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音使い達のみる夢  作者: みなだ のなつ
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1、リトのつなぐもの

初投稿作品です。読みづらい部分が多々あると思いますが、ご容赦いただけたら幸いです。

ープロローグー


 草原を風が駆け抜けた。はら、と前髪が視界に舞い込んできて、リトは手を止めた。さっきまで弾いていたアコースティックギターを傍らに置き、ふうっと空を見上げる。気づけば、真上にあった太陽はずいぶんと西に傾いてきていた。またこんな時間まで、練習に没頭してしまったらしい。ちらほらといた遊んでいる子どもたちも、帰り支度を始めているのが見える。そろそろ戻らないと、本格的に暗くなる。いや、でももう少しだけ、と考えていると、あぐらをかいたリトの上に影が落ちた。

「お兄ちゃん、すっごく上手だねー!」

 きらきらとした目で見つめてきたのは、遊んでいた子どもの一人のようだった。

「お、そうだろ。ありがとな」

「ねーねー、私の『楽譜』みえるー? 弾いて!」

 リトが手を止めるのを待っていたらしい少女の無邪気な言葉に、苦い笑みを浮かべる。楽譜、か。

「ごめんな、俺それはできねーんだ」

 そう言うと少女は残念そうな表情を浮かべた。

「そっかー、上手だからできると思ったのになー」

 できたらいいんだけどな、とリトは少し俯く。

「お兄ちゃん?」

 俯いた顔を覗きこんでくるから、ごめんごめん、と彼女の頭を撫でた。

 と、そこへ、クレスタ、と少女を呼ぶ母親の声が響いた。

「あ、お母さん」

「あ、じゃないわよ。もう、遅くまで何してるの。ってあら?」

 少女を呆れ気味に叱っていた母親は、リトとその右手が触れたギターに気がつくと、途端に申し訳なさそうな顔をした。

「ごめんなさいね、この子一度自分の『曲』を聴いてみたいって聞かないのよ。楽器を持っている人がいると誰でも話しかけちゃうの。あんまり、気にしないでね」

 それじゃあ、と焦るように会釈した母親に少女は手をひかれていった。

 また、風が正面から吹き抜けて、リトの髪をみだす。

 そのざわめきに乗って、この町に音使いはいないって言ったでしょ、と母親が少女に言い聞かせているのが聞こえた。

 音使い。音楽を紡ぎ、奏で、人を救う者。

 そしてこの町に音使いはいない。でも。

 リトは両脚にぐっと力を入れて立ち上がった。

「クレスタ!」

 大声で呼びかけると、少女は不思議そうに振り向いた。

「今はまだちがうけど、俺、絶対なるから。音使い」

 にかっと笑いながら、髪を乱雑に耳にかける。

「だから、その時また聴きにこいよ!」

 少女は少し驚いてから、たちまち顔を輝かせて、うん、と嬉しそうにうなずいた。

 空の橙色が辺りをほのかに染めていく。


   


1、リトのつなぐもの


「おう、今日も遅くまで弾いてたんか」

 酒場に行くと、リトは店主の親父にそう声をかけられた。ほらよ、いつもの、と慣れた手つきで林檎ジュースを出してくる親父は、もう十年以上この町で酒場をひらいていて、リトのことも昔からよく知っている。

「毎日飽きもせず、よくやるよ」

「まあね。好きでやってることだから」

 リトは、へへっと笑った。

「そうか。だいぶ上手くなったんか」

「えー親父知らねえの? 最近じゃ俺の腕見込んで声かけてくれる人もいるんだぜ」

「へえ、そりゃいいことだ」

「おっリトじゃねえか! こっちで一曲弾いてくれよ」

 店の中央あたりにいる客が親父の声をさえぎった。今日の客入りは上々らしい。そこかしこで、大人たちによるどんちゃん騒ぎが起きている。

「なに、俺のギターが聴きたいって?」

 いくらでもやってやるよ、とリトは威勢良く要望を飲む。

「太っ腹なこった。盛り上がるような曲、頼むよ」

「おー任せといて」

 自分の音楽が求められることは、いつだって嬉しい。

「な、言ったとおりだろ。じゃあごめん親父、俺ちょっと行ってくるから」

 カウンターに立てかけていたギターを手に取り立ち上がる。

「おう、はやく行ってやんな」

「うん、またあとで。親父も聞いとけよ!」

 リトは待っていた客たちに、やんやと迎えられた。それじゃあ一曲弾かせてもらいまーす、と元気に宣言し、拍手を浴びる。この雰囲気なら、ガンガン掻き鳴らすアツい曲がいいかな。瞬時にそう判断して、ジャーン、と弦を響かせた。


