表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Vermilion noon ,indigo sunset  火星コロニー「リトプス1」の日常  作者: 蘭鍾馗
〈食糧生産部の秘密〉

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/50

39.食糧生産の現状と課題、って書くと論文みたいね(ダニエラ フォンタナの寄稿)

 ダニエラ フォンタナです。オリヴァー君から指名されちゃいました。

 何書こうかしら?


 ◇


 オリヴァー君が作っている人工土壌、そしてそれを入れて作物を育てるための地下の大きな畑、もうすぐ出来上がります。まず最初は小麦とジャガイモの作付けをする予定。楽しみね。


 じゃ、この話はお終い。次回、「作付け」。乞うご期待!


 ‥‥‥ていう訳にもいかないわよね。

 私の今の仕事の話をしましょう。


 ◇


 オリヴァー君の紹介にもあった通り、私の普段の仕事は、とれた作物から料理を作る方。もちろんソフィさんのお手伝いもします。ただし、私のメインの役目は、どちらかというと保存食づくりや食品加工の方。ファイトトロンで生産された作物は、全量をすぐに料理してタイミング良く消費できるわけじゃない。だから、これが出来ないと、取れた作物の半分くらいは無駄になってしまうからね。大事な仕事よ。


 現在、コロニーには、小さいながらレトルト食品を作る設備があるから、すぐに使わなかった野菜なんかはこれを使って保存食にします。レタスは難しいけど、水菜や青梗菜、ケール、大豆なんかは料理してレトルトパウチにします。ソフィさんのシチュー、おいしいわよ。肉は大豆ミートだけど。ジャガイモもまだないから根菜類の代わりはエアポテトね。本当は缶詰も作りたいけど今は設備がない。

 で、シチューなんかの料理には少量ながら小麦粉が必要。小麦は地球からの食糧の中に幾らかあるんだけど、劣化しないように粒のまんま運んでくるから、これを粉にしないといけない。小さいながらこれもあるんです、小麦粉を作る機械。これを使って小麦粉や米粉を作るのも私の仕事。


 小麦粉を作る機械は、専用の部屋にあって、そこで作業をします。ここは火気厳禁。何故って?実は小麦粉は爆発物なの。小麦粉はとても細かい炭化水素みたいなものだから、これが空気中に一定濃度を超えて存在していると、火をつけると爆発してしまうの。そう、炭鉱爆発と同じ原理ね。もっとも、コロニー内は全館禁煙だから、火種が持ち込まれる心配はほとんどないけど(静電気だけは要注意ね)。米粉もここで作って、エアポテトと合わせて例の「カルカン」の材料にします。

 この間、少量だけどパンも試作してみたわ。コロニー内で見つかった酵母のサンプルの中から、アリシアさんがパン種用に選んでくれた菌株で作ったの。火星産の天然酵母パンよ!結構美味しかったわ。


 私はイタリア人だからパスタも作りたいんだけど、それをやるには小麦粉が全然足りないし、今ある小麦の種類もパスタ向きのものじゃない。ここから先は人工土壌の畑に期待ね。米も増産するそうだから、そのうちリゾットも食べられるわね。


 ◇


 でも、食糧に関しては、まだ未解決の問題が沢山ある。完全な自給自足体制を作るには、施設整備も含めて、多分あと十年くらいかかる。

 未解決の問題のうち、今、一番の課題になっているのが「動物性たんぱく」の生産。知ってた?今コロニーの中では牛もニワトリも飼えないのよ(笑)。


 じゃ、次はその辺の課題に取り組んでいるニシオさんに。この人、昆虫食の研究やってるの。

 なんだか「食料生産部何やってるの?」シリーズみたいになってきたけど、勢いつけてこのままいっちゃうわよ。次よろしくね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