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壊れてしまった大切なもの

作者: らこ

床一面に粉々に散らばっている

キラキラと輝く破片を

一つ一つ丁寧に拾っては

元の形に戻そうとしている


粉の様になってしまって

拾うことができないものも

小さな刷毛で優しくかき集めて


破片の一つを拾うごとに

見える記憶を思い出し

その日に戻ったかのように

胸が熱くなり

その破片を抱きしめる


辛い破片も

悲しい破片も

大切に抱きしめる


長い時間をかけて

やっと全てを繋げても

その形を維持できずに

またバラバラに

床一面に崩れてしまう


涙を拭いては

延々と

一からやり直す


自分でやった事なのに

その記憶に触れては

泣きながら

また繋ぎあわせていく


どうやったってうまくいくはずのないそれを

元の美しい姿に戻したくて

今日も破片を拾う




自分で壊しておきながら

その関係をまた元に戻そうとしては

壊して、傷つけ

自分自身も傷つけて

永遠に終わらないその作業を

今日もまた始めるんだ

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