   *


 時を同じくして、また一人の少年が店の扉をくぐった。

 顎あたりで切りそろえられた白銀の髪と、濡れたような漆黒の瞳。このあたりでは珍しい色合いに、道行く人がたびたび振り返ることに疲れて、そこにたどり着いたのだった。

「ん、お前さんこのあたりの人間じゃねえな。まだ酒飲める年齢には見えないが」

 酒場の親父は、彼にそう声をかけた。

「……ここは酒が飲める人しか相手にしてくれない店なの?」

 あの子も酒を飲める年には見えないけど、と少年は大人たちの騒ぎに溶けこんでいるもう一人の少年をふわりと指差す。目立つ橙色の髪。楽しそうにギターを掻き鳴らしている。

「ん、あー、あいつはまあ、特別というか……」

「特別?」

「いや、まあいい。何かの縁だ、これでも飲んでいきな」

 うちで出せる酒以外の飲みもんは水とそれくらいしかねえ、と言いながら親父はグラスをよこした。

「林檎ジュースか、悪くないな」

 少年はふふっと笑った。

「お前さんどこから来たんだ? このあたりは観光地でもねえだろうに。長旅でもしてんのか」

「うーん、まあわりと長いこと旅してるかな。コルドの方から来たんだけどね、訳あって新しく住むところを探して放浪中なんだ」

「はあっ、コルド? コルドって言ったらお前……」

 親父は一瞬驚いた顔をして、慌てて店の真ん中で騒いでいる橙色を見やり、もう一度少年の方を見て、それから声をはりあげた。

「おい、リト!」

「えっ? なんだよびっくりした、いきなり大きな声出すなよ。いいところだったのに」

 橙色の少年——リトは急な呼びかけにびくっとしたあと、ごめんまた、と客たちに告げてカウンターに戻って来た。椅子をガタンとひいて座る。

「君は、ギターを弾くんだね」

 少年は、傍らにそっと立てかけられたギターを見やりながら、隣に座った彼に、そう声をかけた。

「ん? おおっ、同い年くらいのやつ珍しいな! 遠くから来た人? 俺はリト。ギターは大好きだぜ」

 毎日街はずれで練習してんだー、と元気良く告げるリトに、少年は、本当にギターが好きなんだなと目を細めた。

「僕はクラヴィア。引っ越し先を探して放浪中なんだ」

「へー、引っ越し先かあ。放浪中ってことはまたすぐ行っちまうの?」

「そうだね。しばらく休んだら、また次の街へ行こうかな」

「そっか、残念だな。このあたり、俺くらいの歳のやつ、本当にいねーんだ。良い友達になれると思ったのに」

 田舎だからさー、とリトはふてくされたように告げる。

「友達、ね」

「ん?」

「いや、僕も旅を始めてからそれなりに経つから。友達っていう響きが懐かしいなと思って」

 そんな風に呼べる人、もういないかも、と白銀の少年——クラヴィアは寂しく笑った。それを聞いたリトはきょとん、としてから、顔をほころばせた。

「なんだ、それならやっぱり俺らが友達になればいいんじゃねーの!」

 その勢いに、クラヴィアは少し驚く。

「……嬉しいことを言ってくれるね。でも僕はまたすぐ旅に出ちゃうかもしれないし」

 いろいろなところを気ままに転々とする身では、連絡をとることもままならない。

 困った顔を見せると、リトはうーん、と唸った。

「それはそれ、これはこれなんじゃねぇ? 俺、よくわかんねーけど……でもお前が気になるんなら、とりあえず、この町にいるあいだだけでも、俺らは親友!」

 それでいいだろ、とリトは笑う。

「……友達から親友になってる」

 まるで小さい子どものように無邪気にリトが告げるので、クラヴィアも楽しくなって、くすっと笑った。

「そういう友達のかたちも、悪くないかも」

「おう、だろ!」

 クラヴィアが言外にリトのお友達計画に乗ったことを、彼は正しく理解したらしい。

 ていうか引っ越し先探してるならこの辺住んじまえばいいのにー、と今度は口を尖らせる。

「このあたり、なんもねーけど飯はうまいし、いいとこなんだぜ」

「そうだね、この林檎ジュースはなかなか美味しかったよ」

「あっ、それ俺専用メニュー! 親父これ出したのかよ!」

 明るく表情豊かなリトと、涼しい顔を崩さないなりに会話を楽しんでいるクラヴィア。二人の少年がどうやら友達になったらしいところを、ぼんやりと眺めていた親父は、話をふられて、はっと我にかえった。

