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きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
ファンタジーな世界
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葵は、あれから

しばらくすると眠っていたようで

朝になると女官に起こされ、着替えを済ました後に

華原が部屋を訪れて来た


「王が私の元に来ました。芙蓉さまを極秘に探すために青の部隊を使うと、今芙蓉さまの失踪を世に広めるのは得策ではないという理由で貴方にそのまま身代わりを務めることを命じるとのことです」

「なぜ芙蓉姫の失踪が公になってはダメなの?」

「今は翡翠さまの治世が安定して間もないというのが1番でしょう。今回の妃集めも王は決していい返事をしてなかったのに王の意見に反して実行されたもの。集められた妃たち、その実家に対して納得の行く決断及び対応が求められています。そんな中で妃の1人が失踪したなどとの問題があれば、すぐに査問に掛けられ安定した治世がまた揺らぐことになる…」

「王にバレたのに、私に身代わりが務まる?

いつまで身代わりを務めればいいの?

もう限界よ!国って何よ?私は今まで普通の人として生きてきたの!そんな重いことを背負って生きて行けというの?!」


興奮気味に話す葵に

冷静に立ったままの姿勢を崩さずにいる華原


「私にとって国よりも、王よりも大切なのは芙蓉姫ただ一人

姫は王を愛していました。その姫が、望むこをを叶えて差し上げたいのです

異国から来たあなたにこんなことを頼むのは間違っているとも思います。だけどあなたにしか頼めないのです…どうかこの妃問題が解決する間は協力を頂きたい!」


深々と自分に向いお辞儀をする華原


「身代わりがバレても、華原の首が飛ぶことはなかったじゃない!

嘘つき!!」

「そうですね、また死んでません」

「なぜ、姫は見つからないの?」

「全力で探しているのですが、青の部隊も加わるので、時間の問題かと」

「もし姫が見つかったら私は自由ね?」

「もちろん」


葵は、華原に詰め寄るようにして距離を詰める


「わかった」

「ありがとうございます」

「さっそくだけど、お願いがあるの」

「何でしょう?」

「王さまに会いたいの」

「なぜ王に会いたいんですか?」

「どんな人か知りたいじゃない。それに挨拶はするべきよね

これからお世話になるんだから、今のところいい印象はないけど・・

それどころか、わたし王さまにイラついてる。何なの?あの態度・・」


葵は、なんともいえない表情をしていた

華原はくすっと笑った


「なんで笑ってるのよ?」


余計にイライラを加速したのか

葵は華原に睨むような視線を送る


「いいえ、私も王に対して、同じ気持ちでしたので・・」


ふーんと腕を組んだ姿勢の葵


「芙蓉姫は王を愛していたの?」

「ええ、愛していました・・」


華原は伏し目がちにそう答えた


「身代わりの上で一番の問題がそれよ!

わたしは王を愛せる自身がない・・」

「いいんじゃないですか?」

「え?いいの?」

「身代わりと言ってもあなたの心はあなたのもの

わざわざ王を愛する必要はないと思いますが・・」


葵は自然と笑顔になった


初めて自分を認めてもらえたような気がして嬉しかった













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