39.食糧生産の現状と課題、って書くと論文みたいね(ダニエラ フォンタナの寄稿)
ダニエラ フォンタナです。オリヴァー君から指名されちゃいました。
何書こうかしら?
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オリヴァー君が作っている人工土壌、そしてそれを入れて作物を育てるための地下の大きな畑、もうすぐ出来上がります。まず最初は小麦とジャガイモの作付けをする予定。楽しみね。
じゃ、この話はお終い。次回、「作付け」。乞うご期待!
‥‥‥ていう訳にもいかないわよね。
私の今の仕事の話をしましょう。
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オリヴァー君の紹介にもあった通り、私の普段の仕事は、とれた作物から料理を作る方。もちろんソフィさんのお手伝いもします。ただし、私のメインの役目は、どちらかというと保存食づくりや食品加工の方。ファイトトロンで生産された作物は、全量をすぐに料理してタイミング良く消費できるわけじゃない。だから、これが出来ないと、取れた作物の半分くらいは無駄になってしまうからね。大事な仕事よ。
現在、コロニーには、小さいながらレトルト食品を作る設備があるから、すぐに使わなかった野菜なんかはこれを使って保存食にします。レタスは難しいけど、水菜や青梗菜、ケール、大豆なんかは料理してレトルトパウチにします。ソフィさんのシチュー、おいしいわよ。肉は大豆ミートだけど。ジャガイモもまだないから根菜類の代わりはエアポテトね。本当は缶詰も作りたいけど今は設備がない。
で、シチューなんかの料理には少量ながら小麦粉が必要。小麦は地球からの食糧の中に幾らかあるんだけど、劣化しないように粒のまんま運んでくるから、これを粉にしないといけない。小さいながらこれもあるんです、小麦粉を作る機械。これを使って小麦粉や米粉を作るのも私の仕事。
小麦粉を作る機械は、専用の部屋にあって、そこで作業をします。ここは火気厳禁。何故って?実は小麦粉は爆発物なの。小麦粉はとても細かい炭化水素みたいなものだから、これが空気中に一定濃度を超えて存在していると、火をつけると爆発してしまうの。そう、炭鉱爆発と同じ原理ね。もっとも、コロニー内は全館禁煙だから、火種が持ち込まれる心配はほとんどないけど(静電気だけは要注意ね)。米粉もここで作って、エアポテトと合わせて例の「カルカン」の材料にします。
この間、少量だけどパンも試作してみたわ。コロニー内で見つかった酵母のサンプルの中から、アリシアさんがパン種用に選んでくれた菌株で作ったの。火星産の天然酵母パンよ!結構美味しかったわ。
私はイタリア人だからパスタも作りたいんだけど、それをやるには小麦粉が全然足りないし、今ある小麦の種類もパスタ向きのものじゃない。ここから先は人工土壌の畑に期待ね。米も増産するそうだから、そのうちリゾットも食べられるわね。
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でも、食糧に関しては、まだ未解決の問題が沢山ある。完全な自給自足体制を作るには、施設整備も含めて、多分あと十年くらいかかる。
未解決の問題のうち、今、一番の課題になっているのが「動物性たんぱく」の生産。知ってた?今コロニーの中では牛もニワトリも飼えないのよ(笑)。
じゃ、次はその辺の課題に取り組んでいるニシオさんに。この人、昆虫食の研究やってるの。
なんだか「食料生産部何やってるの?」シリーズみたいになってきたけど、勢いつけてこのままいっちゃうわよ。次よろしくね。