「お、おう、ちょうどいいかと思ってな。ってそんなことはいいんだ、リト!」

 リトは親父の突然の剣幕に、え、とたじろぐ。

「な、なんだよ」

「いやお前、そいつ、コルドから来たって言うからよ」

「えっ」

 親父の言葉を聞いたリトは、クラヴィアの肩をガシィと掴んだ。

「俺は料理作りに行かなきゃなんねえから。話聞かせてもらえよ」

 親父はそう言って去っていって、カウンターの周りにはリトとクラヴィアの二人だけが残された。店のまんなか、テーブル席のあたりでは、相も変わらずどんちゃん騒ぎが起きているけれど、リトは全く気にしていないみたいで、クラヴィアの目だけをまっすぐ見つめてきていた。

「クラヴィア、お前ほんとにコルドから来たの?」

「えっと。そうだけど」

 クラヴィアはいきなり様子の変わったリトに気圧されながらも答える。

「お前、コルドって言ったら、音使いの都の!」

 目をきらきらと輝かせはじめた彼の言葉に、クラヴィアは得心した。

「ああ、そう、だね……君もギターを弾いているから、興味があるの?」

 彼の傍らにあるギターは、年季は入っていそうだけれど、きちんと手入れが行き届いているのが見てとれる。

「興味どころじゃねえよ! 俺、音使いになるのが夢なんだ」

 あー一度コルド行ってみてえなあ、とわくわくした目で語るリトに、クラヴィアは怪訝な顔になった。

「リトは、コルドの人間じゃないのに『音明かりの楽譜』が見えるの? めずらしいね」

「……いや。今はできねぇよ。まだ修行中なんだ」

 そう告げるリトにますます困惑する。

「君は音使いのこと、ちゃんと知ってる?」

「おう、そりゃな」

 リトはにかっと笑って答える。

「一人ひとりに合わせた特別な曲を演奏して、音楽でその人を助ける。音楽で心を癒す。そんな存在だろ?」

 クラヴィアはふっとリトから目をそらして、自分の両手に視線を落とした。自らの影で視界が暗くなる。

「簡単に言えば、そうだね」

 故郷の冷たい風を、ひさびさに思い返した。


「音使いになるには、ふたつの力がいるんだ」

 クラヴィアはそう話し始めた。

 一つに奏力。自分の楽器を演奏する力、その技術の高さだ。楽器は自分に合ったものならなんでも構わないが、奏力が低ければ当然、人の心に触れるような音楽を奏でることはできない。

「ギターや、あとピアノなんかは、和音が作れていろいろなことができるから、選ぶ人は多いかな」

 だよなぁギターかっけーしなぁ、とリトが嬉しそうに頷く。そんなリトをよそ目に、クラヴィアは話を続けた。

「そしてもう一つが、作曲力」

 音使いにとっての作曲力とは、曲を「視る」力を意味する。音楽を聴かせたい相手を見つめながら、念を込める。すると、その相手に合った曲の楽譜が少しずつ現れてくる。

「音使いは、曲を作っているというよりも、ただ、独りでに曲ができるのを視ているだけなんだ。曲を作りたい相手を強く見つめると、相手の周りを細い光の筋が取り囲んで、そこにだんだんと旋律が浮かんでくる」

 クラヴィアはカウンターの向こう側のランプを、まぶしそうに見つめた。

「そのとき見える光の五線と光の音符を、コルドでは音明かりって呼んでたよ」

 音明かりが示した楽譜を演奏すると、楽器から光があふれて、楽譜に基づく相手を包みだす。

「その光は、今度は音使い以外にも見えるんだ。楽器を通して、音明かりが可視化する。そして、可視化された音明かりに包まれた人間は、心の汚れが取り除かれるってこと」

 その効果は、音使いの奏力の高さに比例していくんだよね、とクラヴィアは目を眇めた。

「だからみんな、奏力を上げるために毎日楽器を練習してる。コルドでは、いつもなにかしらの音楽が鳴ってるよ」

 リトは、いいなぁ、コルド行きてえ、とますます目を輝かせる。

 でも、とクラヴィアはそんな彼の方に向き直った。

「奏力だけ高くてもだめなんだ。どんなに奏力をあげたって、効果の大きさには限界値があるって言われてる」

「限界値?」

「そう。人によって違う。作曲力の高さで決まってるんだ」

 作曲を通して生まれた音明かりが、楽器での演奏を通して可視化されていく。演奏は、万人に音明かりを見えるようにするフィルターみたいなものだ。奏力が高ければ、それだけ透明なフィルターになる。だが、どれだけそれが透明でも、その先にある音明かりがもともと少ないならば、それ以上のものにはならない。そう、言われている。

 奏力は努力で磨くことができるけど、とクラヴィアはリトのギターを見やった。それから顔を上げて、またリトを見る。

「……作曲力は、天性のものなんだよ、リト」

 生まれつき持っているか持っていないか、力の強さが大きいか小さいか。それだけだ。

 コルドには、代々続く音使いの家系がいくつも根付いている。だから常に音使いの力を持つ者が数多く存在するが、他の地域ではそうはいかない。ごく稀に突然変異的に力を持つ者もいるとは言うが、それも生まれ持っての話だ。

