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きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
実家編
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40

葵が行方不明という知らせが翡翠の元に届いた


「どうします・・?」


陸が眼鏡をくいっと上げているうちに

執務室に座っていた翡翠は埋もれそうな書類の中ですでに集中モードに入っていた


「は~それほど大事ですか。あの娘が」


陸の嫌味は全く翡翠の耳に届いていなかった


翡翠は意識を飛ばしていた

高度な魔力を要するその方法は葵の姿を追う


葵の無事が分かればそれでよかった


目に映るのは油がのった貴族に抱きしめられ嫌がる

あわれもない衣装を着た葵の姿

黒い髪の女性相手に微笑む葵


薄暗い部屋に魔力を感じて姿が霞む


翡翠は緑色の瞳を大きく開いて息を吸い込んだ

額には汗が滲んでいる


「何が見えました?」

「白の部隊は東地区の貴族の元へ向わせ、城への登城を促せ

 青の部隊は西の自治区へ、そして赤の部隊は…西近くの貴族らを捕らえよ」

「状況を見たからといって今動いても証拠は揃ってません。どうするつもりです?」


陸が翡翠に尋ねる


「何かあってからでは遅い・・あいつあの男・・八つ裂きにしてやる」


まさか自分の知らない男に絡まられているのをみるとは思わなかった

なぜこんなにもイラつくのか

それに、葵といるあの黒髪の女は誰だ


「芙蓉の家にも連絡する!!」


翡翠は立ち上がり、書類は空を舞っていた


「無事なんでしょう?なぜそんなに怒ってるんです?」

「怒ってない」

「いや怒ってるでしょ、あなたこんなにも仕事山積みなんですよ?

優先順位考えてください」


翡翠は机に手をついたまま陸を睨む


「その娘と一緒にいた寝室で襲われた件で追っていたやつですけどね・・」

「ん?ああ、どうした」

「殺されました」

「は?」

「遺体で発見されました、翡翠様の魔力の印が付いていたので間違いなです」

「誰に殺された」

「その仲間のうちの一人を捕えて吐かせたところ、仲間うちで裏切りが発生してると・・

この女です」

「は・・嘘だろ・・」


陸が持っている人相に描かれているのは、今翡翠が見たばったかりの女


黒い髪の美しい女、葵が微笑んでいた相手


「あり得ない・・・黒い髪・・てことは、東の貴族の縁者か?

葵が今一緒にいるだと?なぜ一緒にいて笑っている?」


翡翠は右手で顔を覆う


「何ですって?あの娘はグルだということですか?」

「まさか!!」

「あの娘は芙蓉姫じゃない。どこの誰か知っているんですか?身元は確かか?

最初からスパイだったとも考えられる、それをまんまとあなたは引っかかったのでは?」


陸の目は冷たい


「青の部隊はあの娘を捕えるべきではないですか?」

「陸!!!」


翡翠の声に反応せず、陸は冷たく言い放つ


「あなたは今、冷静な判断ができない。何が最善か考える時間が必要だ」


一人部屋に残され、翡翠は椅子に深く沈みこむ


「どうなってるんだ・・そんなはずはない・・」


その場には、翡翠の戸惑いの声だけが響いていた







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