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きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
実家編
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無表情で葵の質問に答える気はない態度の女将の姿に

葵は座敷から立ち上がり、背の高い彼女を見上げる


「私、あなたのこと知りたい、誰なの?本当の姿は何?」


じっと無言で葵を見る女将


「変わった姫さんだ・・」

「ありがとうございます」

「・・褒めてないけどな」


なおもまだ、葵は女将に熱い視線を送る


「勘違いするなよ、お前は私の駒だ」


ふいっと葵から逃れるようにして

部屋を出ようとする女将


キンと嫌な金属音のようなものが鳴る

その同時に天井から男が降ってきた


女将が用意したバチンと大きな膜につつまれた葵は、さっと身を翻した女将を見る

手を伸ばし、その男から来た攻撃を防いでいた

身のこなしはとても軽い


「レイ、お前裏切ったな」


長い髪をなびかせ、男を蹴りにかかる

素早いその動きで見事男にヒットしたようで

部屋の隅まで男が吹っ飛んだ


「え??嘘でしょ??」


葵は膜の内側で成り行きを見ていることしかできないが

彼女の強さが普通ではないことに驚く


「かはっ」


息を吐きだす男に近づき、容赦ない蹴りをもう一発腹に入れると

男は動かなくなった

そして、その男にとどめを刺すように大きく振りかぶり、胸に刃物を突き付ける


「ま、待って!!」」


葵の声など一切届かない


どすっと鈍い音がして、血が滲んだら

そのまま体を建物から転がすように投げ落とした


どさっと落ちた音がした


膜がバチンとはじけて

葵は落ちたところの下を覗く

そこにはなぜか何もなかった


「殺したの??」


振り返り、女将を見る


「だったら何だというの?」

「あなたは何者??」

「姫さんが知る必要ないだろう」

「なんで私を守ったの?レイ・・それがあなたの名前?」


腕組をして葵を見ようとも答えようともしない


質問責めの葵の腕をぐっと掴んで、ぐいぐいと地下のようなところに連れてくると

小さな窓もない部屋に押し込まれる


「逃げようとするなよ」


バンと扉が閉まると、そこに結界のようなものが張られる

扉が赤くうっすらと光っていた


「ちょっと!!開けて!!!」


葵は拳でどんどんと叩くが応答は全くなかった


西の魔女

娼館の女将

裏切者のレイ?


葵は扉を背にするようにして前に座り込んだ


彼女は一体誰なの??

なんの目的があるのよ・・


そのままウトウトとしてしまっていたようだ


「来い」


驚くほど綺麗な容姿でドレスを着た女将が扉を開けた


連れてこられた先には、昨日のくびれ美人、アンジュと緑髪のラーセルがいた

ラーセルに化粧を施され、アンジュに衣装の着付けをしてもらう

身支度が終わってついた先は、貴族の屋敷だった


「世界を知りたいのだろう」


女将がにこりと口角をあげた顔は含みがあるにも関わらず

見惚れてしまうほど綺麗だった


「さあ、お姫さん」


ぐっっと有無を言わさず部屋の中へと押し込まれた


「え??ちょっと・・ここはどこ??」


部屋の中は、煙草と酒の香り

数人の貴族の男がソファーに葵を手招きする


「こんな清純派な娘もいるとは」

「へぇ~子爵様はこのような娘が好みですか」

「わかっとらんね、こういう娘を泣かせるのがたまらんのだ」


品定めをするその視線、言動が気持ち悪すぎて鳥肌がたつ


子爵と呼ばれる中年の脂ぎった男がぐいっと葵を引っ張り

自分の股の間に引き込む


「ほら、もっと私を楽しませて」


ぎゅっと抱き着かれて首元に顔をうずめてくる

葵は気持ちわるすぎて、体が固まったように動かない

身動きがとれなかった


部屋の中にはもっと男たちがいた

ラーセンは膝をつかされ、髪を引っ張られ、足をなめろと要求されていたし

アンジュは笑顔で踊っていたが、脱げとコールされて、お金を投げ込まれている


視線の先の異常な状況を見て

葵は震えだしていた


葵の胸に手を飛ばす子爵


「お前たちは私たちに逆らえないだろう?お金で買ってやったのは誰だ?」


葵は思いっきり子爵の顔をぶん殴った


「ふざけんな!」


まさか殴ってくるとは思っていなかったんだろう

殴られた顔を押さえるようにして、びっくりしたような表情をしているが

次の瞬間、葵の手首をつかみ押し倒してきた


背中の強打による痛みに表情を歪めると

うれしそうな顔で近づいてくる


「私たち貴族に言う事を聞くのは当たり前だろう?」


葵は思いっきり子爵の大事なところを蹴り上げた


怒りで震えが止まらない

葵の魔力が部屋中に充満する


「貴族だからって何をしてもいいなんて思うなよ!!」


葵の叫びで怒った貴族たちが一斉に葵の元に来る

魔力を制御できない状態の葵は、バチンと人をはじく

風が吹き荒れていた

その間に女将が入ってきた


「今日はこれにて失礼しますわ。教育のなっていない

新人の教育をしてまいります」


魔力を相殺するようにして、何事もなかったかのようにして

部屋を葵や他の娘たちを連れてでる


「あなた魔力持ちなのね」

「殴りとばすってやるわね」


クスクスとアンジュたちは笑う


「でも今日はまだましな方よ?」

「は?あれで?ましな方ですって?」

「そうよー薬物もないし、まわされることもなかったし・・」

「それに似たようなことしてたじゃない!何より自分は上!女を人と思ってないところ

何なの??許せない・・」


まだ怒りが収まらずに魔力がでてしまう葵の影響で

あたりには雷雲が集まってきていた


葵はまた結界が張られた部屋に入れられた

ラフな格好をした女将が入ってくる



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