 そう語るクラヴィアを、リトの茶色い目はただ見つめ返した。

 カウンターにおかれたまま、すっかり忘れられていた林檎ジュースのグラスに、水滴がつう、とつたう。

 リトは、すっと笑って言った。

「うん、知ってる」

 グラスのなかの氷が、からん、と音をたてた。


「あ、いや、詳しいことは知らなかったぜ」

 一瞬の沈黙を破ったのはリトだった。

「力がそういう名前なのとか、演奏技術が高くても作曲によって限界があるとか、えーっとそれから……」

 そんな言葉をわたわたと続ける。

「この町には、音使いがいねぇから……お前、説明すんの上手いな。真面目に聞き入っちまった」

 リトはにこっとはにかんで、小首を傾げた。

 初めて知ったことも確かに多かったけど、と彼は続ける。

「生まれつき光の楽譜が見えないといけないってことは、知ってたんだ」

 音明かりって言うんだ、あれ。そう独り言のように言って、リトは天井を仰いだ。

「……本当にわかってる?」

 彼が何を考えているかわからなくて、クラヴィアは尋ねた。

「……君はどんなに努力をかさねても、音使いにはなれない。絶対に無理だって、僕は言ったんだよ」

 静かに言葉を選ぶ。音使いは、まず作曲力ありきだ。作曲力が全くないならそれは、音明かりを可視化する以前の問題になる。

「うん、わかってる。でも、どうしてもなりたくてよ」

 そう言うリトの顔は落ち着いていた。

「頭では無理だってわかってても、なんか諦めなければなんとかなんじゃねーかなーって思っちまうんだよ」

 そもそも練習しないと一日が終わった気ィしないしな、と続けながら、リトは自身の指先をいじった。ギターの弦を押さえ続けて硬くなった皮膚が、爪とあたってカツカツ、と小さく音を鳴らした。

「……君はどうして」

 クラヴィアが言いかけたその時、突然店の外から悲鳴が響いた。

 

 ——悲鳴を聞いたリトは、何事かとすぐに店を飛び出した。

 そんな彼と、それを追いかけたクラヴィアは、この世のものでない「なにか」を、そこに見ることになる。


「なん、だよ、これ……」

 クラヴィアの口から思わず言葉が溢れる。

 生き物では、ある。うなり声とともに荒く息を吐いているのが、少し距離のあるこの店先からでもわかった。その体つきは狼と大差ない。ただし色合いは、狼のそれとは異なるものだった。しなやかな体躯には、限りなく黒に近い深紫の毛がびっしりと生えている。触ったら肌が切れてしまいそうに硬く、太い毛に見えた。そして恐ろしさを増長させるのはその、真っ赤な双眸。本来白眼であるはずの部分も紅に染まったその瞳は、どこを見ているのかすらわからなかった。

 ブワリと毛を逆立て、その姿を何倍にも大きく見せている「それ」は、おぞましさと禍々しさを全身に纏っていた。

 ——化け物だ。

 人々に生まれたのは、本能的な恐怖だった。居合わせた誰もが、一歩も動けず、時が止まった。

 化け物がその体躯をブルと震わせ、大きく息を吸い、凄まじい音に、変える。

 街全体が、波のように揺れた。

 たった一息の吠え声が、こんなにも大きく響いた。

 瞬間、人々は我にかえる。

 あたりは一挙に騒然とし、逃げ惑う人々であふれた。


 生き物としての生存本能にかきたてられたのは、クラヴィアとて例外ではなかった。リトの方を急いでふりかえる。

「リト、僕たちも逃げよう」

 しかしどこかを見つめたままの彼からは返事がない。

「ねえって。なにが起きているのかわからないけど、ここはどう見たって危険だよ」

「……あれ」

 リトはクラヴィアには見向きもせずに、ある方向を指さす。

 その先には、

「子ども……?」

 おぞましい怪物がすぐにでも飛びかかれる場所に、小さな女の子が一人取り残されているのが見えた。怯えきった顔をして、すっかり座り込んでしまっている。きっと、自力で逃げることは敵わないだろうな、とこの非常事態に逆に冷静になったクラヴィアの頭は算出する。運良く襲われないままに怪物が去ることを願うしかない。

