の想定以上にあった。溶岩洞窟の大きさや形だって、ここへ来るまでは探査機の情報で作った唯の想定データだったけど、ここへ来て測量したら、あちこち修正しなきゃいけない所が沢山出て来た。あと、「明けない夜」みたいな想定外の条件設定も途中から盛り込んでいかなきゃいけなかった。調査部があって本当に良かったわ。ありがとうリオコ、クラウディアさん。ミカンヤマさんとオプロンさんもね。


 このコロニーは「リトプス1」って名前だけど、私達がやってることは、ある意味神様と同じ、砂漠に生える本物のリトプスを設計しているようなもの。太陽の光を頼りにエネルギーを作り、それを使って酸素や水、有機物を作る。金属や無機物は周りから持ってきて精製して使う。そして必要な分のエネルギーと物資を貯蔵する。それから何より大事な、人の生存空間の形成と維持。


 色んな分野の知識が必要。アニル君やアリ君、ダニエルさん、アリシアさん、アリリオ先生、リオコ、何人もの人に教えを乞いました。

 そして、火星の暦を作ってくれた土橋さん。彼が作ってくれた改良ダリアン暦が、色んなシステムを、火星の時間や季節に協調させて動かすために、どうしても必要だったんです。彼が暦の必要性に気付いてくれたのは僥倖でした。あの暦は、いわばオーケストラの指揮者。試験施工部は例えるなら弦楽四重奏で、指揮者無しでも何とか動かせるのですが、流石に本施工部の規模になると、これはオーケストラです。指揮者が必要でした。本当に必要なタイミングでこれを作ってくれてありがとうございました。


 ◇


 コロニーのインフラストラクチャーは、いわばリトプスの維管束。この中を、光や電気、空気、上下水、そして情報が流れて行きます。火星での長期居住、そして最終的には永住を目標に、これから細部の設計を詰めて行きます。本当に生き物のようなコロニーに出来るといいな、なんて考えています。


 そんな訳で、今も色々と勉強している最中です。まだまだ、色んな人の知恵と知見、アイデアが必要です。これからも皆さんに何かとご相談させて頂くと思います。宜しくお願いしますね。


 ◇


 さて、そんな感じで設計が進んでいる本施工部。今はまだデータ上の絵空事です。でも、設計が大分進んできて、3Dで内部の詳細部分まで見られるようになって来ました。

 そこで、まだ確定案ではないのですが、本日よりPC上で本施工部分を3D画像で見られるように公開しました。これについての意見や要望も募集しますので、何か要望や気付きなどありましたら、「♯本施工部コメント」のタグを付けて、モニカまでメール下さい。パブリックコメントですね(笑)。これについては、私がこの件の窓口になります。宜しくお願いしますね。メールお待ちしています。


 ◇


 さて、次は、調査部天文担当のサラザールさんに。

 宜しくお願いします。


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