「……あの子さ、さっきギター弾いてる時に会ったんだ」

 リトがうわ言のように言った。

「俺、いつか曲弾いてやるって、約束してさ……」

「ちょっと、リト?」

 様子のおかしい彼にクラヴィアの背を冷や汗がつたった。

「どうすればいい、どうすれば……」

「リト!」

 リトはクラヴィアの呼ぶ声などまったく届いていないかのようにブツブツとつぶやき続ける。

「毛が逆立ってる……気が立ってる……鎮められればいいのか……助けなきゃ……せっかく約束したから……」

 その時突然、リトはぱっと何かを思いついた顔をして、困惑するクラヴィアをよそに、店へ向かって踵を返した。バンッと乱暴に扉を開ける。

「親父!」

「は? なんだ!」

「俺のギターとって! はやく!」

 店のなかは外と同じく騒然としていた。逃げ込んできた人もいるらしい。しかし張り上げられたリトの声はそんななかでも綺麗に通った。

「はぁ? ギターだって?」

「そこにあるから! はやく!」

「つってもお前、こんなに人があふれてたら」

「いい! 投げて!」

「……わかった。なんか考えがあんだな」

 親父はリトがいつも大切にギターを扱っているのを知っている。だがリトの真っ直ぐな眼を見て、ギターをぶん、と勢いよく放り投げた。木製のボディは人々の上を弧を描いて飛んでいく。

「ちょっとリトってば! いったいなにする気なの」

 クラヴィアが人混みをかき分けてようやく追いついた時、リトは大きく跳び上がってギターを受け取ったところだった。

「ギター? なんで?」

 ふたたび店の外に降り立ったリトは、ようやくクラヴィアの方を振り返った。

「音使いは、音楽の力で心を鎮める。そうだろ!」

 そういうリトの顔は、無鉄砲で、向こう見ずで、だけど希望に溢れていた。

「それはそうだけど! それに今なんの関係が」

「あれが何者なのかわかんねーけど。人の心に効くなら、きっと他の生き物にも効くと思う! なんか俺、弾いてみるから!」

 そう言うとリトはギターを両手に構え、怪物の方に少し近づく。

 ふっと小さく息を吐いた。

 それだけで、リトのまとう雰囲気がガラリと変わるから、クラヴィアはもう何も言えなくなってしまった。

 それから彼は、六つの弦を優しくポロンとはじきはじめた。

 

 ああ、これは本当に音楽を、楽器を大切に想っている人の弾き方だ。クラヴィアは、リトの演奏を聞いてそう思う。

 力強い一音と、澄んだ和音。リトのしなやかな指から、音符たちがあふれでる。丁寧に旋律が紡がれる。流れるように。繋がるように。それはとても、鮮やかに。

 逃げることに必死だった人々が、足を止めて、その音楽に耳を傾けた。なんとなく、目を離せないような、そんな魅力がそこにはあった。

「君は……」

 クラヴィアは半ば茫然として呟く。

「君は、音使いではないのに……」

 どうして、ここまで。

「あいつはな。ギターのなかに探してんだ、想い出を」

 隣から聞こえた声にはっと顔を向けると、静まった店から出てきた親父が立っていた。

「想い出?」

「あいつの父親、コルドの生まれだったのかはわからねぇが、音使いでな。今のあいつみたいに、毎日ギター弾いててよ」

「でも、この町に音使いはいないんじゃ……」

「あぁ、いねぇよ。死んだ。病気でな。あいつがまだ物心つくかつかねぇかってころのことだ」

 親父は深くため息をつく。

「あいつの家はもともと母親もいなかってんで、父親が死んじまってから、あいつはずーっと独りで暮らしてる」

 同じくらいのガキもそこらにいねえし、一人で飯食ってくのも淋しかったんだろうなぁ、気づいたら俺の店に居ついててよ、と親父は懐かしそうに語る。

「あいつは父親のことをほとんど覚えてねえ。だが、父親が自分に毎日ギターを聴かせてくれたことと、ギターから夢みたいに光があふれてたこと。それだけは覚えてるんだっつってたよ」

「それであんなに……」

「あいつにとって、音楽は父親との絆で想い出なんだ。自分もあんなふうに音楽をやりたい、って父親のギター弾き始めてよ」

 親父はリトの姿をぎゅっと見つめる。

「あいつが音使いになれないのは俺も知ってる。でも、どうしても、止められなかった」

 ——ああ。

 クラヴィアはなんとなくわかった気がした。

 きっとだからこそ、彼の奏でる音は、こんなに優しい。


 人々が見守るなか、化け物は相変わらず少女の間近にいて、その距離はじりじりと詰まってきていた。品定めをするかのように彼女をその煮え滾る赤目で見回す。

「くそっ」

 リトが小さく呟く。

「もっと近寄らないと駄目か」

 リトはギターを持ったまま、化け物と少女の方へ近づきだした。

「ちょ、リトっ!」

 クラヴィアは危険を顧みないその姿に思わず叫ぶ。

「大丈夫だって!」

 リトはそう笑って見せた。

 と、瞬間、化け物がリトの方にグワンと首を向けた。ハァハァ、と荒い息の音が聴こえる。ターゲットを定めた。そんな気配がした。

 化け物が後ろ足に力を入れているのが、スローモーションのようにゆっくり見えた。

「……ッ」

 リトはその鋭い爪が襲いかかってくるのをかろうじて避けた。

「リトっ!」

 叫んだところで意味はないことはわかっている。だけど思わず声が出る。

「このままじゃ……」

 ギターを守りながら対峙するのでは、長くはもたない。

 クラヴィアは見ていられなくて俯いた。彼がやろうとしていることは無謀だ。このままではきっと助からない。頭の中をいろいろな可能性と感情が駆け巡った。

 ——俺らは親友!

 その言葉が、響いた気がした。

 クラヴィアはぐっと歯を食いしばって、顔を上げる。

「……親父さん、大きめの紙とペンある? 貸して」

「は?」

「いいからはやく! このままじゃリトが危ない」

「……助けられんのか?」

 その問いに一瞬目を伏せる。

「わからない。でも……試す価値はあると思う」

 僕も彼を助けたいんだ。クラヴィアはそうつぶやいた。


 紙とペンを受け取ったクラヴィアは、目をぎゅっとつぶって大きく深呼吸をする。大丈夫、きっとできる。ペンを強く握りしめて、グッと目を見開いた。

 リトを狙う怪物に、照準を合わせる。

 ——視る。強く。強く。想いを込めて。

 すぅっと、怪物の周りを光が走った。怪物のおぞましさが嘘みたいに、その光はまぶしくて、かがやいていて。

 ああ、久しぶりの、景色だ。

 こんな状況なのに、そのきらめきに懐かしさを覚えてなんだか泣きそうになった。

 光は気づけば五線になっていて、螺旋状にゆらゆらと煌めいている。

 想いと力をさらに込めれば、シャリン、とひとつ、音が埋まった。

 ひとつ、そして、またひとつ。

 ここまでくれば、あとは速い。

 五線の上を、光が踊って、音がつながる。旋律がそこに生まれだす。

「よし」

 ——この先は、知らない世界だ。

 親父からもらった紙にザッと線を引く。

 見える景色をただひたすらに、うつしとった。

 自分にしか見えないそれが、橙色の彼にも見えるように。

 明るく輝く光の楽譜が、自分の手で紙の上の記号に変えられていく。その無機質な白と黒に、クラヴィアは少し慄いた。

 ——作曲力はあまり高くないのに。

 昔言われたそんな言葉が頭をよぎる。今していることが、もしも無意味だったら。そう思ってしまえば、ペンを走らせる右手が震えた。

 と、そのとき、ふわり、とクラヴィアの鼓膜を音がゆらした。優しくて、優しくて、ふっと気持ちがやわらぐ、そんな慈愛に満ちた音。

「リト……」

 見上げればその音色は、必死に演奏を続ける彼のギターから響いていて、ああ、彼だったらきっと大丈夫。そう思わせてくれた。

 クラヴィアはペンをふたたび手にとって、紙の上に旋律を描いた。

 シャッと最後の一音を書き上げて、祈るような気持ちで、出来上がったそれを目でたどる。きっと、大丈夫。

「リト、これ!」

 大きく呼べば、リトが振り返った。

 くるくると丸めて放り投げた楽譜を、彼はパシッと器用に受け取る。

「え、おいこれなんだよ! 楽譜?」

「いいから、弾いて!」

 真剣な目で射抜けば、リトは、困惑しつつもわかったと頷いた。

「でもお前、俺楽譜なんて見る余裕ねーぞ!」

 リトの言葉にクラヴィアははっとする。すっかり失念していた。

 でも、それならこうしてしまえばいい、とすぐに思いついて、ペンをぐっと握り直す。

 ねえ、リト。

「どうなっても想いをこめて弾き続けて。君らしくね」


   *

 

 目の前の怪物の眉間になにかが鋭くぶつかって、落ちた。どうやらそれは黒いペンらしかった。

 グゥッとうなった怪物は、リトに向けていたその矛先を瞬時にペンを投げつけた彼へと移す。

「えっおい、クラヴィア!」

 リトは焦ってその名前を呼んだ。

「僕のことはいいから」

 つい二、三時間前に出会ったばかりの親友はふわりとそう告げて、リトのギターを指差した。そうだ、楽譜。

 ちょっと切なげに微笑んでみせたクラヴィアが、なんだか消えてしまいそうで心配になる。でも、彼にもなにか考えがあるんだろう。今は、信じるしかない。

 よしっ、とつぶやいたリトは、あぐらで座り込んでギターを構えた。楽譜を丁寧に地面に置く。

 想いをこめて、自分らしく。

 ついさっき言われた言葉を反芻する。彼が投げてよこした手書きの音符たちに、なんだか人の温もりを感じた。

 ——トーン。

 それは柔らかなラ♭。そこから始まる、あたたかくて、優しくて、だけどどこか哀しいメジャーバラード。自分の両手から、ひとつの世界が紡がれていく。この瞬間が、すごく好きだといつも思う。

 ドレミファソラシドと、その間を埋めるシャープにフラット。たった十二の組み合わせで出来るこの世界は、だけどそんなに簡単ではなくて。まったく同じ楽器で、まったく同じ楽譜を演奏しても、人によって、時によって、まったく異なる景色が生まれる。

 音楽はきっと、言葉で気持ちが伝えられない時に輝く、もうひとつの言葉なんだと、想いを届けるためのものなんだと、そんな風に思った。

 そしてそれは、俺にとっては、絆でもある。そうリトは思いを巡らせる。

 かすかな家族の記憶と、自分をつなぎとめる絆。

 最初はたぶん、それだけだった。

 でも気がつけば、リトの演奏に興味を持ってくれる人がいて、応援してくれる人がいて、聴いてくれる人がいて。

 ギターを弾いていなければ、毎日はきっともっと暗くて、狭くて、孤独だった。

 ——自分らしく。

 慣れ親しんだ六弦は、気持ちいいくらいにリトの思った通りに響きを返してくれる。この音が届けばいい。この音が、心と心の架け橋になればいい。繋がりに、なればいい。

「……え」

 そのとき、リトの口から思わず言葉がもれた。

 あたりに、光が満ちていた。ひだまりみたいに温かくて、なんだか安心する光だった。

「これって」

 遠い記憶が頭をよぎる。

「あ、よかった……」

 ふとそんな安堵のつぶやきを耳に捉えてふりむけば、そこには怪物と対峙しているクラヴィアがいた。案外運動神経は良いらしい。踊るように、華麗に、襲い来る爪を交わしている。そんなことをしながらこちらにも目を向けるから、その能力の高さに驚いた。細くてひ弱そうに見えたのに。

「リト。手を止めないで。弾き続けてって」

「え、あ、うん」

 リトは楽譜に視線を戻した。一呼吸して、もう一度。

 ポロンと愛機を弾く。

 いつのまにかリトのギターは金の輝きに包まれていて、一本一本の弦をはじくたびに、新たな光が生まれてあふれた。音から生まれた丸い煌めきたちは、ふわりと浮かんで漂っている。まるで蛍の里にいるようだった。

「音明かり……?」

 リトたちを見守っていた人々がざわめく。

 やっぱりそうだよな、とリトは思う。

 自分が見たいと思っていた、あの、景色だ。

 こんなかたちで、見ることになるなんて。

 きっとこれが、自分にとっては、幸せの象徴だった。

 なんだか泣きたくなってきて、リトは逆に、ははと笑った。

 曲が終盤に差しかかる。

 ほわほわとあたりを浮かんでいた音明かりたちが、怪物の周りに集まり始めた。

 光は互いにつながりあって、怪物を包み込むような、ひとつの大きな輝きに姿を変える。

 リトがはじいた最後の音が、しとやかにあたりに響いた。楽譜の最後はグリッサンド。左手を丁寧に滑らせて、なめらかに音階をくだる。この楽譜なら、余韻はあまり長くない方がいい。一拍置いて、トンと右手で弦を軽く押さえれば、すべての響きがそれで終わった。

 その瞬間。

 怪物を包み込んでいた光が、ひときわ強く煌めいて、はじけた。


 眩しさに閉じた目をふたたび開いた時にはもうそこに、蛍のような煌めきも、逃げだしたくなるようなおぞましさもなかった。手にはいつも通りに馴染んだ、いつも通りのギターを握っていて、怪物がいた場所には、狼のような灰色の毛をした生き物が横たわっていた。

 ——いったい何が起きていた?

 ぼうっとする頭をなんとか叩き起こそうとする。いつも通りに店にいたら、叫び声がして、外に出たら何かがいて、練習中にちょっと話した少女がいて——

「あの子……ッ」

「大丈夫、もうお母さんと一緒だよ」

「クラヴィア……」

 その手が差す方を振り向けば、大泣きしながら抱き合う母と娘の姿があった。ほっと胸をなでおろす。街の人たちはまだ様子をうかがっているみたいで、家や店の中からあまり出てきていない。

 いつの間にか隣に立っていた白銀の彼は、リトの様子と、もう息をしていない灰色の亡骸とを静かに見比べたあと、はぁっと思い切り息を吐いた。

「よかった……」

 心底安心したように言われて、なんだかむず痒い。

 なんだったんだろうね、と彼は独り言のように続けた。

 リトは、ぼんやりしている頭を、もう一度なんとか目覚めさせて思い返す。そう、こいつが楽譜を投げてよこして、それで。

「クラヴィア、あのさ、お前」

「うん。ごめん。言いたいことはわかるよ」

 あの楽譜のこと、だよね。とクラヴィアは気まずそうに笑った。首をかしげて笑うから、その透き通った銀の髪がさらりと彼の耳から落ちて、光に透けて煌めいた。

「俺は、さっき自分の演奏で音明かりを出した……んだよな?」

「そうだよ。でも、君は音明かりの楽譜を見たわけじゃない」

 リトはうなずく。音明かりの楽譜。作曲力がある者しか見られない、光の五線と光の音符。でもリトが見たのは、五線でも音符でもない、ただの球状の輝きだった。

「僕もあんなことできるかどうかは賭けだったんだ。上手くいってほんとうによかった」

「お前は、作曲ができたんだな」

 その黒い瞳に見えた音の世界を、写し取ってこちらによこした。きっと、そういうことだ。

「そういう家に、生まれたから……黙っててごめんね」

 クラヴィアが不安そうにこちらを見上げる。

「怒ってない?」

「え、なんで怒んだよ」

 あの楽譜のおかげで、みんな救われた。それに、演奏してる間は必死すぎて、あんまり考えてなかったけど。

「なんか、さっきので、すごいいろんなものもらった気ィするし」


   *


 音使いになるのが夢だと語った彼は、クラヴィアがその素養を持っていて、しかもそれを黙っていたことに、そして勝手にその力を彼の演奏に託したことに、全く怒っていないらしい。嫉妬とかも、しないのかなこの男は。クラヴィアは、なんだか気が抜けてしまって、はぁと息を吐いた。ああ、眩しい。

「でもさ」

 リトが首をかしげた。

「それなら、お前がこれ弾いた方が、確実だし簡単だったんじゃねえの?」

 いや俺に任せてくれたことは嬉しいけど、でも、とごにょごにょ言っている。

「……ギターは専門じゃないんだよ」

 適当に返しておく。嘘ではないな、ギターは弾けないし。

「それにきっと、僕じゃだめだった」

 小さく言葉が口からもれた。

「え?」

 聞き取れなかったらしくリトが聞き返してきたけど、なんでもないよ、とクラヴィアは笑って流した。

「僕はね、楽器をちゃんとやるつもりはないんだ。だから音使いでもないし、音明かりが見えるだけの、ただのつまらない人間」

「つまらなくなんか!」

「でも音使い家系ってだけでコルドのあたりでは名前が知れてて、騒がれて、うんざりしちゃってね。誰も自分を知らない場所に行きたくて、気づいたらこんなところまで来てた」

 こんなことを語るつもりはなかったのに、どうやら自分は、橙色の彼に少し絆されているらしい。そうクラヴィアは自嘲する。

「でも遠くへ来たら来たで、今度はこの髪と目のせいでよそものだって遠巻きにされるし、噂されるんだよね」

 また旅立つ先を考えないといけないことを思い出してため息をつく。と、突然ガシッとリトがその手をとった。驚いて顔を上げると、思いの外真剣な表情をしていた。

「どうしたの、リト」

 なあ、とリトが呼びかける。

「それならお前、俺と一緒にこの街で暮らさねぇ?」

 え、と息が漏れる。今までの旅で、ここまで仲良くなった人はいなかったなあ、なんてちょっとズレた感想が頭を巡った。

「ここならお前の名前知ってる人なんていないし……よそから来たやつが居つくって普段ならちょっと時間もかかるもんだけど、今日の騒ぎ見てた人はみんな、お前に好意的だと思う。むしろ歓迎されんじゃないかな。恩は忘れない人達だから」

 それに、それに、とこの街の良いところを力説される。

 なんでこんなに引きとめようとしてくれてるのかな、とクラヴィアはぼんやり考える。

 ふと灰色の亡骸が目に入る。あれが何者なのかはわからないけど、いつまた現れるとも知れない。

「僕はさ、音楽で人を救えるなんて嘘だと思ってたんだ」

 ぽつりと言うと、リトは口を止めてきょとんとしたあと、心配そうに見つめてきた。

「え?」

「……でも、君となら、それができるかもって、ちょっと思っちゃったんだよね」

 ああ、絆されている。あの暖かくて、優しい音色に。それを紡ぎだす両手に。まっすぐなこの瞳に。

「僕が曲を書いて、君が弾く。そんな未来があってもいいかも、ね」

 ふふっと笑えば、リトはまたきょとんとしたあと、おうっと嬉しそうに応えた。

2章に続きます。よろしくお願いします。

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